カメラは見ている
- 2016.07.06 Wednesday
- 12:14
JUGEMテーマ:自作小説
茶髪の若い男性、冷蔵庫からビールを二本取り出す。
そのうちの一本を自分のバッグに隠す。
店員は気づかず、万引きを許してしまう。
ガソリンスタンド AM.1:32
店の前で軽ワゴンとスクーターが衝突。
スクーターの運転手は道路に投げ出されて重体。
軽ワゴンは猛スピードでその場を立ち去る。
ホテルの入り口から女性客が入って来る。
その後ろにはもう一人女性がいるが、フロントの人間は後ろの女性には見向きもしない。
また最初に入ってきた女性客も、後ろにいる女性にまったく気づかない。
一人分の予約を済ませ、部屋まで向かう。
その後ろをもう一人の女性が追いかけていく。
サングラスと目指し帽を被った人物が、門を乗り越えて校内に侵入。
脇には大きなバッグを抱えている
30分後、急ぎ足で戻って来る。
そして門を乗り越え、どこかへ逃走。
脇に抱えていたバッグは持っておらず。
同日のAM.9:00
学校に爆破予告の電話が掛かってくる。
冥王星付近を映していたカメラに、不規則な動きをする物体が映る。
しばらく冥王星の近くを浮遊した後、二つに分裂。
その数分後にカメラから消える。
残業で遅くなると妻に言った男性が、若い女性と食事をしている。
一時間ほど後、連れだって店から出る。
その数分後に、近くにあるホテルのロビーに現れる。
同じ部屋を予約し、翌日のAM.6:00にチェックアウト。
陸橋に立っていた若い女性が、電車から降りてきた若い男性を突き落す。
女性は線路の傍へ降りて、カメラを構える。
突き落された男性は女性の元へ行き、何かを話しかける。
女性は線路に向けてシャッターを切った後、カメラを男性に渡して立ち去る。
購入したパソコンを起動させると、画面に自分の写真が大量に表示される。
女性はカナヅチでパソコンを破壊。
その数日後、精神を病んで入院。
営業を終えた店内で、男性スタッフ二名が残業。
すると裏口から鍬を持った老婆が侵入し、二人のスタッフを撲殺。
死体を引きずり、店から消える。
翌日、別の場所で若い男性の遺体が発見される。
亡くなっているのは自宅で、頭を鈍器のような物で割られていた。
布団の傍には二眼レフカメラが置かれていた。
サッカーボールを追いかける少年が、トラックに撥ねられる。
トラックの運転手は逃走。
その翌日、事故の瞬間を収めたカメラが決め手となり、トラックの運転手を逮捕。
決め手となったそのカメラは、亡くなった少年の机の上に置かれていた。
学校の傍にある地蔵が、カメラを持って入るのを見たという生徒がいるが、真偽は不明。
マンションにある公園内で、主婦と学生が揉める。
数分後、SNSにその動画が投稿される。
マンションの五階から、一連の出来事を盗撮していた男性の元に、学生と揉めていた主婦が現れる。
その二日後、盗撮を行っていた男性は、別のマンションへ引っ越す。
盗撮を行っていたカメラは、ゴミ袋に入れて破棄した。
大きな一つ目の生き物が、ゴミ袋を破って現れる。
小さな足を動かしながら、もぞもぞと外へ這い出た
以前の飼い主は、引っ越しの際に自分を捨てていった。
ゴミ袋を抜け出すと、そこは見知らぬ場所。
周りに人はおらず、ズームを使って遠くの風景を映し出した。
「・・・・・・・・。」
人間は二つの目を持っているが、もう一つ目を欲しがる人間もいる。
カメラという目を・・・・・。
大きな一つ目の生き物は、のそのそと歩き出す。新たな飼い主を求めて・・・・・。
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