自分のせい
- 2019.02.17 Sunday
- 12:19
JUGEMテーマ:詩
かじかむ手で犬を撫でる
はしゃいた犬の牙が指に当たる
寒さに赤く痺れた手は 痛みを何倍にも伝えてくる
ズレたハーネスを直してやると 今度は爪が掠めた
犬は尻尾を振る 主人の痛みなんてお構いなしに
俺は首を振る 痛いから遊んでやれないと
犬は手提げ袋に首を突っ込み ボールを咥える
そいつを俺の足元に落とし また尻尾を振る
俺は無言でボールをしまい リードを引いて歩き出す
振り返った犬の表情は寂しい
いつからだろう
寒いからと 犬の誘いに無邪気にこたえられなくなったのは
見渡す川原は殺風景で どこにも感動がない
いっそのこと雪でも降れば童心に還れるんだろうか
あれはいつだったか 土手の上まで白く染まったことがある
あの頃は雪が降っていなくてもボールを投げていた
冬のせいじゃない 景色のせいじゃない
自分のせいだ
- 詩
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