何度も見ても面白い 名作ドラマ「白い巨塔」
- 2019.12.11 Wednesday
- 13:03
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
ドラマ「白い巨塔」を見返しています。
原作は山崎豊子先生の小説です。
名作です。シリアス系のドラマとしては今まで見た中で最高峰です。
肩の力を抜いて楽しめるエンタメ系なら織田裕二さん主演の「お金がない」が一番好きです。
その次に「古畑任三郎」
けどシリアス系となると「白い巨塔」以外に浮かんできません。
SF要素が入ってもいいなら江戸時代へタイムスリップした医者の「仁」も捨てがたいです。
けどとにかく「白い巨塔」ほど引き込まれるドラマを他に知りません。
このドラマだけはテレビの前に正座して見てました。
始まる五分前にはスタンバイして。
よくある凄腕名医の「どうだ俺すごいだろ!」ってな腕自慢のドラマじゃなくて、医者としてのあり方、患者との向き合い方を深く描いています。
チープな演出は一切なし!
紋切り型の金太郎飴的なストーリーも一切なし!
最近人気だからといって事務所がゴリ押ししたようなキャスティングも一切なし!
薄っぺらな人間描写や間を繋ぐ為だけの安っぽい恋愛要素も一切なし!
ストーリーは一ミリの隙もなく、演出は控えめながら場を弁えた完璧なもの。
役者さんの演技は鬼気迫るものがあって、特に教授になる前の財前と東教授のやり合いはすごい緊張感があります。
弟子である財前は教授になりたいが為に内科の鵜飼教授に寝返り、師匠である東教授と袂を分かちます。
東教授はなんとしても財前の鼻っ柱をへし折ってやろうと、教授選に強力な対抗馬をぶつけました。
かつての後輩である東京の船尾教授を頼って。
しかし詰めが甘く、船尾教授から「甘いお方だ」とため息混じりに呆れられてしまいます。
弟子には裏切られ、後輩にはため息を吐かれ、教授選には敗れそう。
溜まりに溜まった屈辱と怒りをどうにか抑え込んでいましたが、小さなことで爆発してしまいました。
コートを羽織った時に鉢の小枝が引っかかり、なかなか取れません。
思いっきり引っ張って鉢をなぎ倒すと、今までの涼しい顔が嘘のように豹変し、泣き喚きながら庭の鉢植えをなぎ倒したのです。
心配した娘が止めに入りますが、最後は地面に突っ伏して大泣きします。
これ、滅茶苦茶リアルです。
白い巨塔の中でも屈指の名シーンです。
プライドをズタズタにされながらもどうにか我慢していたはずなのに、ほんの些細な出来事で爆発してしまう。
しかも石坂浩二さんの演技がすごいです。
怒りや悲しみや屈辱、言葉にできないどうしようもない感情が全て伝わってくるんです。
そして財前のだんだんと人間味を失って冷酷になっていく感じも素晴らしいです。
とにかく上を目指したい、一人の男として成り上がりたい。
強い信念や感情が唐沢寿明さんの演技で伝わってきます。
江口洋介さん演じるライバルの里見先生も魅力的です。
財前とは対照的な性格なんですよ。患者のことが第一、医療発展の研究を惜しまない。
それに鵜飼学長のいやらしい感じも最高です。
伊武雅刀さんの得体の知れない不気味な迫力の演技がクセになります。
本当に面白いドラマは何度見ても面白い!
私はもうオジサンなので、昨今のドラマにはついていけません。
若い役者さんは名前どころか顔も知らないし、そもそもテレビを見なくなりました。
圧倒的にYouTubeの方が多いです。
けどYouTubeも面白いから見ているというわけではなく、スマホという端末がある故の暇つぶしとして活用しています。
まだまだテレビが隆盛を誇っていた時代に生まれた名ドラマ「白い巨塔」
今後これを超えるドラマに出会うことはないと思います。
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