植物の戦い ススキVSセイタカアワダチソウ

  • 2016.10.08 Saturday
  • 12:15

JUGEMテーマ:生き物

月が変わり、秋らしさが増してきました。
彼岸花、コスモスなど、秋の花もよく見られます。
金木犀の香も漂っています。
しかし秋と言えばもう一つ名物があります。
それはススキです。
野原になびくススキたち。
風にそよぐその姿は、紅葉に負けないほど秋の風情を感じさせます。
しかしススキと同時に、穂先が黄色く染まった植物を目にすることも多いです。
これはセイタカアワダチソウといって、北米からの外来種だそうです。
根付いたのは1940年代だそうで、アメリカ軍の物資に紛れ込んだ種子が、瞬く間に広がっていったそうです。
セイタカアワダチソウは繁殖力が強く、どこにでも見かけます。
また根っこから毒性のある物質を出すそうで、このせいで在来種の野花が駆逐されるんだとか。
植物だけではなく、ミミズやモグラなどの土中生物もこの毒にやられるようです。
そのせいで土からは養分が失われて、余計に在来種が育ちにくくなるみたいです。
しかしそんな強力なセイタカアワダチソウにも弱点が。
それはあまりに強すぎる繁殖力の為に、土中の養分を吸い尽くし、自分自身の栄養さえも失ってしまうことです。
モグラやミミズは糞をすることで土中の養分を保ってくれます。
そんな生き物がいなくなり、しかも周りを見渡せば大量の自分たち。
やがて養分は枯れ果てて、自滅を始めたんです。
するとその隙に攻め入ってきたのがススキ。
ススキは光合成の能力に優れていて、環境の悪い場所でも生きていけるそうです。
土中の養分が少なくなっても、セイタカアワダチソウのように自滅することがないんですね。
そしてススキは在来種の味方。
ススキが増えればセイタカアワダチソウは駆逐され、再び在来種の野花が戻ってきます。
またモグラやミミズなどの土中生物も復活するので、肥えた土が出来上がるというわけです。
ススキはセイタカアワダチソウに対抗できるほど、とても強い植物だったんですね。
だけどそのススキも海外では侵略的外来種として扱われているそうです。
セイタカアワダチソウの原産地である北米にも、日本のススキが生えているんだとか。
そしてその優れた光合成能力のおかげで、向こうの在来種を脅かす存在になっているようです。
日本では風情のあるススキも、アメリカの人にとっては在来種を脅かす邪魔な植物というだけ。
私たち日本人から見たセイタカアワダチソウと同じというわけですね。
植物に善悪なんてなくて、要は人間のせいで他の生き物が迷惑しているわけです。
どんな生き物だって、それぞれの国の環境に適応しています。
だから国外に広まってしまえば、途端にその国の生態系を脅かす存在になってしまうわけです。
ススキとセイタカアワダチソウの戦いは今でも続いています。
今はススキの数も回復したそうですが、セイタカアワダチソウもこのまま負けてはいないでしょう。
土中の栄養が戻ったなら、また猛攻を仕掛けてくるはずです。
じっと動かないように見える植物も、実は熾烈な生存競争を繰り広げていたんですね。
人、動物、虫、植物。
どんな世界へ行っても、競争や戦いというのは避けられないようです。
生きていくということは、かくも熾烈なものだなあと、野原の植物を見て思いました。

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