古いと趣の違い

  • 2016.08.25 Thursday
  • 11:32

JUGEMテーマ:アート・デザイン

古いと趣。
その違いってどこにあるんでしょうか?
陶器には備前焼というのがあって、土の色をそのまま生かすのが特徴です。
色の出る釉薬は塗りません。
ただ土の色です。
備前焼って土だけだから、時間と共に変色していくそうです。
最初は味気ない茶色でも、時間と共に良い味を出していく。
普通なら変色した器や花瓶なんて捨てられてしまうけど、備前はそうじゃありません。
変色してこそ価値があります。
歴史的な建造物だって同じです。
長い時間をかけて、朽ちたりヒビが入ったりツタが巻き付いたり。
そういうのが時間の経過を感じさせて、歴史好きにはたまらない味を出すのでしょう。
古くなった建物だって、普通なら取り壊されます。
だけど今でもちゃんと残っているのは、古いという事に価値を置いているからです。
これは趣です。
古くなったものを見て、そこに思いを馳せたり、時間が刻んだ色を楽しんだり。
でも全てのものに趣があるわけじゃなくて、安いプラスチックのコップなんかは捨てられてしまいます。
民家やアパートだって古くなれば取り壊されるでしょう。
趣に必要なのは、ただ古いってことじゃないのでしょうね。
時間と共に美しくなるとか、時間を刻んだからこそ出せる面白味とか、そういったプラスαが必要なんでしょう。
そう考えると、安くて壊れにくて使いやすいものほど、趣は見出してもられないのだろうと思います。
安いカップ、安い皿、安いアパートや家。
そういったものは消耗品と見なされて、時間の渦の中に消えてしまうってことです。
だけど消えてしまうからこその良さもあります。
なぜなら趣を見出されてしまった物は、変化することが許されないからです。
例えば神社やお寺の形って、どこへ行ってもだいたい決まっています。
自動ドアの鳥居とか、エスカレーターのついたお寺って見たことないですもんね。
あったら面白いと思うんですが、それは許されないことなんでしょう。
趣があると見なされてしまうと、「これはこうあるべきだ!」みたいな価値観に囚われて、変化を許容することが出来なくなってしまうから。
それに対して安価な消耗品は、とにかく進化が速いです。
古くなれば新しい形に変わる。
家もアパートも、昔に比べてどんどん新しいデザインのものが増えています。
いかにもな日本家屋って、最近じゃあまり見かけませんからね。
カップにしたってシンプルなものもあれば、キャラクター入りのものまであります。
鳥居にプリキュアがプリントしてあったり、お堂にキャプテンアメリカとかが描かれていたら、きっと「なんだこりゃ?」ってなると思います。
陶芸だって同じで、上手く釉薬を使ってイカ娘とか千反田えるとか描いてしまったら、それはもう別のものになるでしょう。
作品が並ぶのは陶芸店ではなくて、アニメイトとかになりそうです。
それはそれで面白いんですが、陶芸としては受け入れてもらえないでしょう。
趣があるのはいいことだけど、変化を許容できない堅苦しさもあります。
今までにあったものはちゃんと残して、なおかつ新しいものを生み出す勇気を持つ。
キャプテンアメリカが描かれたお堂とか、千反田えるの織部焼とかあったら、色んな意味で新たな道が拓けると思います。

 

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