エルフとフェアリーの違い

  • 2021.02.03 Wednesday
  • 10:07

JUGEMテーマ:神話・伝承全般

ファンタジー作品によく登場するエルフとフェアリー。
ドラゴンと並んでファンタジー作品では王道のキャラクターですが、エルフとフェアリーはどう違うのか?
どちらも日本語では妖精と表します。
しかしエルフとフェアリーでは容姿も性格も異なります。
まずどちらが先に誕生したかというとフェアリーです。
妖精ときいて多くの人がイメージするのがこのフェアリーです。
大きさは人の指、もしくは手のひらほどしかなく、背中には虫のような羽が生えた可愛らしい姿をしています。
ピーターパンに登場するティンカーベルが有名ですね。
とてもイタズラ好きな性格をしており、旅人を迷わせたり、魔法でイタズラして人間を驚かせたりします。
しかし根っこは悪者ではありません。
というのもフェアリーは元々神様だからです。
ケルト神話に登場するダーナ神族が敵対する神族との戦いに敗れ、常春の島へと移住します。
その末裔が妖精です。
もはや敵と戦う必要はなくなり、常春という楽園はいつも平和で楽しい場所です。
ダーナ神族は戦う力を必要としなくなり、天敵もいないので子供のような妖精へと変化していったのかもしれません。
そしてこのフェアリーを元に生み出されたのがエルフです。
では誰が生み出したかというと、「指輪物語」のトールキンです。
日本でも「ロードオブザリング」が人気となりました。
トールキンはフェアリーより人間へと近い姿として描きました。
大きさはほぼ人間サイズに巨大化。
イタズラ好きの子供っぽい性格から知的で大人びた性格へ。
背中の羽はなくなりましたが、代わりに高度な社会性を持っています。
しかし共通点もあります。
まずは耳です。フェアリーもエルフも特徴的な尖った耳をしています。
そして滅多に人前には姿を見せないということです。
どちらも森や山など自然豊かな場所を好み、人里に降りることはほとんどありません。
しかしエルフもフェアリーも気に入った人間に対しては友好的です。
とくにエルフは情に厚く、人間が礼を尽くせば礼で返し、義理を通せば義理を返してくれます。
しかし裏切ったり利用しようとしたりすると、途端に恐ろしい敵となります。
エルフは魔法を得意としていますが、身体能力もなかなかのものです。
力は人間より弱いですが、動きが素早く俊敏で、弓の腕前は人間では敵わないほどです。
さらに頭もいいので戦略や戦術も得意でしょう。
なにより人間とは比べ物にならないほど長生きします。
長期戦になればまず勝ち目はありません。
つまり敵対するより仲良くした方がいいというわけです。
もし実在していて出会えればの話ですが・・・・。
ケルトのダーナ神族からフェアリーへ。
そのフェアリーを元に「指輪物語」を経てエルフが誕生しました。
根本的にはフェアリーもエルフも同じ種族です。
自然を愛し、魔法を得意とし、滅多に人前に姿を見せない。だけど気に入った人間には良くしてくれる。
そして義理人情に厚いけど怒らせたら怖いのがエルフ。愛らしいけどイタズラ好きで困らせるのがフェアリー。
種族は同じでもかなりの違いがありますね。

神話の中では龍神に匹敵する位の高い神獣 神の鳥たち

  • 2018.11.13 Tuesday
  • 14:42

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神の鳥。
それは人智を超えた不思議な力を持つ鳥のことです。
西洋のフェニックス、中国の鳳凰や朱雀。
霊格高い鳥は多くの神話に存在し、ほとんどの場合は人々に恩恵や吉兆をもたらします。
大空を舞うその姿は優雅で、勇壮な龍とは異なる威厳があります。
龍は水の神様、もしくは自然そのものの象徴とされています。
中国の九頭竜や燭龍がこれにあたります。
九頭竜はその巨体で大地を支え、燭龍は巨大な山そのものとされています。
また黄龍という龍神もいて、四聖獣である朱雀、白虎、青龍、玄武の親玉的な存在です。
四聖獣が東西南北を守るのに対し、黄龍は中央に鎮座しているからです。
そして黄龍が司るのは大地です。
龍は天空の覇者というイメージがありますが、どちらかといえば水や大地や山など、地上の物を司ることが多い神様です。
実在しない生き物ですから、自然の中のイメージに当てはめやすいのでしょう。
でも鳥は実在する生き物です。
空を見上げればトンビが優雅に舞っていたり、遠くから渡り鳥が飛んできたり。
天空の覇者はどちらかといえば鳥の方です。
ちなみに鳥は炎を司ることが多いです。
フェニックスの和名は不死鳥。
青、もしくは紫の炎を纏い、転生を繰り返すことで永遠の命を保っています。
火はエネルギーの象徴ですから、いつまでも絶えない命を表すのにピッタリです。
ちなみに朱雀も炎を司っています。
体の色は赤とされ、東西南北の南を守り、四季では夏を担当しているそうです。
吉兆をもたらすありがたい鳥で、世の中が荒れている時には決して姿を見せないそうです。
凶運や不吉な物とは対極にあるということなんでしょうね。
朱雀は霊格の高い神獣ですが、実は一番偉い鳥の神様というわけではありません。
鳥の中で最も偉い神獣は鳳凰です。
鳳凰が飛び立つと全ての鳥が付き従うと言われるほどです。
そして鳳凰は四聖獣よりもさらに位の高い神獣で、瑞獣(ずいじゅう)と呼ばれる四体の神獣の一角です。
応龍、麒麟、霊亀と並ぶ最高位の神獣です。
西洋のフェニックスも同じく、特別な力を持つ神獣として、多くの為政者がその力を求めたそうです。
空を見上げればいつでも飛んでいる鳥。
その鳥の神様は龍神に並ぶほど偉大で力を持つ神様です。
ありふれた動物だけど、神話の中では特別な生き物というわけですね。

目的も存在理由も不明 勝利の塔に潜む幻獣ア・バオア・クゥー

  • 2018.09.18 Tuesday
  • 13:06

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ア・バオア・クゥー。
ガンダムが好きな人なら聞いたことのある名前でしょう。
ジオンの宇宙要塞です。
でも本来のア・バオア・クゥーの意味は幻獣の名前です。
インドには勝利の塔と呼ばれる塔があって、悟りを目指す僧侶が訪れます。
この塔を最上階まで上り、そこで悟りを開くのが目的なのですが、ア・バオア・クゥーはこの塔の最下層に潜んでいます。
この幻獣は人の目には見えません。
だからどういう姿をしているのか分からないそうです。
しかし向こうからは人間の姿がハッキリと見えているそうです。
悟りを開く為に訪れた僧侶は、塔を上る間はずっとこの幻獣に付きまとわれることになります。
でも被害はありません。
なぜならただ僧侶の影に沿って歩くだけだからです。
勝利の塔は長い螺旋階段になっているそうで、これを一階上るごとに、ア・バオア・クゥーの姿が見えてくるようになります。
なぜなら上に登るほど体に色が出てくるからです。
普段は透明なんですが、最上階まで登ればハッキリとその姿を現すそうです。
最上階までたどり着いた僧侶は悟りを開きます。
この時、ア・バオア・クゥーは最下層へと転落していくそうです。
悟りを開くということは、一切の煩悩を捨てた仏になるということ。
つまり影がなくなるのです。
ア・バオア・クゥーは僧侶の影に沿う形であとをついて来ます。
その影が消えてしまうと、僧侶のあとを追うことが出来ません。
道導べを失ったア・バオア・クゥーは、哀れ最下層へ落ちてしまうというわけです。
そして次なる僧侶が来るのを待って、また同じことを繰り返すんだそうです。
この幻獣の伝承はインドと言われていますが、まだはっきりとは分かっていないそうです。
ただどちらにせよ人畜無害なので、特に恐れることはありません。
危害を加えてくるでもなく、塔を登るのを邪魔してくるわけでもありません。
しかも透明だから目には見えず、僧侶が悟りを開けば一番下まで落ちていく。
ちょっと可哀想な奴です。
ただその代わりとして不死身なんだそうです。
僧侶の影を追うのは、煩悩を餌としているからだと言われています。
だったら勝利の塔じゃなくて、煩悩渦巻く街の方がいいと思うんですが、なにかこだわりがあるのかもしれません。
普通は塔に待ち受ける幻獣や怪物は敵である場合が多いです。
強い弱いは別にして、冒険者や僧侶の邪魔をしてきます。
それすらもしないア・バオア・クゥーはいったいなんなんでしょうか?
何が目的で僧侶のあとつけ、何が理由で存在しているのか?
まったく謎です。
人の目には見えない、しかも人畜無害。
これは人間にとっては存在しないのと同然です。
そういえばFF3だったと思うんですが、ずっとあとをつけてくる影のような奴がいました。
そいつは主人公たちの影に潜み、悪企みをしていたんですが、最終的には姿を見せて戦闘になります。
これってア・バオア・クゥーが元になっているのかもしれません。
でも本物のア・バオア・クゥーだったら戦闘にすらなりません。
ていうかあとをつけられていたことすら気づかないでしょう。
いつの間にか勝手にいなくなっているでしょうから。
いったいなんの為に、どういう理由で、何が目的で勝利の塔に潜んでいるのか?
その全てが不明です。
ある意味もっとも謎の多い幻獣です。

現代人じゃ軍隊を出しても勝てないかも アンデッドの王様リッチ

  • 2018.08.26 Sunday
  • 14:39

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アンデッド。
それはある意味死を克服した魔物です。
代表的なのはゾンビです。
屍となった肉体のみの存在は無敵です。
生き物が持つ死の恐怖がないんですから。
ゾンビは人だけがなるんじゃなくて、魔物でもなります。
有名なのはドラゴンゾンビです。
生きていた時のような高い魔力は持っていませんが、その巨体とパワーは衰えません。
それどころか闘争本能だけが残って、生きている時よりも凶暴性が増すので余計に恐ろしい魔物に変わります。
ゴースト系の魔物もゾンビと同じく死を乗り越えた魔物といえるでしょう。
ゾンビが肉体だけなら死霊は魂だけの存在です。
物理的な攻撃は一切効かないので恐れを知りません。
ゲームの敵として登場する場合は光属性か火属性の魔法が弱点である場合が多いです。
中国のキョンシーも火には弱いです。
火には邪悪なものを浄化する力があるので、アンデッドにとってはもっとも恐ろしい攻撃です。
ゲームによっては回復系の魔法でダメージを与えられます。
生へと近づく回復系の魔法はゾンビにとっては毒と同じってことなんでしょう。
ゾンビやゴーストは厄介な魔物ですが、同時に弱い魔物として描かれることも多いです。
大抵がザコ敵扱いされますから。
しかし中には強大な魔力を持つアンデッドもいます。
その名はリッチ。
高位の魔術師、または霊力の高い高僧が、その魔力を保ったままゾンビになった姿です。
リッチはアンデッドの王様とされています。
出自は海外のゲームなので、そう歴史は古くありません。
ただ他のアンデッドとは比べ物にならないほど強いです。
なぜならほとんどのアンデッドが知性を持たないのに対して、リッチはとても高い知能を持っているからです。
同時に魔術師だった頃の高い魔力もそのまま引き継いでいます。
知力と魔力、それに加えて死を克服した肉体。
これで弱いはずがありません。
「バスタード」という漫画にこのリッチが登場するんですが、かなりの強さでした。
四天王の一人である忍者マスターガラが手も足も出ませんでしたから。
それもそのはずで、単純な物理攻撃は一切通用しないからです。
いかに一流の忍者であってもリッチには苦戦するばかりで、最終奥義を使ってようやくダメージを与えた程度でした。
予想外の威力の奥義で痛みをくらったリッチはブチ切れます。
しかしそこへ突然異空間から雷獣ヌエが現れ、リッチに噛み付いて強烈な電撃を食らわせました。
うろたえるリッチ、続いて主人公のダークシュナイダーが炎の魔人イフリートを従えて現れます。
援軍が増えたところで何するものぞと恐れぬリッチでしたが、ダークシュナイダーがある武器を手にしたのを見て怯えました。
それは炎の剣という魔剣でした。
この剣はイフリートの化身で、イフリートの魔力そのものが武器と化しています。
さっき書いたようにアンデッドは炎に弱いです。
だけどリッチ自身が高い魔力を持っているので、並の魔法では通用しません。
しかしイフリートの化身である炎の剣は、リッチを超えるほどの高い魔力を宿しています。
それに加えて岩石すら溶断するほどの高熱ですから、さすがのリッチも炎の剣だけは恐れていました。
仲間を傷つけられてキレたダークシュナイダーは、炎の剣を真っ直ぐに振り下ろします。
あわれなリッチは成す術なく一刀両断され、凄まじい炎に焼かれて消滅しました。
忍者マスターガラが死力を尽くしてちょっとダメージを与えた程度なのに、炎の剣を使えばたったの一撃でリッチはご臨終です。
もちろん主人公のダークシュナイダーがべらぼうに強いというのもありますけど。
でも逆に言えば、イフリートの化身である炎の剣を使わないと勝てないほどの強敵ということでもあります。
基本的に下級モンスターであるアンデッドですが、リッチは例外的に高位のモンスターです。
いくら強かろうが人間では中々勝てない敵です。
もし実在したら軍隊でも無理でしょう。
単純な物理的力じゃ傷一つ付けられないんですから。
そう考えると、現代の人類にとってはドラゴンや巨人よりも、アンデッドやゴーストの方が恐ろしい魔物かもしれませんね。
もしリッチが現代人に戦いを挑んできたら確実に負けそうです。

陰陽師は古代の薬剤師

  • 2018.08.23 Thursday
  • 13:11

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一時期陰陽師が流行りました。
小説や漫画がブームの火付け役になったそうです。
スラっとした流麗な美男子が颯爽と魔を打ち払う。
退魔師としての陰陽師はたしかにファンタジー小説や漫画の主人公にピッタリです。
では実際の陰陽師はどういう存在だったのか?
以前に安倍晴明のライバルであった蘆屋道満のお墓をお参りしたことがあります。
そこを管理している方から陰陽師についての話を伺いました。
陰陽師とは現代でいう参謀のような存在だったそうで、王様の政治を補佐し、国の政策などを決定する政治的な役割を担っていたそうです。
まだまだ科学が発達していない時代、国の大事は信託や占星術に頼っていました。
不思議な力を持つとされる陰陽師が頼りにされるのは当然だったのかもしれません。
ではどうして陰陽師は不思議な力を持つとされたのか?
蘆屋道満について教えてくれた方はこう語っていました。
「薬についての知識が豊富だったから」
医療が発達していない時代、病気は病魔と呼ばれ、魔物や祟りのせいとされていました。
しかし陰陽師は「この葉っぱとこの木の実を調合すれば治る」という知識があったそうです。
現代でいうところの薬剤師ですね。
さらに病状を見極めて薬の調合を決めるんだから医者でもあります。
病気が魔物や祟りが原因と思われていた時代、それを治してくれる陰陽師は、魔を退ける退魔師として尊敬を集めていたのでしょう。
ちなみに蘆屋道満は安倍晴明との政治争いに負けて、都を出ていきます。
そして地方で薬屋を開いて暮らしていたという言い伝えが残っているそうですよ。
降霊術を行うシャーマンも薬の知識が豊富で、アフリカでは現代でも存在するようです。
しかもその権威は絶対的で、大事な行事の際は必ずシャーマンの指示を仰ぐ部族もいるみたいです。
昔にあるバラエティ番組でタレントさんがこんな話を披露していました。
「アフリカの奥地にロケに行った時のこと、スタッフが誤って猛毒のサソリに刺されてしまった。
病院までは遠く、このままではいつどうなるか分からない。
そこで藁にもすがる思いでシャーマンを頼った。
シャーマンは小さな四角い黒い物体をスタッフに飲ませ、そして泥のような何かをこね回してから、スタッフの全身に塗っていった。
まるでマッサージでもするかのようにその泥みたいなものを塗っていくと、皮膚からドロドロしたものがにじみ出てきた。
それからすぐにスタッフは回復に向かった。」
もしこれが事実だとするならば、やはりシャーマンは間違いなく薬剤師であり、医者であります。
ただ技術や知識が西洋医学とは違うというだけで。
科学的な証明は難しくても、神様や精霊が力を貸してくれると信じることで、その独特の医療で助かる人がいるのだから、現地の人たちの尊敬を集めるのも頷けます。
生き物にとっての最大の敵は病気です。
感染症、中毒症、その他いろいろな病気、現代の医療なら治せるものも、昔の人は何も出来ずに苦しんでいたはずです。
盲腸だって今なら簡単に治療できますが、昔の人はただ我慢するしかなくて、そのうち腹膜炎を起こして苦しみ、そして亡くなったでしょう。
病気の原因は目に見えないことが多いから、それを治せる人たちは、例外なく超人扱いされていたんだと思います。
式神を飛ばして悪霊退散!というのは脚色された陰陽師です。
しかしだからといって陰陽師は嘘っぱちの存在じゃないし、ホラ吹きのインチキでもありません。
王様の側近として政治を行い、医療のない時代に医者代わりとして病気の診断を行い、薬剤師の代わりとして薬を調合していたすごい人たちです。
陰陽師はファンタジーでもリアルでも活躍した超人のような存在ですね。

優しいけど繊細 引きこもりになったことがある神様アマテラス

  • 2018.08.04 Saturday
  • 12:50

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以前に荒ぶる神様スサノオの伝承について書きました。
ヤンチャ坊主のスサノオはワガママばかりで、優しくしてくれるお姉ちゃんのアマテラスの屋敷でもイタズラばかり。
挙句に追い出されてしまって、地上の国(人間の世界)を放浪していました。
後にヤマタノオロチを討伐して英雄になるわけですが、それまでは手のつけられない暴れん坊だったわけです。
アマテラスは弟の傍若無人ぶりを最初は庇っていました。
「悪い子とちゃうねん!ほんまはええ子やねん!」
だけど侍女の女神を誤って死なせてしまったスサノオに「ほげええええ!」と腰を抜かします。
「もうマジ無理・・・・探さないで。」
そう言い残し、岩の洞窟に引きこもってしまいました。
アマテラスは太陽の女神です。
それが引きこもってしまったせいで、世界はいつでも真っ暗になってしまいました。
「こらアカンでえ!」
八百万の神様たちは慌てました。
「暗いと不平を言うよりも、進んで明かりを点けましょう!」
神様たちはあの手この手で引きこもりのアマテラスを元気づけようとしました。
「ヤンチャもんの弟さんはもうおりません!」
「安心して出てきて下さいまし!」
「タカシへ ここにご飯置いておきます。」
神々の説得は続きました。
励ましたり、慰めたり、勇気づけたり、こっそりタウンワークを置いてみたり。
だけど「ええねん・・・もうウチのことはほっといて!」と殻に閉じこもるばかり。
このままでは世界は永遠に夜のままです。
すると一人の女神がこの窮地を救う為に立ち上がりました。
その名をアメノウズメといいます。
特技はダンス、しかも超一流です。
「ずっと夜のまんまなんやったら、せめて踊っとこ。」
クルクルヒラヒラと美しい舞いを披露すると、神々は喜びました。
いつの間にやら大勢の神々が集まって、飲んで食って踊ってとお祭り状態です。
その賑やかな声は洞窟の中にも届きました。
「みんな何してんねやろ?」
こっそりと覗いてみると、楽しそうな宴会をしているではありませんか。
「みんなリア充やなあ。でもウチは・・・・・、」
羨ましく宴会を見つめるアマテラス。
すると筋肉ムキムキマッチョマンの神様タヂカラオがやって来て、サっとアマテラスの腕を引きました。
「とったどー!」
遂にアマテラスは洞窟の外へ顔を出したのでした。
アマテラスが社会復帰したおかげで、世界に光が戻りました。
神々は大喜び、アマテラスも「やっぱ楽しい方がええわあ」と宴会に飛び込みました。
そしてもう二度と引きこもらないようにと、タヂカラオが歪みねぇその怪力でデッカイ岩を持ち上げ、洞窟の入口を塞ぎました。
この洞窟は天岩屋戸(あまのいわやど)といいます。
引きこもりだった太陽神を救ったのは、神々の楽しそうな笑い声でした。
押してダメなら引いてみろ。
殻に閉じこもるアマテラスの心を開かせるには、楽しい笑い声が一番だったというわけですね。
これって北風と太陽の話に似ています。
人に心を開いてもうらには暖かい陽気が一番。
神話や民話や童話って、国が違っても似ている話が多いんです。
とにかく世界に光が戻ったわけで、一件落着です。
日本神話って他の神話と似ている部分も多いけど、他の神話よりも平和的です。
神々の大戦や、王位をめぐって骨肉の争いなども起きません。
それに根っからの悪者って登場しないんですよ。
悪さをすることはあっても、どこかイタズラっぽいというか、愛嬌があるというか。
決して悪意があってやっているわけじゃなくて、ただヤンチャ坊主だったりとか、繊細で傷つきやすかったりとか、獣の本能ゆえに人に迷惑を掛けるとか。
こいつは悪だ!って断罪することがないんです。
そしてこいつは善だ!って持ち上げることもありません。
例えるなら日常系のドタバタ漫画。
ギリシャ神話がドラゴンボール、北欧神話がワンピースだとするならば、日本神話はらんま2分の1みたいな感じです。
ドラゴンボールやワンピースのような派手さはないけど、そういうのとはまた違ったしみじみとした楽しさのようなものがあるんです。
アマテラスもスサノオも、それに他の神様たちもみんな憎めないキャラクターをしています。
神話は決して難しい読み物じゃなく、現代の漫画やアニメに通じるものがありますよ。

古代エジプトの猫の神様バステト

  • 2018.06.16 Saturday
  • 12:16

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エジプトってすごく猫を大事にする国だそうです。
それは古代エジプトから変わりません。
猫はネズミやヘビなどの害獣を駆除してくれるので、昔のエジプトの人はとても大切にしていたそうです。
エジプトだとファラオのミイラが有名ですが、なんと猫のミイラもあるそうです。
猫の神様を祭った町もあるほどで、他の動物に比べて特別な存在として扱われていました。
猫がここまで大切にされたのは、単に害獣の駆除をしてくれるからだけではありません。
エジプト神話にはバステトという猫の女神がいるのです。
愛と恵みの女神とされていて、たくさんの信仰を集めたようです。
バステトを崇めるお祭りには何十万という人たちが集まるなど、どれほど人気があったかが窺えます。
だけどただ優しいだけの神様じゃなくて、悪いヘビの神様と戦ったり、太陽神ラーを守ったりと、戦いでも活躍しています。
世界中の色んな神話に女神がいますが、バステトもそうであるように、女神には二面性があることが多いです。
インドの女神パールバティは溢れんばかりの愛をもつ優しい女神ですが、一度怒らせると手のつけられない殺戮の女神に変わります。
夫のシヴァ神ですら手を焼くほどで、悪鬼羅刹を簡単に踏み砕くほどの強さだそうです。
日本でも天界へやって来たスサノオを迎え撃たんと、アマテラスは武装して待ち構えていました。
(スサノオは攻めてきたわけではないので戦いにはなりませんでしたが)
たくさんのユニークな神様がいるギリシャ神話でも、女神は愛と同時に怖さも備えています。
もちろんそうでない女神もたくさんいますが、怖い一面を持つ女神は世界中にいるというわけです。
女の人は優しい時は優しいけど、怒らせたら怖いというのは、古今東西共通の認識だったのでは・・・・という説があります。
女神は畏敬の対象だったということなのでしょう。
バステトは普段は慈愛の女神であり、音楽や踊りを司る芸術の神様でもあります。
だけど武器を持って悪い神様と戦う絵も残されているようで、いざとなればそんじょそこらの神様よりも強いということなんでしょう。
バステトは猫の神様なので、そのまんま猫の性格を反映しているのだと思います。
人に甘える時は可愛いけど、狩りをする時は豹変しますから。
そんな猫をペットとして飼うという文化も、エジプトが発祥だと言われています。
女性と猫の性格を兼ね備えた猫の神様はとにかく人気で、上に書いた猫の神様を祭る町というのは、このバステトを祭っていたわけです。
ミイラにして残すほどですから、古代エジプトの人たちがどれほど猫を愛していたのかよく分かります。
猫という生き物は、ピラミッドの時代から人々に愛されていたんですね。

浦島太郎とオトヒメのモデルになった神様 山幸彦とトヨタマヒメ

  • 2018.03.29 Thursday
  • 14:18

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童話、浦島太郎に登場するオトヒメ様。
実は日本神話に登場する女神が元になっています。
まず海にはオオワダツミという神様がいて、その娘にトヨタマヒメという女神がいました。
あるとき、トヨタマヒメのところへとある神様がやってきます。
それは山幸彦(ヤマサチヒコ)という神様です。
この神様には海幸彦(ウミサチヒコ)というお兄ちゃんがいて、ひょんなことから釣り針をなくしてしまいました。
「これじゃあ魚が釣られへん!」と嘆くお兄ちゃんに代わり、弟が海まで探しにやって来ました。
その時、偶然にトヨタマヒメと出会います。
一目惚れした山幸彦は「結婚してくれ!」とプロポーズしました。
二人はめでたく結ばれ、海の宮殿で幸せな時間を過ごします。
しかし山幸彦は思い出しました。
どうして自分がここへ来たのかを。
「あかん!釣り針を見つけて兄ちゃんのところに戻らな!」
目的を思い出した山幸彦は、釣り針を持ってお兄ちゃんの待つ地上へ戻りました。
「おう!遅かったやないかい!」
「堪忍や、ほらこれ。」
無事に釣り針を返し、これで一件落着かと思われました。
しかし事態は急転します。
釣り針を取り戻し、ようやく魚を釣って飯にありついたお兄ちゃんでしたが、その後はなぜか不安に見舞われたのです。
自分の治める国がどんどん貧しくなり、「どないなっとんねん!」と激怒しました。
「思えば弟がこっちへ帰って来てからおかしいなった。あいつなんかやりよったな。」
怒りに燃えるお兄ちゃんは弟の国を攻めます。
しかし逆にフルボッコにされて、「すんまへん・・・」と軍門に下りました。
さて、この話は上にも書いたように、浦島太郎の元となっています。
どうしてお兄ちゃんは不幸に見舞われたのか?
理由は弟にありました。
実は弟が持って帰ってきた釣り針には呪いが掛けられていたのです。
トヨタマヒメの父であるオオワダツミは、たいそう娘婿のことを気に入っていました。
そこで針に呪いを掛け、兄を不幸にして弟が覇権を握れるように仕掛けをしておいたわけです。
しかしオオワダツミに夫の悩みを相談したのは、実はトヨタマヒメでした。
それは夫を助ける為でもありましたが、それと同時に地上へ戻ってしまられたらどうしようという不安もあったはずです。
会った瞬間に一目惚れされて、「君の作った味噌汁を毎日飲みたい」などとプロポーズされたのに、いまさら捨てられたたまったもんじゃありません。
そこで父に相談し、最後はまた海へ戻って来てもらう為に、針に呪いをかけるよう頼んだのではないか・・・・とも考えられます。
なぜなら兄の軍門に下ることがあれば、夫は自由を奪われ、二度と戻って来ないからです。
針の呪いはトヨタマヒメの策略ではないか・・・・と、ちょっとひねた見方もできます。
そのほかにこんな話が残っています。
山幸彦と結ばれたトヨタマヒメは子宝を授かります。
お腹は日に日に大きくなり、いよいよ出産の日を迎えました。
その時、夫にこんな忠告をしました。
「あーた、子供を産む瞬間はなにがあっても覗かないで下さいまし。」
固く釘を刺してから分娩室へと向かう妻。
なるほど、そういう瞬間は夫でも見られたくないものかと納得した山幸彦は「おk」と頷きます。
しかし「普通はあそこまで拒否するもんやろか?」と疑問に思い、その疑問はやがて好奇心へと変わりました。
「ちょっとくらいやったら覗いてもええやろ。」
安易な気持ちでドアの隙間から覗き込むと、「ほげええええ!」と腰を抜かすような光景が。
なんとそこにいたのは大きなサメだったのです。
「なんであんなでかいサメが分娩室におんねん!ワイの嫁さんはどこ行ったんや・・・・。」
まさかあのサメに食われてしまったのか?
不安になる山幸彦でしたが、ふとある事に気づきます。
「あのサメ子供を産んどるな。は!まさか・・・、」
うろたえる山幸彦・・・次の瞬間、「見たな・・・」とサメが振り返りました。
「あれほど覗くなと言ったのに・・・・。」
「ひえ!」
そう、トヨタマヒメの正体は八尋鰐(やひろのわに)という巨大なサメだったのです。
出産時は元の姿に戻ってしまうのでしょう。
だから決して覗くなと忠告したわけです。
妻の正体を知った山幸彦は慌てて地上へと逃げ出しました。
トヨタマヒメと山幸彦。
これはオトヒメと浦島太郎のモデルです。
竜宮城を去る時、玉手箱をもらった浦島太郎はオトヒメの忠告を無視して開けてしまいます。
そのせいでお爺さんになってしまうわけですが、これには諸説あります。
実は竜宮城は時間の流れが遅く、地上は何十年も経っていた。
玉手箱はその時間の流れを元に戻す物であり、だから浦島太郎は地上の時間の流れに則って、お爺さんになってしまった。
けどもう一つ考えられるのはオトヒメからの復讐です。
自分を捨てて地上へ戻ろうというのなら、タダでというわけにはいかない。
それ相応のリスクを背負ってもらうわという、一種の警告だったのではないかと思います。
山幸彦も浦島太郎も、愛した女性を残して去ってしまうという点は同じです。
自分はそれで良かったとしても、トヨタマヒメやオトヒメからしたら怒りが沸くでしょう。
どうしても戻りたいのなら戻してあげるけど、共に過ごした時間がチャラになると思うのは大間違い。
呪いの釣り針も玉手箱も、地上へ戻る為に背負わなければいけない業だったのでしょう。
実はこういう話は海外の神話にもあります。
愛した男には献身的に尽くそうとする美しい水の精霊ウンディーネ。
しかし浮気をしたならばその男を殺してしまいます。
またギリシャ神話の女神ヘラは、夫であるゼウスの浮気癖に悩まされていました。
ゼウスは神々の長であり、最強の神様でもあるので、「ちょっとアンタあああ!」と怒ることはあっても、さすがに手を下すことは出来ません。
その代わり怒りは別の相手に向います。
夫と浮気をした女に。
それが人間だろうが精霊だろうが天罰を食らわせるおっかない女神です。
今は子供向けの童話になっている物語も、元を辿れば男女の愛憎という話は珍しくありません。
童話とは古くから伝わる神話や民話を子供向けに改良したものなので、元ネタはけっこうドロドロしていたりするんですよ。
その昔、浮気は男の甲斐性を言われていました。(今はそんなこと絶対に言えませんが)
しかし同時にウンディーネやヘラやトヨタマヒメのような女性がいて、浮気に対してはそれ相応の報復を行うのも常だったのかもしれません。
なぜなら神話や民話は、その当時の出来事や世界観を物語にしたものなので、神話に登場する神様たちの性格は当時の人たちの性格を反映しているとも言えるからです。
もしかしたらですけど、玉手箱のせいでお爺さんになってしまった浦島太郎を見て、オトヒメはニヤリと笑っているかもしれませんね。
私を捨てたんだから、自分だけ幸せになるのは許さないわよ・・・・と。

最強の神様は誰だ!?

  • 2018.02.20 Tuesday
  • 16:00

JUGEMテーマ:神話・伝承全般

最強の神様は誰だ!?
世界中に存在する様々な神話。
その中にはとてつもなく強い神様もいます。
まず北欧神話から。
神槍グングニルを持つオーディン。
そのオーディンを食ってしまったフェンリルを仕留めた戦いの神ティール。(雷神トールじゃないですよ)
次にギリシャ神話。
雷を自由に降らすことが出来る武器を持った雷神ゼウス。
武と知力を兼ね備えたた戦の女神アテナ。
次はエジプト神話。
名君オシリスと女傑イシズの息子である太陽神ホルス。
残忍性と冷酷性と狡猾さを併せ持つ執念深い神セト。
次にインド神話。
口の中に宇宙が広がっている神様ヴィシュヌ。
額にある第三の目から全てを焼き尽くす光線を発射する破壊神シヴァ。
次は日本神話。
ヤマタノオロチを退治した豪腕の神様スサノオ。
力と闘争心に溢れる雷神タケミカヅチ。
次にケルト神話。
比類なき戦いの天才であるルー。
その血を受け継ぐ英雄クー・フーリン。
もしみんなでバトルロワイヤルをしたらどうなるのか?
・・・・ファイ!
まずはオーディンのグングニルがセトを貫きます。
何をしでかすか分からないセトは不気味な不安材料。
智謀を得意とするオーディンにとっては邪魔者なのでいきなりトドメを刺されてしまいます。
次にゼウスが動きました。
武器を振り上げて雷を乱発します。
狙いはスサノオ、しかし間にタケミカヅチが割って入り、その雷を防御(雷神なので電撃に耐性あり)
ホッとしたスサノオは、こちらに背中を向けているティールに掴みかかりました。
そのままジャーマンスープレックスを決めて、マウントからのパンチでKO。上手く奇襲が決まりました。
ここでティールも脱落です。
ホルスはそんな様子を太陽から静観しています。
ライバルのセトが消えた時点で彼は満足なので、そのまま棄権してしまいました。
よってエジプトの神々は脱落です。
次に動いたのはクー・フーリン。
相手はヴィシュヌです。
自慢の槍ゲイボルグで挑みますが、ヴィシュヌの口に広がる宇宙に吸い込まれてしまいました。
クー・フーリンはその宇宙で戦い続けています。幻のヴィシュヌを相手に延々と。
もはや戸愚呂兄状態です。
それを助けようとルーが駆けつけますが、シヴァが立ちはだかりました。
額にある第三目の目を開き、ルーを焼き尽くそうとします。
あわれ直撃を食らったルーは蒸発寸前です。
しかしいつの間にか盗んでいたアテナのイージスの盾により、光線を反射しました。
シヴァは自分の光線で大火傷を負い、家に帰って妻のパールバディにオロナインを塗ってもらいました。
そしてルーもまたアテナにシバかれてしまいました。
勝手に盾を盗んだからです。
ここでルーとシヴァが脱落。
さらにヴィシュヌは「こんな野蛮な戦いは降りる」と去ってしまいました。
口の中にクー・フーリンがいることを忘れて。
ここでヴィシュヌとクー・フーリンも脱落です。
ちなみにオーディンも帰ってしまいました。
勝ったところでメリットはなさそうなので、やってられるかとばかりに飽きてしまったからです。
ここでオーディンも脱落です。
残るはゼウス、アテナ、スサノオ、タケミカヅチ、四人です。
ゼウスとアテナはギリシャ神話同士でタッグを組み、スサノオとタケミカヅチは日本神話同士でタッグを組みました。
まずはスサノオの攻撃。
むんずとタケミカヅチを掴むと、剛力で砲弾のごとく投げ飛ばしました。
アテナはイージスの盾でそれを弾き返し、遥か彼方へ吹き飛ばしてしまいました。
ここでタケミカヅチが脱落。
しかしその隙に距離を詰めていたスサノオが、ハルク・ホーガン並みのラリアット、アックスボンバーでアテナを撃沈。
マットに倒れた彼女は失神KOとなり、ここで脱落です。
最後はゼウスとスサノオの一騎打ち。
ゼウスはこれで最後とばかりに、ありったけのエネルギーで雷を落としまくります。
そのパワーはエネルのマララガンとエルトールを足して100万を掛けたくらいです。
さすがのスサノオもたまらず倒れました。
しかしマットに沈む間際、力を振り絞って出した右のストレートが、ゼウスの股間を直撃しました。
結果はダブルドロー。
よって勝者はなし!
・・・・と思われた矢先、倒れたはずのセトが復活しました。
前もって蘇生の秘術をかけておいたので、死んでも一度だけ復活可能だったのです。
しかし忘れ物をしたヴィシュヌが戻ってきた為に、慌てて死んだフリをしました。
そしてヴィシュヌも忘れ物を取るとそのまま帰ってしまったので、結局勝者は無しです。
すごいアホっぽい戦いになってしまいましたが、これくらいしか考えつきませんでした。
だって神話の神様って誰もがブッ飛んだ力を持っているので、まとにやり合ったら収拾がつかないですよ。
ガチンコの試合ではなく、エキシビジョンみたいな感じが一番いいんじゃないでしょうか。
本気で誰が最強なのか決めようと思ったら、地球が何個あっても足りそうにないですね。

正体不明の悪魔サタン

  • 2017.12.16 Saturday
  • 10:45

JUGEMテーマ:神話・伝承全般

JUGEMテーマ:ゲーム

JUGEMテーマ:漫画/アニメ

地獄の主サタン。
悪魔の総帥とか大魔王とか、他の悪魔より別格の扱いになるほどの強大な悪魔です。
神に敵対する者であり、人に禁断の果実である知恵の実を食べさせた奴でもあります。
もしこいつさえいなければ人は永遠に楽園にいたはずなんですが、まったくもって余計なことをしてくれた野郎です。
しかしサタンの起源には諸説あり、ルシファーと同一視する説もあれば、実は神の使いであるという説もあります。
今でも素性がよく分かっていないんですよ。
ルシファーなんかは元天使って分かっているんですけどね。
かなり謎な悪魔なんですが、知名度は一番高い悪魔です。
蛇みたいな姿をしているとか、蛇そのものであるとか言われています。
女神転生シリーズでは神に使える神霊として登場します。
天使側の存在なんですよ。
そしてゲーム内ではルシファーより格上っぽい感じで、しかもルシファーよりちょっと強いんです。
悪魔になったり神の使いになったりルシファーと同一視されたりと、とにかく不安定な奴なんですが、当のサタンは自体はそのことをどう思っているのか?
変な例えかもしれないけど、サタンって人間でいうならオスカー受賞レベルの名役者ですよ。
女神転生シリーズでは神霊という設定だったのが、別の仕事では「悪魔でお願いします」とか言われるわけですよ。
しばらく女神転生の仕事が続いていると、良い奴の演技が身についてしまって、「あ、そういうのいらないんで」とディレクターからダメ出しされそうです。
けっこう大物なんでやんわりと注意される感じです。
でもダメ出しはダメ出しなので、サタンも気が悪いでしょうね。
仕事が重なる時とか最悪でしょうね。
こっちのゲームでは大魔王で、向こうのアニメでは良い奴でみたいな。
大魔王の仕事もルシファーと一人二役だったりとかなら過酷です。
歌舞伎でやるような早着替えをしないといけないですから。
「もうCGでええやん」
絶対にそう思っているでしょう。
本当はルシファー自身が登場する予定だったのに、「ドラクエに呼ばれたから」という理由でドタキャンしたんです。
ちなみにルシファーは強面なので誰も文句を言えません。
悪魔界の小林旭なんですよ。
めっちゃ怖いんです。
サタンは大物だけど、物を言いやすい雰囲気があるんです。
中尾彬なんです。
実は「首のねじねじ」しているアレが本体なんですよ。
さかなクンの帽子と同じなんです。
中尾彬さんは悪役も教師もやるし、ゴジラに向かって「今度こそ奴の息の根を止めてやる」ってニヤリ笑いする国防軍の幹部まで色々演じる役者さんです。
役によって色が変わるんです。
もし小林旭さんが「奴の息の根を止めてやる」っていったら、素手でゴジラを仕留めそうですからね。
立ち位置が不安定なサタンではありますが、そのおかげで仕事が多いんですよ。
それにルシファーよりギャラも安いから声が掛かりやすいんです。
プライベートではヘケトとかノッカーにも敬語らしいですしね。
正体不明の大悪魔サタン。
素性が不明だからこそ、皆の興味を惹く特別な悪魔なのかもしれません。

 

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