グレイヴ&リーパー〜墓場の王〜 第七十六話 災害になる二人(2)

  • 2016.04.15 Friday
  • 13:47
JUGEMテーマ:自作小説
河童モドキに投げた刀が撃ち落とされる。
緑川は落ちた刀を睨みながら、ゆっくりと後ろを振り返った。
『沢尻・・・・・・・。』
「・・・・・・・・・・。」
二人は睨み合い、無言の中に幾つもの言葉を交わした。
しかしそのどんな言葉も口にせず、絡みつくような殺気だけが二人を満たした。
沢尻は拳銃を抜き、それを緑川に向ける。
そして彼の隣には東山もいた。刀を撃ち落としたのは彼で、小銃を握りしめている。
緑川は彼らを睨んだまま、ゆっくりと首狩り刀を引き寄せた。
すると河童モドキがまた粘液を吐き、首狩り刀を絡めとる。
刀はべっとりと濡れて、地面に張り付いてしまった。
『・・・・・・・・・・・。』
緑川は髑髏を一つ千切り、それをナイフに変えようとした。
しかしその瞬間、千切った髑髏は、ゆっくりとペケの頭へ吸い込まれていった。
『忘れたか?刀から離れた髑髏なら吸い取ることが出来るってことを。』
『・・・・・・・・・・・・。』
緑川は刀から手を放し、ズボンの後ろに隠した匕首を握ろうとする。
すると今度は東山が『動くな』と言った。
『じっとしてろ。動いたら撃つぞ。』
『・・・・・・・・・・・・。』
そう言われて匕首も放し、大人しく両手を挙げた。
前には河童モドキと化け物の群れ。後ろには沢尻と東山。
逃げ場は無くなり、武器を使うことも許されない。
この状況で出来る事はたった一つ。「向こう」へ逃げる事だけだった。
緑川は『仕切り直しだな・・・・』と呟き、陽炎のように消えようとする。
すると沢尻が「無駄だ」と言った。
「どこにも逃げ場はない。「向こう」へ行ったところで、自衛隊に囲まれるだけだ。」
『・・・・・・・・・・・・。』
「今度は大部隊だぞ。陸にも空にも逃げ場は無い。お前が「向こう」へ行った瞬間、山ごと焼き払うつもりだ。」
『・・・・・・・・・・・・。』
「逃げる事も出来ない。戦う事も出来ない。もう終わりだ。」
沢尻はゆっくりと近づき、彼の眉間に銃を当てた。
カチリと撃鉄を起こし、引き金に指を掛ける。
そして緑川の全身を見渡し、「化け物のまま死ぬなんてな・・・・」と呟いた。
「そんな醜い姿のまま、お前は死ぬんだ。人間に戻れるチャンスは何度もあって、でもお前はそれを不意にしてきた。
問題なのは見た目じゃない。お前の心が腐ってるってことだ。でも今さら何を言ったところで意味はない。だから・・・・そういう風に生まれてしまったという事を、呪うしかない。」
そう言って、ほんの少しだけ寂しそうに眉をひそめた
「俺とお前は似ているが、これでも俺は一応人間だ。でもお前は芯から人間とは違う・・・・・本物の死神だよ。」
沢尻の目、緑川の目、二つの目が弾丸のような視線を飛ばし合い、空気が濁るほどの殺気が漂う。
沢尻は無言のまま睨みつけ、引き金の指に力を入れる。
その瞬間、緑川は舌の毒針を伸ばし、沢尻の心臓を打とうとした。
しかし東山が銃を撃ち、その毒針を砕く。河童モドキも粘液を放ち、完全に緑川を絡めとった。
『・・・・・可哀想に。』
そう言って、沢尻は引き金を引いた。
銃口が火を吹き、一発の弾丸が放たれる。
その弾丸は緑川の頭に穴を空け、後頭部にまで貫通した。
『・・・・・・・・・・・。』
空いた穴から血が流れ、大きな複眼を伝っていく。
赤い滴がポタポタと落ちて、膝の上に垂れていった。
『・・・・・可哀想なのは・・・・みんな・・・同じだろ・・・・・・、』
そう言い残し、緑川は項垂れる。
がっくりと首を垂れ、力が抜けて動かなくなる。
赤い滴はまだ垂れていて、小さな血だまりが出来る。
筋肉が緩んで失禁し、血だまりと混ざって滲んでいった。
「・・・・・・・・・・・。」
沢尻は銃を向けたまま、しばらく睨みつける。
そしてそっと手を伸ばし、彼の頸動脈に手を当てた。
「・・・・・・・終わった。」
悲しそうに、切なさそうに言い、銃をしまう。
夜明けの死神、緑川鏡一。もはや彼の魂はここにはない。
沢尻は立ち竦み、もう一度「終わった・・・・」と呟いた。
緑川が死んだことを見届けると、河童モドキは奇声を上げた。
横に立つのっぺらぼうに手を伸ばし、自分の頭を受け取る。
『黒い太陽が、「こっち」の世界を維持する。この山に巣食う妖怪とUMAは、今後二度と「向こう」に関わることはない。お前たちが手を出さなければの話だけど。』
そう言って頭に爪を立て、ゆっくりともぎ取る。
『もう守り神はいない。ペケは死に、黒い太陽も「こっち」を維持させるために燃え尽きる。これからは自分たちの手で住処を守らないと。ずっとこの夜が終わらないように。』
ペケの頭を完全にもぎ取り、元の頭に戻す。そして『グェッ』っと一声鳴くと、踵を返した。
丸い甲羅を揺らしながら、亀池山の頂上から去っていく。化け物の群れも、それを追いかけるように去っていった。
長い長い行列が、連なる山々を行進していく。それは来た時と同じように、百鬼夜行の絵巻にそっくりだった。
「夜は終わらない・・・・か。これかさら先、「こっち」はずっと暗いままのかもな。」
東山は空を見上げ、構えていた銃を下ろした。
「・・・・・終わったな。」
沢尻にそう語りかけると、何も答えなかった。
絶命した緑川を睨んで、ただ立ち尽くしている。
それを見た東山は、彼が感傷に浸っているのだろうと思った。
緑川は憎き敵だったが、それと同時に双子のような共通性を感じていたはずだ。
ここで死んでいるのは、果たして緑川か?それとも自分か?
自分が死に、緑川がこうして見下ろしていたとしても、それは何ら不思議な事ではないのではないか?
沢尻の横顔からは、そんな哀愁が感じられた。
東山は話しかけるのをやめ、彼の後ろに下がる。
死んだ緑川、生きている沢尻。その対比が奇妙に嘘っぽく感じられ、この光景はどこか間違っているのではないかと思った。
緑川は確かに死んでいる。眉間を撃ち抜けれ、後頭部が弾け飛んでいる。
そして沢尻は生きている。じっと立ち尽くし、緑川を見下ろしている。
「・・・・・・・・・・・。」
この二人を見れば見るほど、やはり違和感が強くなった。
そしてとうとう我慢できずに「なあ?」と尋ねた。
「その・・・・俺が見ているこの光景は、幻なんかじゃないよな?なんだか奇妙な感じがするんだが・・・・、」
そう尋ねると、沢尻は小さく頷いた。
「・・・・・俺もだ。」
そう言って肉挽き刀を振り上げ、緑川を切り裂く。
すると彼の身体ははふにゃふにゃとへこんでしまい、その場に崩れ落ちた。
「おい!これは・・・・・、」
東山は驚きを隠せずに駆け寄る。
沢尻は膝をつき、ふにゃふにゃに倒れた緑川の身体に触れた。
「中身が無い・・・・これはただの皮だ。」
「皮・・・?」
「ああ。」
「どういう事だ?ただの皮って・・・・、」
「・・・・おそらくだが・・・・脱皮だろう。」
沢尻は緑川の皮を摘まみ、それを裏返して見せた。
「これ・・・・よく見ると透けてるだろう?月明かりに当てると分かるはずだ。」
「・・・・・ああ。わずかに透けてるな。」
「虫の抜け殻なんかも、こういう感じで透けて見える。それに・・・・ここ。この頭の部分。」
穴の空いた眉間の部分を指さすと、そこにはべっとりと血が付いていた。
「かなりの血が流れてる。」
「そりゃあ当然だろう。撃たれたんだから。」
「ならどうして中身が無い?頭から大量の血が流れるってことは、中身が傷ついていないとおかしいだろう。」
「ああ・・・確かに・・・・、」
「もし・・・・もしも緑川が脱皮をして逃げたんだとしたら、俺たちは罠に嵌められたって事だ。」
「罠・・・・?」
「脱皮をして逃げたのなら、血が流れるはずがない。」
「それは・・・・・脱皮が間に合わなかったとか?」
「何を言ってる。これはただの皮だ。中身なんてどこにもないぞ。」
「・・・・・そうだな。ならその血はいったい・・・・、」
「フェイクだ。」
「フェイク?」
「この血自体は緑川のものだろう。しかしこれはあらかじめ用意していた物だ。」
「だからどうしてそんな事を・・・・、」
「自分が死んだと思わせる為だ。そうすりゃ俺たちは満足して帰る。現に化け物どもは去ってしまったからな。」
「・・・・要するに、俺たちや化け物の目を欺くために、わざわざ血を用意してたってのか?」
「ああ。それが咄嗟に用意した物なのか?それとも戦う前から用意していた物なのか?それは分からないが、おそらく前者だろう。
あいつは追い詰められ、この状況をどうにかしなければと思ったはずだ。」
「それでフェイクの血を用意したと?」
「アイツは頭も回るし、器用な事も得意だ。そうだな・・・・多分毒針で血を吸い上げ、それを頭のの中にでも溜め込んでいたんだろう。」
「いや、しかしどこにも毒針なんて刺してなかったじゃないか。」
「中から刺せば済むだけだ。あいつは一言も喋らずに俺を見ていやがった。お喋りなアイツにしちゃおかしいと思ったんだ。」
「だったら・・・その黙ってる時に自分の血を吸い取り、脱皮がバレないように細工をしたって事か?」
「ああ。」
沢尻は頷き、緑川の皮を捨てた。
「昨日天文台でコイツと戦った時、小さく縮みやがった。」
「縮む?」
「アチェと同じくらいの大きさにな。確かアチェも大きさを変える事が出来たはずだ。小さくなったり、人間大になったり。
だから同じモスマンである緑川も、そういう事が出来る。」
「なるほど・・・・。しかし脱皮まで出来るもんなのか?アチェはそんな事をしていたか?」
東山は怪訝そうに尋ねる。
沢尻は眉を寄せ、やや躊躇いながら答えた。
「・・・これは単なる想像だが、緑川はUMAになって間もない。ということは、これから成長を重ねて成体のモスマンになるんだろう。
だったらその過程で、脱皮をしたとしてもおかしくない。」
「理屈は分かるが、しかし想像の域は出ないな。」
「だからそう前置きしただろう。しかしそう推察出来る根拠はある。」
「根拠?」
「アチェは大きさを変えるだけでなく、蛾の化け物に変身出来ただろう?」
「ああ、人よりデカい蛾にな。」
「あの巨大な蛾の姿こそ、彼女の正体だ。彼女はUMAになって長い。その間に脱皮を繰り返して成体になり、化け物みたいな蛾に変身することが出来るようになったとしたら?」
それを聞いた東山は、「それはつまり・・・・緑川の奴も・・・・?」と慄いた。
「いずれそうなるだろう。まあ俺の仮定が正しければの話だが。」
空気が抜けた風船のような緑川を睨み、「あいつは生きている」と言った。
「今のは仮定の話だが、しかし緑川は確実に生きてるぞ。」
「だな・・・・・。でなけりゃ皮だけ残ってるはずがない。」
「問題はどこへ逃げたかだ。首狩り刀はここに残してあるが、その気になればいつでも取り戻せる。」
「ならもう一度化け物どもに協力してもらわないと。今ならまだ遠くへ行っていないはずだ。」
そう言って菱形の鏡を取り出すと、沢尻は「無駄だ」と首を振った。
「どうして?まだ生きてるのなら、化け物にも協力してもらった方が・・・・、」
「今更遅い。あいつを仕留める作戦は失敗したんだ。また化け物と手を組んでも、同じように追い詰めるのは無理がある。」
「しかし・・・・、」
「ここまでアイツを追い詰めることが出来たのは、アチェがお膳立てをしてくれたからだ。今から同じようにしたところで、もうアイツは引っかからないさ。」
「・・・・・なんてこった。せっかく仕留めたと思ったのに。」
東山は悔しそうに舌打ちをする。近くの草を蹴り飛ばし、「結局何も出来なかったってわけだ」と吐き捨てた。
「なあ沢尻、これは俺たちの敗北だぞ。アイツを見失うってことは、いつまた殺しを始めるか分からないんだからな。誰も安心して眠れなくなる。」
「そうだな。だからこの事実は伏せておこう。アイツはくたばったって事にしておけばいい。」
「事実を隠蔽しようってのか?」
「俺がそうしなくても、お偉いさんたちはそうするだろうさ。」
「・・・・・胸糞悪いな。それじゃ表立って緑川を追うことも出来なくなる。ますますアイツの好きにさせちまうだけじゃないか。」
小銃を構え、「さっさとコイツをぶち込んでやればよかった」と後悔した。
「さっさとこいつを浴びせりゃ、その時点で終わってた。何をボケっとしてたんだか・・・・、」
「今更嘆いても仕方ない。とりあえず戻ろう。」
そう言って歩き出すと、東山は「やけに落ち着いてるな?」と尋ねた。
「あの死神を仕留めそこなったんだぞ?次はまたいつ現れるか分からない。お前は焦らないのか?」
「まあ・・・・確かにしっくり来ない結末ではあったかもな。」
「おいおい・・・・結末ってどういうことだ?まだ何も終わってないぞ?」
「いや・・・・もう終わりだよ。アイツを仕留めるチャンスはもう無い。これは断言できる。」
「どうして?」
「アチェがいない、ミノリがいない、ペケがいない、ケントがいない。そして・・・・・王がいない。もうあいつに敵と呼べる存在はいない。
おそらく「こっち」で最強の生き物だ。もうアイツを脅かす存在はどこにもいない。」
「何を言うんだ。まだお前もいるし、自衛隊や警察だって・・・・、」
「殺されるよ。」
「何?」
「俺たちは羊だ。たまに狼みたいな奴もいるが、アイツはもっと強い生き物だ。だからノコノコ挑んでも殺さるだけだ。」
「しかし・・・・また仕留められるチャンスが来るかもしれない。それに俺たちは羊じゃなく、狼の部類だろう?
強い者同士が手を組めば、より強い者にだって勝てる。」
「そうだな。でもあの河童モドキが言った事を忘れたか?」
そう尋ねられて、東山は眉を寄せた。
「河童モドキはこう言ったんだ。もう「向こう」に関わる気はないと。だったらお前のパートナーだって、二度と俺たちに関わることは無くなるだろう?」
そう言われて、東山は「あ・・・・」と呟いた。
「お前と組んでるドッペルゲンガーも、俺たちを「向こう」へ運べばさよならだ。だから・・・人間が「こっち」に来ることは二度とない。」
「いや、それならまた化け物に協力を頼めば・・・・・、」
「それは出来ない。」
「どうして!?」
「河童モドキは警告のつもりで言ったんだ。自分たちはもう人間に関わらない。だからお前たちも「こっち」に関わるなと。
黒い太陽のせいで、「こっち」はずっと夜のままだろう。それはつまり、「こっち」が完全に化け物の住処になるってことだ。
だったらもう人間には入って来てほしくないのさ。下手に手を出せば、今度は人間と化け物の戦争になる。」
「自分勝手な・・・・・、」
「そうか?」
「そうだろう。緑川を仕留めるのに、俺たちは協力し合った。それは俺たち人間だって、「こっち」を守るのに貢献したって事だ。
なのにあの河童モドキの警告は、あまりに一方的過ぎるんじゃないか?」
「・・・・なら聞くが、もし人間の住処に化け物が入って来たらどう思う?俺たちはそれを見過ごすのか?」
沢尻は鋭い眼光を向ける。東山もその眼光を押し返すが、何も答える事が出来なかった。
「人間と化け物は、根っこから異なる存在だ。だから互いに干渉すれば、良い結果にはならない。
俺たちの世界に化け物が来てほしくないように、化け物も「こっち」へ人間が来てほしくないのさ。
だからもう二度と「こっち」へは来られない。」
「・・・・・・・・・・・。」
そう説明されて、東山は憮然と黙り込む。
なぜなら二度と「こっち」へ来られないという事は、二度と緑川を追い詰めるチャンスを失うという事だからだ。
いくら人間の世界で暴れても、「こっち」へ逃げられたら手の出しようがない。沢尻の言うとおり、もう彼を追う事は出来ないのだと知る。
「あの河童モドキは・・・・・緑川が生きてる事を知らない。しかし知ったところで、もう人間に協力はしないか?」
「おそらくな。奴は最後に言っていただろう。もう守り神はいない。これからは自分たちの手で住処を守ると。
もう人間を介入させないつもりなんだ。なぜなら今の「こっち」の世界は、ずっと夜が続く、化け物の為の世界だからだ。
いつだって夜が明けない、光の射さない世界。それを人間に触れさせたくないんだろう。」
「・・・・・・・・・・。」
「妖怪とUMAの争いが終わり、ようやく共存の道を築いた。それは自分たちの本当の居場所を手に入れたってことだ。よそ者はお呼びでないさ。」
「しかしまだ緑川がいるのに・・・・・、」
「今のアイツはUMAだからな。「こっち」で問題を起こしたとしても、それは自分たちの問題として処理するつもりなんだろう。」
「なんか・・・・・釈然としないな。というかまったく納得できない終わり方だ。」
「だから言っただろう?しっくり来ない結末だと。」
沢尻は小さく笑い、「もう帰ろう」と言った。
「残念だが、この件はここで終わりだ。死神は健在、いつまた襲って来るか分からない。」
「しかし世間にそれを公表する気はないと?」
「してどうなる?仕留めるのが無理な死神がうろついてると知ったら、誰も安眠出来なくなるぞ?」
「実際に安眠出来ない状況だろうが。しかし・・・・・お前の言う通りだ。これ以上奴を追えない。」
「お前も変わったな。前なら熱血漢丸出しで食ってかかって来たのに。」
可笑しそうに言うと、「それで状況が変わるならやってる」と言い捨てた。
「しかしいくら食ってかかっても、無理なもんは無理だ。」
「そう・・・無理なんだよ。あの男はもう天災と一緒だ。地震だの雷だの竜巻だの、そういうのと一緒なんだよ。
来る時は来るし、防ぎようもない。まるでイナゴの大群みたいに、自然の脅威を相手にするようなもんだ。
そう考えると、不思議と焦らなくなる。あいつがいなくたって人は死ぬんだ。地震や竜巻と同じと思えば、それは仕方ないと受けれるしかないからな。」
そう言ってから、「あいつはもう人間じゃない」と続けた。
「身も心も人じゃないんだよ。いや・・・・あるいは生まれた時からそうだったのかもしれない。
手を差し伸べれば変わるかもしれないと思っていたが、それは甘かった。改心も駆除も無理な、ただの災害なんだよ。」
「こっち」に瞬く星空を見上げ、「アイツは俺たちの知らない所からやって来た、宇宙人だったりしてな」と笑った。
東山は「かもな・・・」と頷き、菱形の鏡を見つめた。
背後にぬらりとドッペルゲンガーが現れ、「頼む」と頷きかける。
不気味な黒い影のUMAは、大きく口を開けて二人を飲み込んだ。
そして「向こう」へ着く前に、初めて語りかけてきた。
たった一言、『サヨナラ・・・』と。

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>

GA

にほんブログ村

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM