画家の生き様

  • 2015.03.25 Wednesday
  • 12:09
JUGEMテーマ:芸術
その昔、画家は芸術家であると同時に、職人でもありました。
王族や貴族に抱えられ、肖像画や宗教画を描いて生計を立てていました。
いわゆるパトロンてやつですね。
この時代の画家って、描くこと=生きることだと思います。
それは抽象的な意味じゃなくて、飯を食う為の具体的な方法です。
絵が得意だから、それを活かして飯を食う。
自分の内面の表現というよりかは、以来されて商品を創り、その対価を頂くことで生活していたわけです。
時代が下がると、画家は貧困を極めました。
王族や貴族の時代から、民衆の時代へと様変わりしたからです。
この時代、王族は滅び、貴族もかつての裕福は生活は送れません。
だから画家を抱える余裕などなくなり、かといって民衆が画家のパトロンになってくれるわけでもありません。
絵を描いて飯を食うことが、非常に困難になってしまったわけです。
しかし多くの画家は描くことを諦めませんでした。
というより、この時代になって初めて画家は自由を手に入れたのかもしれません。
なぜなら王族や貴族にお伺いを立て、ビクビクと絵の内容を変更する必要がないからです。
描きたいものを描く。
絵は商業から離れ、真の芸術の世界へと羽ばたくことが出来ました。
だけどそれと同時に、飯を食うことには困ります。
一部の画家は存命中に成功を収めていますが、ほとんどの画家はそうではありません。
最も偉大な画家の一人であるフェルメールも、旅館の親父をしながら絵を描いていたそうです。
だけどあの人の絵は凄いから、描いたものは存命中に売れました。
それだけでも幸せですよね。
それに比べて、印象派の画家は悲惨な思いをしています。
モネは成功を収めましたが、ゴッホやゴーギャンは貧困の極みでした。
そもそもこの二人は、自分の描いた絵で生計を立てようとしていたのかどうか、かなり怪しいと思います。
ゴーギャンは絵が儲からないことを知っていたでしょうし、ゴッホはずっと弟の世話になる暮らしをしています。
表現・・・という意味では一流の二人ですが、じゃあ大昔の画家のように依頼されて商品ベースのものを創れと言われたら、おそらく何も出来ないでしょう。
特にゴッホはそう思います。
食えない、売れない、儲からない、そして評価もされない。
画家が一流の職人だったのは昔のことで、惨めな思いを強いられる生活が続きます。
だけど描くことだけはやめない。
仕事を探すわけでもなく、暮らしが楽になるように努力をするわけでもなく、ただただひたすら描く。
これぞ画家の鑑ですね。
そしてこれぞ画家の生き様です。
儲かるから描く、売れるから描く。それはイラストレーターの仕事です。そして漫画家の仕事です。
商業がベースにあるこの二つは、世に必要とされてなんぼです。
でも絵画は違います。
周りに必要とされようがされまいが、売れようが売れなかろうが、ただひたすら描く。
病気のように、とり憑かれたように・・・・。
それが画家です。
画家の生き様は、まさに描くことにあります。
絵を描くことが人生。それはかつての画家のような、生計を立てる手段ではありません。
自分は絵を描く為に生まれてきたんだという、揺るぎない信念のことを指します。
貧乏で、惨めで、周りから必要とされるわけでもない。
だけどそれでも絵を描き続ける画家の生き様は、涙が出そうなほど高潔であると思います。

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