第一話 僕の勘がそう言っているのさ

  • 2010.04.03 Saturday
  • 23:45
 雨の日のニューヨークは鬱蒼としていてベッドから抜け出すのも気分が躊躇われるというものだ。
俺は嫌がる体を無理矢理叩き起こし、コーヒーメーカーをセットして顔を洗う。
「昨日の酒が過ぎたかな。ひどい顔だ。」
鏡に映った自分の顔を見て思わずそう呟き、ベッドの脇に置いてあるケータイを確認する。
「寂しいあなたに出会いの予感!欲求不満な人妻が寂れた心を隅々まで癒します!」
下らない出会い系のメールに俺は辟易とし、その他のメールを確認する。
「やあ、モルダー、スキナーだ。例の件だが星があがりそうだ。急いで打ち合わせをしたいのですぐに連絡をくれ。」
朝っぱらの出勤前に仕事の電話をする気にはなれず、俺はコーヒーメーカーからまだ目が覚めない体にカフェインを供給する。
窓の外は憎たらしい雨が降り続いていて、背伸びをしてみても心は晴れない。
俺は頭を掻きむしり、とりあえず服を着替えて出かける準備をした。
安物のオーデコロンを体に吹きかけ、剃り忘れた髭を手で擦りながら玄関のドアを開ける。
その時ふと嫌な予感がした。
そう、まるで一筋の闇が心をかすめるように。
俺はポケットのケータイを手に取り、素早くボタンをプッシュした。
何回かベルが鳴った後、聞きなれた彼女の声が出た。
「やあスカリー、事件だ。」
「またなのモルダー。」
「僕の勘がそう言っているんだ。」
俺は力強く、そして落ち着いて彼女に言った。
「あなた疲れてるのよ。」
「僕は大丈夫さ、君の方が心配だ。」
しばらくの沈黙が続いた後、彼女はこう答えた。
「やっぱりあなた疲れてるのよ。」
電話は途切れ、無機質な音が空し響く。
俺は先ほどの出会い系のメールに返信しかけたが、一度首を振って部屋に戻りもう一口コーヒーを流し込む。
そしてまたケータイプッシュし、スキナーに連絡をとる。
「やあスキナー、今日は痔の調子が良くないんだ。悪いが出勤は出来ない。」
電話機の向こうでスキナーが唸る。
「まあ痔なら仕方がない。食ったものが出なくなっては困るからな。今日はゆっくり休むことだ。」
俺は電話を切り、再びベッドに戻って眠りについた。

                                        第一話 完

Xファイルネタのパロディ小説

  • 2010.04.01 Thursday
  • 18:00
 ある友人の要望によりXファイルネタのくだらない小説を書こうと思うます。
不定期の投稿になると思いますし、下らないと感じる方もいらっしゃると思いますが、しばしお付き合いを。
次回よりスタートします。

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