墨絵

  • 2022.09.28 Wednesday
  • 10:35

JUGEMテーマ:イラスト

 

 

 

 

 

 

 

上手いだけの絵はつまらないけど上手く描けるのに越したことはない

  • 2018.09.19 Wednesday
  • 12:39

JUGEMテーマ:アート・デザイン

絵は練習すれば上手くなるけど、それ以上に上手くなるには特別な何かが必要なのかなと思います。
音楽の場合、プロのピアニストとアマチュアを比べた場合、もっとも大きな差は練習時間だったそうです。
プロはとにかく練習時間が長いんだそうです。
二人を比べた場合、その部分にしか違いが見られなかったんだとか。
絵の場合でも、鳥山明先生は子供の頃からたくさん絵を描いていたそうです。
そもそも漫画家になる人やイラストレーターになる人って、昔から絵を描くのが好きな人が多いそうです。
幼い頃から描き続けることで、頭の中に絵が浮かんでくるそうですよ。
人間を描く場合でも、正面は普通の人でも描けるけど、動きのあるポーズをいろんな角度から描くとなると難しいです。
本当に絵の上手い人は、そういったカットでも資料を見ずに描けるそうです。
小さな頃から積み重ねた練習が、絵の上手さの土台を支えているんでしょうね。
となると大人になってからだと厳しいのか?
年齢を重ねてから漫画家になった人はいますが、そういう人も幼い頃から絵を描くのが好きだったそうです。
ただしゴッホは20代の後半から絵を始めています。
彼の絵が上手いかどうかは別にして、他の画家にはないインパクトがあるのは間違いありません。
良い絵を描くには年齢は関係ないけど、上手い絵となるとそうはいかないのかもしれません。
脳内の回路は子供のうちに形成されるそうなので、それまでに練習を重ねていないと、本当に上手く描くのは難しいのかなと思います。
上手いだけの絵はつまらないと言われます。
私も同感です。
じゃあ下手でもいいのかと言われたら嫌です。
だって上手いのに越したことはないんですから。
下手だと描くことが苦痛になります。
描きたい気持ちはあっても腕がついていかないから、思い通りに描けなかったり、やたらと時間と神経を消耗したり。
たった一枚描くだけでもすごく疲れてしまうから、そのうち肉体的にも精神的にも疲弊してしまって、続かなくなることもあります。
いわるゆ絵の才能というのは、子供時代にどれだけ訓練を積んだかということなんでしょう。
訓練というと堅いけど、人から強制されようが自主的にやろうが、とにかく絵を描くことに時間を使った人が、大人になってから本当に上手く描けるんだと思います。
なにも資料を見ずにサラっと描ける人はすごいです。
尊敬します。
こんな風に描けたら楽しいだろうなと憧れます。
でもそういう人は子供時代にたくさん絵を描くことに時間を使った人です。
その時代、自分は何をしていたかというと、私自身はブラブラしているだけでした。
特に勉強をするわけでもなく、スポーツに打ち込むわけでもなく、適当に宿題して適当に遊んでいる毎日でした。
子供時代、もう少し絵に時間を使っていれば、今はもっと上手く描けたのかなと思います。
でもそうやって後悔するのは時間の無駄ですね。
過ぎた時間を思うくらいなら、今の時間に一枚でも描いた方が自分の為になります。
大人になってからでも絶対に上達しないわけじゃありません。
昔からやっている人には敵わなかったとしても、自分自身で限界を作るのは良くありませんね。

ヒトラーの絵

  • 2018.05.10 Thursday
  • 16:00

JUGEMテーマ:芸術

ナチスドイツの総統アドルフヒトラーは、若かりし頃は芸術家を目指していたそうです。
第一志望は画家だったそうですが、美大の面接で落とされています。
風景画は得意だったそうですが、人物がが苦手な為、課題である人物の絵を提出しなかったからです。
そしてその風景画なんですが、上手いと言う人もいれば下手と言う人もいます。
私など素人の目から見ると上手いんですが、でも確かにバランスが崩れているかなという印象はあります。
ただ自分があそこまで描けと言われたら無理なので、偉そうなことは言えません。
しかし美大へ行こうという人はとにかく絵が上手いので、そういう人からすれば下手に見えるのかもしれません。
ヒトラーは写実画を描いていました。
写実画は読んで字のごとく、写実的じゃないといけません。
目の前の景色と絵の間にズレがあるとマイナスになります。
もちろん自分なりの個性を出すのは良いんですが、それはあくまで基本的な技術がしっかりしていればの話になります。
この辺が印象画や抽象画とは異なるところです。
私は写実画はそこまで好きではありません。
写真が登場した現代となっては、そこまで大きな意味があるとは思えないからです。
けどアニメや漫画の現場では、写実的に描く技術は必ず必要です。
でないと作画崩壊とネタにされる羽目になってしまうでしょうから。
自然風景はまだしも、建物などの人工物が並んでいる場所では、適当な描写はすぐにバレてしまいます。
写実画というものにどこまで芸術性を求めるかって難しいです。
そもそも見たままが基本である写実画の中で、自分なりの個性を発揮させるのは至難の業でしょう。
ヒトラーの絵は美大の面接官には太鼓判を押してもらうことは出来ませんでした。
プロから見ると足りない物があったってことなんでしょう。
二度目の試験も落っこちて、その際には建築家になることを勧められています。
しかし義務教育を修了していなかったヒトラーは建築家になる夢も諦めるしかありませんでした。
(建築家になるには義務教育修了が条件だったそうです)
もしもヒトラーが芸術家になることが出来ていたら、ナチスの総統になることはなかったでしょう。
けどそうなると別の誰かが代わりをやっていたかもしれません。
JINっていうドラマの中で、勝海舟がこんなセリフを言っていました。
竜馬が行方不明になった時、「アイツがいないなら別の人間が代わりをやるだけ。オイラはそんなもんだと思うぜ」と。
人が時代を創るのではなく、時代が人を動かしているだけだとしたら、必ずしもこの人間じゃなくていいってことなんでしょう。
ちょっと話が逸れましたが、写実画の評価ってほんとに難しいと思います。
印象画は絵に対する知識がなくても、けっこう良い悪いって分かるものなんです。
見た人にどういう印象を与えるかって絵なので、パッと見て分かりやすい部分があるからです。
抽象画はなんというか・・・・私には分かりません。
もしヒトラーが写実画じゃなくて、印象画や抽象画を描いていたなら、もしかすると芸術家として認められていたかもしれませんね。

絵の背景

  • 2018.04.06 Friday
  • 12:53

JUGEMテーマ:アート・デザイン

漫画やアニメにおける背景はとても重要です。
私の大好きなベルセルクでは、まるで一枚の絵画のごとく繊細に描かれています。
圧倒的な繊細さと大胆さは、ベルセルクの世界観を保つ為にとても重要な役目を果たしています。
逆のパターンもあります。
クレヨンしんちゃんはほとんど背景がありません。
あってもとてもシンプルな描写です。
それもまっすぐな線ではなくて、グニャグニャとした線で描かれていて、独特の味があります。
あのいい加減な感じこそがクレヨンしんちゃんの面白さを根っこで支えているんだと思います。
背景をどこまで描くか?
そもそも描いた方がいいのか?
正解はないと思います。
ジブリ映画は水彩タッチの温かみで情緒のある背景です。
背景だけでもじゅうぶん楽しめるほどのクオリティです。
ドラえもんの背景はとてもシンプルで、ある種の記号のように様式化されています。
ドラえもんの背景はキャラクターが今どこにいるかが分かればいいので、あれでいいのです。
色んな背景があって、それぞれの作品や世界観に適した形になっています。
背景そのものが世界観を形作る場合もあるので、キャラクターと同じくらいに重要なものです。
ナニワ金融道の漫画板の背景は全てフリーハンドです。
道路から看板から建物から、果ては服の柄まで全てフリーハンドです。
これは作者の青木先生が、他の漫画よりも絵を目立たせる為にそうしたからです。
ナニワ金融道の連載中、雑誌を手に取った人がパラパラとページを捲った時、インパクトのある絵ほど目を止めます。
とりあえずそこでページを捲る手も止まって、漫画を読むという寸法です。
あえてキャッチーな絵にしないことで、他の漫画との差別化を図ったんですね。
そしてあの雑多な感じの背景は、ナニワ金融道の世界観を演出するのに最高です。
ゴミゴミしていて、ゴチャゴチャしていて、でもそれは人の欲が渦巻く金融の世界を描くのに最適なものであると思います。
スッキリしたクリアな背景では、金にまつわる人の醜さは伝わりにくいでしょう。
ただなんとなく描くだけでは、いくら良いキャラクターが生まれても、その良さを殺しかねません。
水墨画はあえてたっぷりと余白を残しますが、あの何も無い空間こそが水墨画の良さでもあります。
むしろどう余白を見せるかが良い水墨画とそうでない水墨画の境目なんじゃないかと思うほどです。
絵における背景というのは、その絵の善し悪しを決定づけるほどの力があります。
良い絵、面白い絵というのは、絵画や漫画を問わず、背景とキャラクターが上手く合わさっていると思います。

絵を描く時の顔と体のバランス

  • 2018.01.30 Tuesday
  • 14:18

JUGEMテーマ:漫画/アニメ

JUGEMテーマ:

人を描くときに難しいのが顔と体のバランスです。
最初の頃、だいたい顔が大きくなってしまいます。
そして足は短くなりがちです。
子供の描く絵がまさにそうです。
たまに顔から手足が生えていますからね。
あれって子供にはああ見えてるってことなんだそうですよ。
体ってあんまり目に入っていないんです。
人間=顔なんですよ。
けどそれは大人も同じ。
元々絵が上手い人は別にして、だいたいの人は顔を大きく描いてしまうものなんですよ。
体を小さくしているじゃありません。
顔が大きくなってしまうんです。
これって大人も人間=顔と認識してるってことです。
力士やボディビルダーみたいに特徴的な体をしているならともかく、そうじゃないなら人の体ってあんまり意識して見ません。
だから絵を始めた最初の頃って、どうしても顔と体のバランスが崩れがちです。
特にコミック風の絵の場合だと、顔のバランスって難しいです。
実際の人間の比率で描いてしまうと、逆に顔が小さく見えてしまいます。
それに肩幅もデカくなるんですよ。
写実画ならいいけど、コミック風の絵だとリアルな体形を描くと肩幅のすごいマッチョマンみたいになってしまうんです。
逆に足は長く描かないといけません。
これまたリアルに描くとものすごい短足に見えるんです。
漫画やアニメのキャラってやたらと足が長いけど、ああしないと短足みたいになってしまうからです。
実際の人間と漫画やアニメの人間では、バランスよく見える比率が違うんですね。
美人やイケメンキャラの場合は、スーパーモデル並みに体形を良くしないと見栄えがしないんです。
だから胴体もちょっと短めくらいでいいんですよ。
これまたリアルに描いてしまうと、かなりの胴長になってしまいます。
またクビレも必要です。
コルセットでも着けてるんじゃないかってくらいにクビレさせないと、寸胴っぽく見えるんですよ。
これは女キャラだけでなく男キャラも同じです。
真っ直ぐの胴体はけっこう不格好に見えるものなんです。
こうして考えてみると、漫画やアニメの絵は絶対にデフォルメが必要ということが分かります。
顔はともかくとして、体もそのまんま描いたら魅力的じゃなくなるんです。
もちろんこれは美人やイケメンキャラの場合の話であって、あえて短足や寸胴を描きたいならリアルな比率でも問題ありません。
絵って所詮は平面に描かれた記号のようなものです。
特に漫画やアニメはそうです。
手塚治虫も言っていました。
「漫画って特殊な記号を使って文字を書いている気がする」
てことは大いにデフォルメすればいいってことでもあります。
絵は現実の人間のインパクトには敵いません。
だから大袈裟に描く必要があるんです。
漫画を実写にした時って、なんだか嘘臭い演出や物語になってしまいますよね。
あれも同じことです。
絵で表現するならあれくらい大袈裟がいいんだと思います。
実写でやると不自然になってしまうのは、絵におけるリアリティと写実におけるリアリティが違うからです。
映画だと自然な演技が好まれるのに対し、舞台だとやや大げさに演技しないと伝わりにくいのと似ているかもしれません。
漫画やアニメの絵を描く際、顔は小さめにして足を長めにとると、それなりにバランス良く見えるものだと思います。

子供の描く絵の力

  • 2017.11.13 Monday
  • 13:11

JUGEMテーマ:アート・デザイン

甥っ子の描く絵が面白いです。
この前はミニオンズにハマっていて、今はなぜか鬼の絵にハマっています。
らくがきちょうを開き、ガシっと色鉛筆を掴んで、なんの迷いもなく描き始めます。
今、私は絵を描く時に、ラフを描いて、それを元に下絵を描いて、その次に色を塗るようにしています。
だけど子供っていきなり色で描き始めます。
完成度なんてお構いなしに、上手い下手もお構いなしに、頭の中にあるイメージを描こうとします。
絵に対する姿勢って、子供が一番純粋かもしれません。
ある絵本作家は、「子供の絵には勝てない、勝てるわけがない」と言ったそうです。
けっこうインパクトのある絵を描く人なんですが、それでも子供には勝てないと言うんです。
かの岡本太郎も子供の絵が好きだったそうです。
何かの絵画展で、送られてきた絵を「みんないいからみんな飾ろう」みたいなことを言ったそうです。
一流の絵のプロは、どうしてここまで子供の絵を絶賛するのか?
・・・たぶんですけど、純粋だからだと思います。
いかに斬新で奇抜な絵を描こうとも、大人の描いたものにはどうしても「計算」が入ってしまいます。
イメージの世界であるはずの絵に、理論や思想、価値観など、意識しようとしまいと持ち込んでしまうのが大人の絵です。
数いる画家の中で、私が最も子供の絵に近いと思うのはゴッホです。
ピカソの絵も素晴らしいけど、あれは綿密に計算された絵です。
フェルメールもダ・ヴィンチも凄いけど、この二人の絵も超高度な理論の上に成り立っています。
もちろんそれが悪いわけではありません。
絵の発展に理論は欠かせないし、絵に思想や政治的内容を盛り込んではいけない決まりもありません。
むしろ優れた絵の場合、千の言葉よりも雄弁に物語ってくれる気がします。
だけど純粋という意味ではゴッホの方が上で、そのさらに上をいくのが子供です。
ラフも描かない、下書きもしない、そもそも描く時に迷いがない。
生まれてくる絵は決して上手くはありませんが、大人のような計算が入っていないからこその良さがあります。
子供の絵って、大人になると描けません。
似たような絵は描けるけど、やっぱり同じにはならないんです。
「ああ、大人がいかにも子供の絵に似せて描いてんだなあ」とバレてしまいます。
純粋なイメージじゃないから、すぐに見破られてしまうんです。
そもそもイメージって、形にしづらいものです。
頭の中にイメージがあるとき、本当に形を保っているかさえ疑問です。
子供の絵は多くの場合、大人の絵に比べて下手です。
だけど子供の描く絵こそが、人間の頭にあるイメージの姿かもしれません。
私たちは、人も風景もちゃんと見ているようで、ちゃんと見ていないんです。
だから練習なしでは上手い絵が描けないし、練習なしでは上手い写真も撮れません。
写真も絵も、ビジュアルを持つイメージの場合、まず「見る」ってことから始まります。
頭の中はモヤモヤっとしたイメージで満たされていて、それをリアルに描くには、見るってことから始まって、技術はその後に必要になります。
絵の元になるイメージは、海を漂うクラゲのように頼りないものです。
だからきっと、子供の描く絵の形こそが、頭の中の世界の正しい姿なんだと思います。
だけど大人は子供より経験があるし、手先も器用で色んなことを知っています。
それゆえに絵を描く時、子供みたいなモヤモヤっとした絵にはならず、形のないイメージに無理にでも形を持たせようとしがちです。
子供の絵を見ていると思います。
イメージって、必ずしもちゃんとした形じゃなくていいんだと。
そう考えると、子供の絵は下手なのではなく、大人のように嘘をついていないとも言えます。
イメージを素直に描き出す力。
それは子供の時にだけ備わっている、特別な能力なのかもしれません。

 

まずは体を描くか?それとも服を同時に描くか?

  • 2017.06.28 Wednesday
  • 09:31

JUGEMテーマ:アート・デザイン

JUGEMテーマ:漫画/アニメ

人を描く時どうするか?
大きく二つに分かれるようです。
まずは体を描いて、その上に服を着せていく。
もう一つは最初から服を着た状態で描いていく。
これ、どっちが正しいんでしょうね。
私はまず体を描きます。
その次に服を描いていきます。
このやり方だと時間がかかります。
体+服を描くという二つの作業になるし、それに後から線が分かりづらくなる時もあります。
それに下絵がけっこう汚くなるんですよ。
最初から服も一緒に描くなら、時間の短縮になります。
ペン入れの時も迷わずにすみますし。
漫画家さんは時間がないから、服を一緒に描く人が多いかもしれません。
デフォルメの強いキャラも、服を一緒に描いた方が効率的でしょうね。
だけどリアルなタッチで描くなら、体から描いた方がいいと思います。
服と体を同時に描くってことは、服も体の一部として描くのと同じです。
服を着ている状態なら違和感はないけど、もし裸の状態にしてしまったら、かなりバランスが悪いでしょう。
リアルな絵の場合だと、デッサンが狂っているとアウトです。
だからやっぱり体から描く方がいいと思います。
もしもちゃんと体がイメージできるなら、服も同時に描いて大丈夫でしょうけど。
すごく絵の上手い人って、タッチが柔らかいです。
きっと線に迷いがないからでしょうね。
あれこれとアタリばっかりつけていると、最終的に硬い絵になってしまいます。
あまり動きがなくて、止まっているように見えるんです。
本当に上手い人は絵が見えているわけだから、そういう人にとっては服を同時に描くかどうかは問題ではないでしょう。
自分のイメージ通りに描けるだろうし、難しい依頼でもこなすだろうし。
何をどうするかで迷う。
そうならないくらいに上手くなりたいです。

印象と写実 イメージとリアル

  • 2017.04.22 Saturday
  • 16:21

JUGEMテーマ:写真

印象派の絵画が好きです。
色んな絵画があるけど、最も人気のあるジャンルじゃないでしょうか。
最初、印象派は否定的な意見が多かったそうです。
写実が基本とされていた時代、モネやルノワールの絵はなかなか受け入れてもらえませんでした。
見たままを基本とする写実においては、印象派は絵とみなされなかったのでしょう。
しかしある意味では印象派の方が写実的です。
そこにある景色を精密に描くことだけが、写実ではありません。
なぜなら人は、目で景色を見ているわけじゃなくて、脳で見ているからです。
目はあくまでレンズ、見ているのは脳です。
となると、ありのままの景色を見ているとは限りません。
目を通し、脳の中でイメージとして捉えているわけです。
だからありのままに描くよりも、印象派のようにイメージを強調した方が、脳が見ている景色に近くなると思います。
モネは花弁を細かく描きません。
庭園に咲く多くの花、それらの花弁を細かく描いたところで、リアルにはならないからです。
人の目には限界があって、咲き誇る花の一つ一つを細かく捉えるのは無理です。
たくさんの花が咲き乱れている光景は、鮮やかな色の広がりとして捉えているんです。
花弁の形一つ一つを解像できるほど、人の目は精密ではありません。
それは脳だって同じでしょう。
たくさんの花が並んでいる時、たくさんの色が並んでいるというイメージで捉えているはずです。
となると、細かな写実画よりも、イメージを重視した印象派の方が、人の記憶に近い絵になります。
印象派は「無いものを描く」のではなくて、「在るものを省く」ことによって、よりリアルに描いているんです。
私が写真の学校に通っていた頃、スタジオの先生がこんなことを言っていました。
「人の目はカメラとは違う。見たいものしか見ていない。だから見たままは絶対に写らない。」
綺麗な景色を見た時、感動して写真を撮る人は多いでしょう。
でも写真だと、なぜか目で見たように綺麗にならないってことはあるはずです。
人は見たいものしか見ないけど、カメラは全部写してしまうからです。
脳が見ている風景と、カメラに記録された風景では、まったく異なるわけです。
美しい景色を見て感動しているのは自分であって、カメラに感情もイメージもありません。
だから見たまま写らないんです。
絵画だってこれと同じで、細かく写実的に描くより、人間のイメージを加えた印象的な方が、リアルに見えることもあるんです。
印象派の画家は、日本の浮世絵に大きな影響を受けました。
浮世絵は完全にイメージの世界です。
だけど印象派とは異なります。
浮世絵は「そこに無いもの」さえ描きます。
空想の要素が強いんです。
でも印象派はあくまで現実です。
余計なものを省き、イメージを強調することによって、よりインパクトを増しているんです。
日本の絵と西洋の絵って、根底から違うものです。
私は浮世絵も水墨画も大好きです。
でもゴッホやルノワールのような印象派の絵画の方が好きです。
写実画はあまり好きではありません。
だけどフェルメールだけは別格です。
あれは写実を超えた写実です。
写真よりもリアルで生々しくて、写実を極めることにとって、「見えないものまで見える絵」になっています。
それは感情であったり、その場の空気であったり、音まで聴こえてきそうなほどです。
そして見えないものを見ているのは、目ではなく脳です。
頭の中に浮かぶイメージを見ているんです。
ゴッホが天才を超える超人なら、フェルメールは絵の神様です。
突き詰めていけば、印象派も写実画も、同じ場所に辿り着くのかもしれませんね。

進化していく絵

  • 2017.03.09 Thursday
  • 15:43

JUGEMテーマ:アート・デザイン

遊戯王の高橋和希先生が、インスタグラムにてイラストを公開されています。
どれもカッコいいイラストばかりですよ!
ファンとしては嬉しい限りです。
最近では3Dの絵を描かれているみたいです。
すでに遊戯とオシリス、そして海馬とオベリスクの絵が公開されています。
今までは絵って平面が当たり前でした。
でも立体で見られる時代がもう来ているんですね。
ていうかそのうち立体で描くのが当たり前になるかもしれません。
そもそもゲームの場合だとVRってのがあるので、相当進化しているんでしょうね。
絵が立体になり、映像はVRになる。
ただの物から、形をもった空間へと変わっていくわけです。
昔のSFでは立体映像ってよく出てきました。
今はもうその時代に追いついているようです。
知らず知らずのうちに世の中が変わっていって、そのうち指で空中に絵が描けるようになったりして。
特殊な眼鏡みたいなのを掛けたら、空中に描いた絵が見えるみたいな感じで。
新しいものが生まれたなら、それを楽しみたい!
古い物を否定するわけじゃなくて、今までになかったものを楽しめる気持ちは忘れたくないものです。
そうでないと、「漫画を読んでると馬鹿になる」とか「ゲームが子供をダメにした」なんて、頭の固い人になってしまいます。
そんなの全然別の問題だろうに。
文科省や教育委員会の方をどうにかした方がいいかと思います。
今時サブカルチャーを叩いて目を逸らそうなんて、そんな馬鹿な方法は通じないんですから。
どこかの国が、何かある度に日本を叩いて国民の目を逸らさせようとするように。
絵の進化は喜ぶべきことです。

日本の文房具

  • 2017.01.16 Monday
  • 13:01

JUGEMテーマ:アート・デザイン

JUGEMテーマ:日常

日本の文房具ってすごく性能が良いです。

以前によくイラストで色鉛筆を使っていたんですが、日本のやつは使いやすいです。

別に海外のが悪いわけじゃありませんよ。

でも海外のやつってクセがあるんです。

ここの性能は良いんだけど、こっちの性能はイマイチみたいな。

だけど日本の色鉛筆って、欠点がないんですよ。

ここが超スゴイ!ってのも感じにくいんだけど、ここが駄目っていうのも無いんです。

全体的にまとまりが取れてて、すごく使いやすいんです。

もちろん色は綺麗ですよ。

消しゴム一つとっても、日本の物は性能が良いそうです。

そしてそんな性能の良い物が、普通にコンビニに買えたりします。

最近消しゴムを替えたんですよ。

ペン入れして下描きを消すのに、もっと楽に消せるやつはないかなって思って。

そして今までに使ったことのないやつを使いました。

コクヨから出ている黒い消しゴムです。

これが消し心地滑らかで使いやすい。

それにボロボロ崩れにくいんですよ。

悪い消しゴムだと、ちょっとヒビが入るとボロボロ崩れていきます。

あれってけっこうイライラするんですよね。

ボールペンでもシャーペンでも、使いやすい物がたくさん

ちなみにシャーペンはテクノ2ウェイってやつを使っています。

確か漫画家の桂正和先生もこれを使ってらしたような気がします。

製図用のシャーペンらしいんですけど、すごく描きやすくて、今はこれ一本です。

芯は三菱のUniが最高です。硬さはBです。

鉛筆時代から三菱のUniシリーズにはお世話になりました。

ていうか色鉛筆も最初は三菱でしたし。

ホームセンターに売ってる安いやつだけど、すごいキレイに描けますよ。

絵を描くのが趣味だから、日本の文具に囲まれて幸せです。

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