エルフとフェアリーの違い
- 2021.02.03 Wednesday
- 10:07
JUGEMテーマ:神話・伝承全般
ファンタジー作品によく登場するエルフとフェアリー。
ドラゴンと並んでファンタジー作品では王道のキャラクターですが、エルフとフェアリーはどう違うのか?
どちらも日本語では妖精と表します。
しかしエルフとフェアリーでは容姿も性格も異なります。
まずどちらが先に誕生したかというとフェアリーです。
妖精ときいて多くの人がイメージするのがこのフェアリーです。
大きさは人の指、もしくは手のひらほどしかなく、背中には虫のような羽が生えた可愛らしい姿をしています。
ピーターパンに登場するティンカーベルが有名ですね。
とてもイタズラ好きな性格をしており、旅人を迷わせたり、魔法でイタズラして人間を驚かせたりします。
しかし根っこは悪者ではありません。
というのもフェアリーは元々神様だからです。
ケルト神話に登場するダーナ神族が敵対する神族との戦いに敗れ、常春の島へと移住します。
その末裔が妖精です。
もはや敵と戦う必要はなくなり、常春という楽園はいつも平和で楽しい場所です。
ダーナ神族は戦う力を必要としなくなり、天敵もいないので子供のような妖精へと変化していったのかもしれません。
そしてこのフェアリーを元に生み出されたのがエルフです。
では誰が生み出したかというと、「指輪物語」のトールキンです。
日本でも「ロードオブザリング」が人気となりました。
トールキンはフェアリーより人間へと近い姿として描きました。
大きさはほぼ人間サイズに巨大化。
イタズラ好きの子供っぽい性格から知的で大人びた性格へ。
背中の羽はなくなりましたが、代わりに高度な社会性を持っています。
しかし共通点もあります。
まずは耳です。フェアリーもエルフも特徴的な尖った耳をしています。
そして滅多に人前には姿を見せないということです。
どちらも森や山など自然豊かな場所を好み、人里に降りることはほとんどありません。
しかしエルフもフェアリーも気に入った人間に対しては友好的です。
とくにエルフは情に厚く、人間が礼を尽くせば礼で返し、義理を通せば義理を返してくれます。
しかし裏切ったり利用しようとしたりすると、途端に恐ろしい敵となります。
エルフは魔法を得意としていますが、身体能力もなかなかのものです。
力は人間より弱いですが、動きが素早く俊敏で、弓の腕前は人間では敵わないほどです。
さらに頭もいいので戦略や戦術も得意でしょう。
なにより人間とは比べ物にならないほど長生きします。
長期戦になればまず勝ち目はありません。
つまり敵対するより仲良くした方がいいというわけです。
もし実在していて出会えればの話ですが・・・・。
ケルトのダーナ神族からフェアリーへ。
そのフェアリーを元に「指輪物語」を経てエルフが誕生しました。
根本的にはフェアリーもエルフも同じ種族です。
自然を愛し、魔法を得意とし、滅多に人前に姿を見せない。だけど気に入った人間には良くしてくれる。
そして義理人情に厚いけど怒らせたら怖いのがエルフ。愛らしいけどイタズラ好きで困らせるのがフェアリー。
種族は同じでもかなりの違いがありますね。
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