原作者も気に入った日本版スパイダーマン

  • 2019.01.17 Thursday
  • 14:26

JUGEMテーマ:特撮

昔に放送していた日本版のスパイダーマンは国内外で評判が良いそうです。
海外の特撮ファンも面白いと認めているんだとか。
日本の特撮は良い意味でぶっ飛んでいます。
このヒーローはこうあるべきというのを守りつつ、今までの常識を破壊し、新たな領域へ切り込んでいくからです。
戦隊ヒーローや仮面ライダー、そしてウルトラマンが今でも子供達に人気なのはそのおかげでしょう。
日本版スパイダーマンは登場シーンが面白いです。
派手に動き、筋の通ったことから、わけの分からないことまでカッコよく叫びます。
スパイダーマンのいかにも蜘蛛っぽい動きって、日本版からの逆輸入なんだそうですよ。
四足で地面を踏みしめ、シュタシュタっと軽快に動いてみせる。
子供は動きに反応しますから、分かりやすい動きをするスパイダーマンは大人気となりました。
私の好きな仮面ライダーブラック、ブラックRXだって変身後にアクションのあるポーズを決めます。
どう考えても無防備なだけなんだけど、でもそれがカッコいいんですよ。
日本版スパイダーマンの最大の特徴といえば、巨大ボロが登場することです。
名前はレオパルドン。
スパイダーマンで巨大ロボが登場するなんて、本家本元のマーベルでも思いつかないことでした。
もちろん賛否両論あります。
だって巨大ロボが登場するってことは、巨大な怪獣が登場するってことでもあります。
いくらスパイダーマンが強くても、さすがにビルのように大きな怪獣相手では不利です。
そこで巨大ロボの登場となるわけですが、なんとパイロットもスパイダーマン自身です。
だったらその巨大ロボで敵地を叩きのめしちゃえばいいじゃなんて思っちゃいけません。
ヒーローはフェアな戦いを大事にします。
巨大ロボで敵の基地を襲撃なんてしたら、それは悪者と変わらなくなってしまいますから。
本家本元のマーベルでは否定的な意見が多かったそうですが、原作者の方はデザインに関しては気に入ったそうです。
ちなみに日本版スパイダーマンも大好きだそうですよ。
パシフィックリムも日本の怪獣映画が好きな監督が手がけたものですし、海外でも日本のぶっ飛んだ特撮は受け入れられているんです。
ただし重要なのは、決してふざけて作っているわけじゃないということです。
ストーリーはしっかりした作品が多いし、それなりに重いテーマを扱ったりもしているんですよ。
日本版スパイダーマンの主人公も、敵に親を殺されていますし。
だけどどんな逆境にもめげない、引かない、諦めないって姿勢があるから、ぶっ飛んだ世界観の中でもカッコよく見えるんです。
日本の特撮は技術も一流だけど、発想や見せ方も一流です。

コンプレックスから生まれた哀しき怪物 ウルトラマンティガの怪獣エボリュウ

  • 2018.08.16 Thursday
  • 13:18

JUGEMテーマ:特撮

ウルトラマンティガにエボリュウという怪獣が出てきます。
こいつはある科学者が生み出した怪物なんですが、その源になったのはコンプレックスです。
実は科学者には学生時代から仲の良い友人がいて、その彼もまた科学者の道を目指していました。
そしていつも打ち負かされます。
友人は科学者としての腕を買われ、ガッツ(ウルトラ警備隊みたいなもの)の隊員として活躍する毎日。
だけど自分は科学者になる夢は叶えたものの、これといってパっとしない学者のままです。
どうにかしてアイツを超えたい・・・・。
その思いから必死に研究を重ね、そして生まれたエボリュウという怪物。
自分は負け犬なんかじゃない!
あいつを見返してそれを証明する!
人間としては友人でも、科学者としては常に目の上のタンコブだった鬱陶しい存在。
複雑な思いはやがて彼を間違った道へと走らせました。
この科学者にはもう一人仲の良い友人がいて、学生時代はよく三人でつるんでいました。
そのもう一人の友人は女性であり、昔から思いを寄せていました。
しかしひょんなことから、彼女は友人のアイツを好きなんじゃないかと誤解をしてしまいます。
レストランで二人きりで会っているところを目撃してしまったからです。
でもそれは彼女が科学者の彼が暴走気味なのを心配し、友人に相談しているだけでした。
あれは誤解だと説得する彼女。
お前は負け犬なんかじゃない、立派な科学者だと認める友人。
だけど二人の声はもう届きませんでした。
仕事、夢、恋・・・・全てを失い、全てにおいて敗北してしまったように感じた彼は、自分自身が怪獣に変わってしまいます。
エボリュウは生き物を強く進化させる研究でした。
そいつが自分の体内にも宿っていたのです。
全てをぶっ壊してやる!
怪獣となってしまった科学者は、人の心を失い、破壊を尽くそうとしました。
目に付くものは全て叩き潰します。
自分の全てがあって研究所さえも。
友人と彼女も壊れ行くビルに閉じ込められ、このままではいつ死んでしまうか分かりません。
心まで怪物に変わってしまった彼には、いくら叫んでも二人の思いは届かず、やりようのない切なさと悔しさに満たされるばかりでした。
エボリュウはなおも暴れ続けます。
このままでは本当にマズいことになる・・・・。
友人がそう危惧した瞬間、颯爽とウルトラマンティガが現れ、エボリュウを倒しました。
ティガのおかげで二人は助かりましたが、一つ大きな犠牲を払うことになります。
倒されたエボリュウは人間の姿に戻っていました。
波の打ち寄せる浜辺で、動かぬ屍となって。
駆けつける友人と彼女。
眠るように横たわる科学者。
友人は膝をつき、そっと語りかけます。
誰にだって心の闇はある。もう戦う必要はないんだ、ゆっくり休めよ・・・・。
ストーリーはここで終わり、エンドロールが流れます。
学生時代からの大切な友人。
それは同時に常に先をいくライバルであり、自分のコンプレックスを刺激される厄介な存在。
強すぎる劣等感と競争心のせいで、仕事でも夢でも恋でも敗北してしまったと錯覚し、大事な人たちの声さえ届かなくなってしまった彼に安らぎを与えたのは、ティガと戦っての敗北でした。
最後に友人がかけた言葉は強く印象に残っています。
安らぐには戦いを降りるしかなくて、それは永遠の眠りにつくということでした。
ティガには切ない話が多いです。
もう戻ってこない昔の村を待ち続ける妖怪オビコ、ガッツ隊員の努力のおかげでコミュニケーションは成立したのに、価値観が違いすぎて理解し合えなかった怪獣ガゾート。
自分の研究のせいで大事な娘を亡くしてしまい、その娘が可愛がっていたインコが怪獣に変わってしまった話もあります。
そしてなにより切ないのは、そういった悲しいバックボーンのある怪獣たちと向き合わなければならないウルトラマンティガです。
説得できる時は説得するし、倒さなくてもいい時は倒しません。
しかしエボリュウのように言葉で止まらない怪獣が相手では、人類に代わって戦い、トドメを刺します。
ゆえにティガに変身する主人公は、自分の行いが正しいのかどうか迷うことも多いです。
自分のやっていることは本当に正義なのか?
怪獣を悪者と決めつけていいのか?
勧善懲悪という分かりやすい構図じゃなくて、ウルトラマンという存在そのものに疑問を投げかけた画期的なウルトラマンです。
それが成立したのはエボリュウやオビコのような怪獣がいたからこそ。
ティガに出てくる怪獣は深いですよ。

シンプルな必殺技のかっこよさ

  • 2018.07.13 Friday
  • 13:41

JUGEMテーマ:特撮

ゴジラといえば熱戦、ゴジラ最大の武器であり必殺技です。
しかしどの熱戦も同じじゃなくて、シリーズによって違います。
初代は真っ白な吐息です。
超高温ブレスで物を溶かすみたいな感じです。
しかし以降の昭和シリーズでは青白いビームに変わりました。
しかもまっすぐじゃなくて湾曲してたんですよ。
ビームでありながらブレスでもあるみたいな。
でも平成VSシリーズに入ってまっすぐ飛ぶビームに変わりました。
この頃の熱戦って熱でダメージを与えるっていうより、レーザーみたいに敵を貫いたりします。
熱量よりもビームがぶつかる衝撃そのものの方が強いんじゃないかと思います。
だから幼虫バトラみたいに硬い甲殻を持つ相手には通用しませんでした。
VSシリーズより後のゴジラではメガ粒子砲とか荷電粒子砲みたいな高威力のビームみたいな感じです。
力を溜めて撃つことが多いで、VSシリーズみたいに乱発することはありません。
ウルトラマンのスペシウム光線みたいにここぞという時に使います。
そのぶん超高熱、超高威力に変わりました。
ブラックホールを発生させるキャノン砲を相殺するくらいですから。
ファイナルウォーズのゴジラは宇宙まで届くほどの威力と射程です。
けどここまでのゴジラは、背びれが青く光ってから、青白いビームを放つという意味では共通しています。(初代は除いて)
でもシンゴジラでは変わりました。
背びれの発光も熱戦も紫色。
そして今までのゴジラとの一番の違いが熱戦を吐くまでのプロセスです。
最初に黒い煙がブワーっと出て、その次に灼熱の炎がゴオオオっと出て、最後に収束した熱戦ビームに変わります。
歴代ゴジラの中でもかなり高い威力と射程を持っています。
なにより背びれや尻尾からも出るっていうのが凄まじいです。
ウルトラマンのスペシウム光線もそうだけど、必殺ビームのエフェクトやアクションって大事なんですよ。
初代ウルトラマンは手をクロスさせてすぐに出していましたが、ティガは違います。
両脇に拳を構え、胸の前で手を交差させ、その交差させた手を広げていくと光の線が走ります。
そのあとに手をクロスさせて発射します。
アクションもエフェクトも凝っているんですよ。
とてもかっこいい撃ち方です。
だけど初代のシンプルさもかっこいいんです。
無駄な動きなく撃つ!
必殺技だからって何もかも派手にしなくても、ちゃんとかっこよさは通じるということです。
ゴジラの熱戦も同じで、初代の高熱ブレス、あれはあれでとてもかっこいいんです。
昭和ゴジラの湾曲した熱戦も、VSシリーズのすぐに撃てる熱戦もかっこいいんです。
シンプルゆえの迫力や魅力があるからです。
派手なアクションやエフェクトを否定しているわけじゃありません。
ただ最近の特撮って、全体的にど派手な演出に向かっていて、あまりに派手にしすぎる為に、技そのもののインパクトが落ちている気もします。
シンプルだからこそ記憶に残りやすいということもあるので、パっと出してパっと倒すみたいな演出もあっていいと思います。
ゴジラシリーズでいえば、私はVSシリーズの熱戦が一番好きです。
パパっと背びれが光ったかと思うと、その一秒後くらいには熱戦を吐きます。
しかもジャブのように連発することもあるんですよ。
海で幼虫バトラと戦う時、お互いにビームの撃ち合いをしていました。
技がシンプルだからこそ出来る迫力ある戦いです。
パっと出してパっと終わる。
そういう必殺技も大事です。

怨念の集合体 異彩を放つGMKのゴジラ

  • 2018.05.30 Wednesday
  • 11:20

JUGEMテーマ:映画

JUGEMテーマ:特撮

この前GMKゴジラを観ました。
ゴジラ、モスラ、キングギドラ、大怪獣総攻撃というタイトルです。
それぞれの怪獣の頭文字をとってGMKと呼ばれています。
見るのは四回目、当時の撮影技術としては最高峰なんじゃないかと思うほど、映像にリアリティがあります。
この頃はまだ着ぐるみの怪獣です。
ゴジラ以外に出てくる怪獣はバラゴン、モスラ、キングギドラです。
バラゴンがタイトルに入っていないのがちょっと可哀想ですが、他の三体と比べると知名度が低いので仕方ないのかもしれません。
GBMKとなってもちょっと言いにくいですしね。
この映画、シンゴジラと並んで、シリーズの中でもかなり異彩を放っています。
というのも監督がガメラシリーズの金子修介さんだからです。
庵野監督が今までとは違うゴジラを作ったように、金子監督も今までにないゴジラを作り上げました。
この作品に出てくるゴジラは生物ではなく、戦争で亡くなった人たちの怨念の集合体です。
平和な世が続き、人々が戦争で散っていった命を忘れてしまった為に、ゴジラに姿を変えて現れたという設定です。
それに対するバラゴン、モスラ、キングギドラは護国聖獣という設定です。
古来より日本の自然を守る神々という扱いで、日本を破壊しようとするゴジラを迎え撃ちます。
決して人間の味方というわけではなく、守るのはあくまで日本の自然そのもの。
だから人間のことなんてお構いなしにゴジラと戦います。
GMKはシリーズの中でも好みが分かれる作品で、ものすごく好きという人と、ちょっと受け付けないという人がいます。
色々な理由はあれど、もっとも大きな理由はオカルト色が強いということでしょうね。
もちろんそれ以前のゴジラにもオカルト要素はあります。
超能力少女が出てきたり、小美人の祈りでモスラを成虫へ進化させたり。
しかしそれはあくまで味付け程度のもので、オカルト要素を全面に押し出しているわけではありません。
ゴジラもキングギドラも巨大生物という扱いだし、メカゴジラは科学の産物、ガイガンは宇宙人の生きた侵略兵器のようなものです。
唯一モスラは古代人の守り神みたいな設定ですが、オカルトパワーを発揮するのは小美人の祈りくらいです。
必殺技の鱗粉は霊力や神通力とは違うので、使いすぎると飛行能力が落ちてしまい、最悪は命を落としてしまいます。
対してGMKの怪獣たちは、怨霊や聖獣という設定なので、ただの生き物ではありません。
ゴジラは心臓だけになっても生きていて、怨霊の怒りが晴れるまでは何度でも復活してくるのでしょう。
それに聖獣たちは肉体を破壊されても終わりではありません。
不思議なパワーによって魂は存在し続け、最後は三位一体の霊力アタックみたいな技でゴジラを封印しようとしました。
怪獣は巨大生物なのか?
それとも怨霊や聖獣なのか?
これってかなり大きな設定の違いです。
巨大生物であるならSF映画、怨霊や聖獣であるならファンタジー映画となるからです。
この二つは似て非なるものです。
基本的にSFは科学を基盤とし、怪獣たちが有する常識外れな能力も、通常の生き物とは異なる進化の果てに得たものという設定です。
分かりやすい例だとゴジラがそうです。
古代の恐竜の生き残りが、核実験の放射線の影響であのような姿に変わってしまったからです。
核エネルギーを源とするゴジラは頻繁に原発や原潜を襲います。
なぜならゴジラそのものが巨大な原子炉であり、体内の火を絶やさない為には、核エネルギーを生み出す原料が必要になるからです。
しかしGMKゴジラは放射線の影響だけで怪獣になったわけじゃありません。
戦争によって無念の死を遂げた人たちの思念が宿り、普通の生物とは一線を画す存在になりました。
ゆえに作中では頻繁にオカルト現象が起きます。
GMKは従来のシリーズよりオカルト色が強く、すなわちファンタジーが好きな人には受けがいいのではないかと考えています。
例えばガメラはどちらかというとファンタジー寄りの特撮だと思います。
ガメラのお腹から出る特大ビームは、地球のエネルギーを借りて撃つものですから。
GMKが好きかどうかは、SFが好きなのかファンタジーが好きなのかで分かれるのかもしれません。
GMKのゴジラを好きかどうかと聞かれたら、私はそこまでではありません。
映画そのものは面白いんですが、やはりオカルト色の強いゴジラは少し戸惑いを覚えてしまいます。
ゴジラはあくまで巨大生物であり、人知を超えた力を持っているものの、生き物という設定で成り立ってきたからです。
まあそれでも面白いから見ちゃうんですけど、GMKゴジラ。
なんだかんだと言いつつも所詮は理屈、ゴジラを見たい気持ちには敵いませんから。

メカゴジラの系譜

  • 2018.05.21 Monday
  • 13:31

JUGEMテーマ:映画

JUGEMテーマ:特撮

ゴジラシリーズ最大の敵といえば二つ。
キングギドラとメカゴジラです。
メカゴジラはゴジラを模して造られた特殊なメカで、圧倒的な強さによって何度もゴジラを窮地に追い詰めました。
メカゴジラには系譜があって、大きく三つに分かれます。
昭和メカゴジラ、平成メカゴジラ、そして機龍です。
昭和メカゴジラは宇宙人が生み出した巨大ロボ。
最初はゴジラそっくりの皮をまとって、偽ゴジラとして現れました。
しかし熱線を受けて皮が剥がれ、その正体を現します。
こいつはとにかく全身が武器の塊で、バリアまで備えている恐ろしい奴です。
外観はブリキっぽさを感じるいかにもメカって感じのデザイン。
もっとも好きなメカゴジラとして挙げる人も多いです。
一度目の襲来ではゴジラに敗れ、二度目で雪辱を果たそうとするものの、これまた負けてしまいました。
どちらも良い線まで追い詰めていたんですが、この時代のゴジラは地球を守るヒーローのような役割だったので、敗北させるわけにはいかなかったのでしょう。
昭和ゴジラシリーズの中ではキングギドラに匹敵するほどの猛者です。
次は平成メカゴジラ。
VSシリーズの四作目に登場しました。
こいつは23世紀の未来の技術を使って造られました。
前々作で未来人の造ったメカキングギドラというのが出てきたんですが、ゴジラにやられて海底に沈んでいました。
その技術を応用して生み出されたのが平成版メカゴジラです。
未来の科学というオーバーテクノロジーを使用しているせいか、とにかく圧倒的な強さを見せつけました。
火力はもちろんのこと、防御面に関しても秀逸です。
全身を覆う特殊な金属のおかげで熱線を無効化することが出来ます。
それどころか熱線のエネルギーを蓄え、増幅して打ち返すプラズマグレネイド砲という強力武器まで持っています。
しかもこのメカゴジラ、ガルーダと呼ばれる巨大な戦闘機と合体できるのです。
ガルーダと合体したメカゴジラは大幅に機動力がアップし、さらに優勢になります。
そしてゴジラの第二の脳である腰の神経を破壊し、あと一歩というところまで追い詰めました。
追い詰めましたが・・・・ラドンが命を呈してゴジラにエネルギーを与えた為、パワーアップした熱線を食らってやられてしまいました。
全メカゴジラの中でもっとも火力と防御力に優れる機体であり、BGMも重厚感に溢れていてカッコイイです。
最後は機龍。
正確には三式機龍と呼ばれるメカゴジラです。
機龍は他のメカゴジラと違い、かなり特殊な造りになっています。
なんと初代ゴジラの骨を元に造られたのです。
機龍の世界では初代ゴジラ以降はゴジラが現れていない設定であり、しかもオキシジェンデストロイヤーにより溶解したゴジラの骨が、そのまま海底に残っていました。
そいつをフレームに使うことで生み出した機龍は凄まじい強さを発揮しました。
今までのメカゴジラとは違い、動きも俊敏で格闘戦もこなします。
しかしゴジラの骨を使っているせいで、ある弱点を抱えていました。
一つはゴジラの雄叫びによって動きを止めてしまうこと。
そしてそのあとに暴走してしまうことです。
機龍は完全なるメカではなく、ゴジラの骨を使ったアンドロイド的な機体です。
優れた能力を発揮する反面、完全なコントロールが難しいというリスクを抱えていました。
更には小美人(モスラと一緒にいる妖精みたいな二人組)から、機龍を海へ返すようにと忠告を受けていました。
死者を復活させて兵器にするなんて(フレームに使ったゴジラの骨のこと)、命への冒涜であると。
また機龍に引き寄せられてゴジラが現れているんだとも言いました。(これもゴジラの骨を使っている為)
機龍は一作目ではゴジラと引き分け、二作目ではゴジラを抱えて日本海溝に沈んでいきました。
まるで人間の手の届かない場所で共に眠るかのように。
かなり切ない結末でした。
昭和メカゴジラは宇宙人が侵略の為に送り込んだ完全なる悪者。
平成メカゴジラは打倒ゴジラを目指して人類が造り上げた最強メカ。
機龍は対ゴジラ用メカではあるものの、人類の手によって死の眠りから無理矢理寝覚めさせられた悲しき命。
しかも同族と戦わせられるというのがまた悲劇です。
けっこう悲しいんですよ、機龍の運命って。
私はデザインだけで言うなら機龍が好きです。
しかし強さを感じたのは平成版メカゴジラ。
そして総合面では昭和ゴジラが一番かなと思います。
完全な悪役っていうのが良いです。
見た目も悪そうな感じだし、全身武器の塊で、しかも最初は偽ゴジラとして地球人を欺こうとする狡猾さ。
しかもその正体を最初に見破ったのはアンギラスという怪獣です。
人の方がすっかり騙されていたというわけです。
色んな意味で映画を盛り上げる最高の悪役ですよ。
ダイの大冒険で言うならフレイザードのような感じですね。
感傷や情けは一切持たず、ただただ主人公を苦しめる悪役です。
こういった徹底した悪役って大事ですよ。
清々しいほどの悪者だからこそ、より主役が引き立つんです。
でも結局はどのメカゴジラが好きかは好みの問題だと思います。
キングギドラと並ぶゴジラの永遠のライバル、メカゴジラ。
その系譜を辿ってみると、ゴジラと同じく時代によって在り方を変えています。
そういう意味ではメカゴジラもまたある意味生き物かもしれないですね。

赤いあいつ レッドマンこそ人類の味方

  • 2017.07.13 Thursday
  • 08:07

JUGEMテーマ:特撮

レッドマンという特撮ヒーローがいます。
ネットでは有名なので、ご存じの人も多いかもしれません。
どうして有名になったのかというと、あまりに残虐な戦いをするからです。
レッドマンの武器はパンチ、キック、レッドナイフ、レッドアローです。
他にも必殺技を持っていますが、このいずれかで怪獣を倒します。
放映時間の都合上、細かいストーリーや説明は一切ありません。
いきなり怪獣との戦闘から始まります。
どんな戦い方をするかというと、とても簡単。
「ボコってから刺し殺す」
まず徹底的にパンチやキックを浴びせます。(この時点で絶命する怪獣もいます)
そして弱った所にレッドナイフやレッドアローでトドメを刺すんです。
その刺し方がかなりエグイです。
ヒーローらしからぬ、とてもシンプルで無駄のない動きで刺すんです。
必殺技を叫びながら、眩いエフェクトなんてありません。
しっかりと武器を構え、相手に突進して、体重を乗せて刺します。
刺すというより刺殺です。
それも一回では終わりません。
徹底的に刺します。
怪獣が息絶えるまで何度でも。
そして倒した後でも、まだ戦いは終わりません。
ちゃんと死んでいるかチェックするんです。
複数の怪獣を倒した時は、一匹一匹ちゃんと確認して回ります。
ファンの間ではレッドチェック(死亡確認)と呼ばれています。
だけどレッドチェックはまだいい方です。
酷い時なんか、すでに絶命した相手を、レッドアローで串刺しにします。
それもレッドアローが曲がってしまうほど。
もっと酷いのもあります。
倒した怪獣を引きずっていき、谷の上から投げ落としたことあります。
通称レッドフォールです。
冷酷です、徹底しています、怖いです。
だけど設定上では「平和を愛する男」となっています。
「どこがやねん!」とツッコミたくなりますが、実はその通りのヒーローなんですよ。
というのも、レッドマンって絶対に市街地では戦わないんです。
戦闘はもっぱら岩場とか荒野です。
ゆえにレッドマンによる人的被害はゼロです。
どんなに激しく戦おうと、人間の街は壊されないし、人間は死なないですむんです。
他の巨大ヒーローは平気で市街戦をやります。
怪獣を止める為とはいえ、未だ人が残っている場所でも戦います。
街も壊れるし、人も死にます。
こう言ってはなんだけど、ウルトラマンは確実に何人か人を死なせているはずです。
もちろん故意ではないですが、犠牲者はいるでしょう。
なんたって市街地で怪獣とどつき合うんですから。
それに比べてレッドマンは、決して市街戦をやりません。
下手に戦えば余計に被害が大きくなるからです。
だから怪獣が街から出てきたところ、もしくは街へ向かう前に仕留めていることになります。
怪獣には容赦ないけど、人間には優しいんですよ、レッドマンは。
平成に入ってからのウルトラマンは、怪獣と共存だとか、悪くない怪獣は殺しちゃいけないなどと言っています。
ハッキリ言いましょう、ちゃんちゃらおかしいです!
例えば現実の世界で考えてみて下さい。
アライグマをよく知らない人は、「アライグマ可愛い」と言います。
しかしいざ日本に定着し、悪さを働こうものなら、途端に「駆除しろ!」に変わります。
怪獣も同じです。
「優しい怪獣かもしれない」とか「共存できるかもしれない」とか、理想を言うのは簡単です。
しかし少しでも人的被害が出れば、「怪獣殺せ!」に変わるでしょう。
自分にとって痛みがないから「怪獣を守れ」などと言うわけです。
もし人間に被害が及んだ時、怪獣を守ろうとしたウルトラマンは真っ先に責められるでしょう。
「甘っちょろいヒューマニズムなんてふりかざさずに、とっとと倒しておけばよかったんだ!」と。
その時ウルトラマンは、いかに人間が勝手な生き物か痛感するでしょう。
「怪獣を守れと言ったのは人間だろう・・・・」と。
ヒューマニズムを考慮していては、怪獣と戦えないですよ。
現実の世界でも一緒です。
ハンターほど熊の怖さを知っています。
山の中で暮らしている分にはいいんですよ。
だけど市街地に出てきたら「ズドン!」と仕留めるわけです。
レッドマンも同じです。
自ら怪獣の星に乗り込んで、怪獣を絶滅させようとはしません。
あくまで地球にやってきた怪獣を仕留めているだけなんです。
レッドマンの頭の中には、過去一万年分の怪獣の引き起こした事件、および怪獣の名前が記憶されています。
その膨大なデータによって、「怪獣は地球にとって脅威となる」と判断したわけです。
人間は怪獣のことを知りません。
だけどレッドマンは怪獣のことを知り尽くしています。
どちらの判断が正しいか、火を見るより明らかです。
仮に人類に友好的な怪獣がいたとして、地球で共存したとしましょう。
しかしそれは、地球の環境にとってはいいことなのか?
人は食べられないからいいけど、その他の生き物にとっては大迷惑でしょう。
もしも地球に人類以上の高等生物がいたとして、私たち人類はそれに従う立場だとしましょう。
ある日、他所の星から怪獣がやって来て、地球に住むことになりました。
その怪獣は高等生物には友好的だけど、人類のことは餌にしてしまう。
だけど地球を仕切る高等生物が許可した以上、私たちは餌になることを我慢しなければなりません。
そうなったらたまったもんじゃありませんよ。
怪獣が地球に住んでいいかどうかは、人類に友好的かどうかだけで決められないんです。
この辺も含めて、レッドマンは怪獣を退治するかどうか決めているんでしょう。
なんたって過去一万年分の怪獣のデータがあるんですから。
一見すると残酷なレッドマン。
一見すると優しい平成ウルトラマンたち。
でもそれは表面上の姿かもしれません。
どちらがより人類にとってありがたい存在か?
レッドマンこそ人類の味方です。

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