春の鳴き声 第一話 イジメられっ子の再会(1)

  • 2016.12.31 Saturday
  • 15:31

JUGEMテーマ:自作小説
夏が終わるのは早い。
ついこの前始業式だったのに、窓の外は寒い風が吹いている。
校庭の木々は枯れ葉を着込み、強い風に服を持って行かれまいと、枝をしならせて抵抗している。
僕は頬杖を突きながら、学ランのボタンをいじっていた。
「ほな明日もテストやから。しっかり勉強しとくように。」
ホームルームを終えた先生が、「今日の委員長」と最前列の生徒を見る。
「起立、礼!」
みんな適当に頭を下げて、いっせいにお喋りが始まる。
僕も立ち上がり、体操着のバッグに荷物を詰め込んで、教室から出た。
重いバッグを担ぎ直し、下駄箱に向かう。
すると「おい」と呼ばれて、身体を固くした。
「アホがまた全部持って帰ってんで。」
僕を呼んだ声の主は、取り巻きの連中と笑い合う。
身体はさらに固くなり、鼓動が跳ね上がった。
決して後ろを振り向かず、またバッグを担ぎ直して、下駄箱を目指した。
その時、ボンとバッグが持ち上がった。
蹴られたのだ。
「おいコラ。」
また蹴られて、「おい!」と怒鳴られる。
それを無視して、逃げるように廊下を走った。
靴を履き、駐輪場まで向かい、重たいバッグをカゴに詰める。
目尻に涙が溜まり、グイと拭った。
ペダルを漕ぎ、学校という場所からとにかく離れる。
家までは自転車で40分、距離にして14キロ。
脚に力を入れ、ギアを切り替え、一気にトップスピードまでもちあげた。
そして家まで半分の距離まで来たところで、ゆっくりとスピードを落とした。
田んぼがよく見える道を漕ぎながら、「なんで・・・」と呟く。
「なんで次は俺やねん・・・・。」
また涙が溜まり、泣いてもいいかどうか確認する為に、周りを見渡した。
急いで自転車を漕いだおかげで、どの生徒も僕に追いついていない。
だから田んぼを眺めるフリをしながら、ボロボロと泣いた。
「死ねアイツら・・・・。」
言いようのない感情がこみ上げて、怒りとも悔しさともつかない気持ちになる。
家に帰ると、すぐに自分の部屋に駆けあがった。
イジメられてるなんて親に知られたくないので、涙で腫れた目は見せられない。
重いバッグを下ろし、すぐに学ランを脱ぎ、言いようのない感情を押し殺す為に、ゲームのスイッチを入れた。
嫌な気分の時は、明るいゲームはやりたくない。
僕はプレステの蓋を開けて、ホラーゲームに入れ換えた。
ホラーといっても、幽霊が出て来るようなやつじゃない。
どこかの孤島で、殺人事件が起きるゲームだ。
上手く進めていかないと、どんどん人が死んでいく。
途中で選択肢がいくつも出て来て、最悪なパターンだと恋人に殺されることになる。
怖いし暗いし、エンディングによっては鬱になるゲームだ。
でも嫌な気分の時は、むしろこういうゲームが気持ちいい。
二時間ほどプレイしていると、少しだけ気持ちが楽になった。
「ここら辺でやめとこか。」
セーブして電源を切る。
それから漫画を読みながらゴロゴロしていると、スマホが鳴った。
「もしもし?」
《シュウちゃん?今から行ってええ?》
電話の向こうからよく知った声が返ってくる。
僕は「ええで」と答えた。
「あ、でも外に行かへん?」
《ええで、どこ?》
「竜胆公園にしようや。」
《なに?またホームレスのおっさんからかうん?》
笑い声が返ってきて、「ちゃうちゃう」と答えた。
「この前な、あそこ行ったらめっちゃ可愛い子おってん。
そんで短いスカートでブランコとか乗っててさ。」
《マジで?》
「今日もおったらパンツ見れるかなと思って。」
《どんな感じの子?》
「そやなあ・・・俺らより年下やと思うわ。
でもマジで可愛いで。下手な子役とかより全然可愛い。」
あの日見たあの子のことを思い出し、もう一度見たいなあと妄想する。
《でも俺らより年下やったら小学生やろ。》
「そやなあ。」
《でも今日火曜日やで。小学校はまだ学校終わってへんやろ。》
そう言われて「そういやそうやったな」と頷いた。
《それにな、今そういうの厳しいなっとんやで。》
「何が?」
《だからさ、ロリコンとかおるやん?》
「うん。」
《ああいうの取り締まる為に、法律とか世間の目えとか厳しいなってんねん。
俺も可愛い子のパンツ見たいけど、でもあんまジロジロ見とったら警察呼ばれるで。》
「いや、でも僕らだって子供やん。まだ中二やし、この前まで13歳やってんで?」
《まあそうやな。ほな大丈夫なんかな?》
「だってあの可愛い子、たぶん小六くらいやと思うわ。
それやったら僕ら中二なんやから、二つしか違わへんやん。」
《でも小学生なんやろ?》
「でも来年なったら中学上がるやん。
中一と中三が付き合ってたって、別におかしいないやろ?」
そう答えると、井口は《確かにな》と頷いた。
《溝渕なんか中一で初体験やってたからな。》
「相手一個下やから小六やんな?」
《うん。今はどっちも中学やけど。でもこの前別れたって言うてて・・・・、》
他愛ない話を続けてから、《ほな竜胆公園行くか》と決まった。
それから10分後、僕は竜胆公園に来ていた。
ここはたくさんホームレスのおっさんがいて、中には若い感じの人もいた。
この前犬のウンコを投げて、おっさんどもをからかった。
そしたらマジギレされて追いかけられた。
でも足はこっちの方が速いから、余裕で逃げ切ったけど。
ホームレスのおっさんは、遊歩道の向こうに住んでいる。
だから遊具のあるこっち側にはあまり来ない。
ていうかこっちへ来ると、警察とかに苦情が入るらしい。
子供を遊ばせてる親とかが、怖いからこっちへ来ないようにしてくれって感じで。
まあそういうわけで、遊具のある方にいれば安全だ。
僕はブランコに乗りながら、この前の可愛い子のことを思い出していた。
「今日はおらへんな。ほなやっぱり学校なんかな?」
ブランコを漕ぎながら、数日前のことを思い出す。
「ほんま可愛かったなあ。色白いし、ちょっとおっぱいもあったし。
でもアレやな。やっぱブランコ乗ってる時のパンチラが・・・・。」
色々と妄想に浸っていると、ふと「あれ?」と思い出した。
「あの日って確か平日やんな。ほななんでここにおったんやろ?」
あの可愛い子を見たのは、先週の木曜日だ。
あのバカどもにイジメられるのが嫌で、僕は学校をサボっていた。
その時この公園へ来て、それであの子を見つけたのだ。
「確か昼くらいやったよなあ。ほんなら学校のはずやろ?
サボるような感じの子でもなさそうやし、なんでやろ?
もしかして、あの子もイジメとかに遭うてんのかな?」
男子の場合だと、カッコいいとほとんどイジメられない。
でも女子の場合だと、可愛いからイジメに遭うって聞いたことがある。
もしそうだとしたら、これはあの子と仲良くなれるチャンスかもしれない。
だってお互いに共通の話題があるんだから。
まあポジティブな共通点じゃないけど・・・・・。
それからしばらく妄想に耽っていると、井口がやって来た。
「おうシュウちゃん。」
中二なのに身長が180もあって、体重は90キロもある。
しかも脂肪で90じゃなくて、全身筋肉の塊なのだ。
一言で言うならゴリラモドキみたいな奴だった。
冬なのに半パンを穿いていて、足も裸足にサンダルだ。
「どや?可愛い子おるん?」
そう言いながら、隣のブランコを漕ぎ始めた。
「いや、今日はおらんわ。」
「ほなやっぱ学校やな。」
井口は中学生とは思えないマッチョな筋肉で、グイグイブランコを漕ぐ。
「でもな、この前見た時も平日やってん。しかも昼間。」
「そうなん?」
「だから多分サボってたんやと思うんやけど。」
「サボりか。ほなヤンキーっぽい感じか?」
「いや、逆。すごい真面目そうな子。」
「じゃああれか?シュウちゃんと一緒で、イジメられてるとかか?」
「かもしれへん。」
「ほなラッキーやん。そういうのって、お互いに仲良くなれるかもしれへんで?」
「やっぱそう思う?」
「話すキッカケはあるわけやん。ほなあとは自分次第やろ。」
井口はさらにブランコを漕いで、勢いをつけて飛び降りる。
ブランコの前にある柵を、軽々と飛び越えながら。
「ええなお前。」
そう呟くと、「何が?」と返された。
「だってお前めっちゃ強いやん。僕もそれくらい強かったら、柴田とかにイジメられへんのに。」
暗い顔で言うと、「ほな俺がシバいたろか?」と笑った。
「どいつもヒョロガリやろ?4、5人くらいやったら二分もかからんで。」
「いや・・・・今はええわ。」
「なんで?」
「だってお前やり過ぎるやん?」
「手加減するって。」
「でもあんま大事にしたあないねん。だからもっと酷うなった時に頼むわ。」
「まあいつでも言えや。どいつも病院送りにしたるから。」
中学生とは思えないムキムキの筋肉を見せつけながら、ニカっと笑う井口。
家が空手の道場だから、幼稚園の時からやっている。
それに頭も良いから、僕とは別の進学私立に通っていた。
《喧嘩なんかしたら、私立やったら退学になるかもしれへんのに。
でもそういうの気にせんと、気に入らへん相手をシバけるからこそ、コイツは強いんやな。》
身体も心も強くて、それに頭も良くて、もう初体験も済ませていて、そんなハイスペックな奴なのに、なぜかコイツは僕みたいなショボイ奴と一緒にいる。
本人曰く、優越感に浸れるかららしいけど、コイツのスペックなら誰相手でも優越感に浸れるはずだ。
だから僕と一緒にいる理由は別にあるんだろうと思っているけど、本人ははぐらかすばかりだった。
でも井口がいるおかげで、どうにかイジメに耐えることが出来ていた。
だっていざとなれば、コイツに頼めばいいんだから。
「なあ?」
シャドーボクシングみたいに空手のパンチやキックをしている井口を見つめながら、「30分くらい待とか」と言った。
「何が?」
「だからその可愛い子が来るの。」
「そやな。俺も見てみたいし。」
「ブランコ乗ってくれたらパンチラ見れるかも。」
「ええな。」
井口はまた隣のブランコに座って、ものすごい勢いで漕ぎ始めた。
「なあシュウちゃん。」
「なに?」
「その子のこと好きなん?」
「好きっていうか、可愛いから見たいねん。」
「ほな仲良うなったら、告白とかするんか?」
「いや、それはまだ分からんけど。」
「でもさ、もし彼氏とかになったら、イジメられてるとかダサいやん?」
「そやな。」
「だからその子と付き合えることになったら、俺がシバいたるから。」
「うん。」
僕は素直に頷く。
柴田の顔を思い出すと、また嫌な気持ちになってきた。
「ほんまは俺がターゲットとちゃうねん。」
「つい最近やろ?目えつけられたん。」
「最近っていうか、先月くらいから。」
「元々イジメられてた子、なんやったっけ・・・・なんか普通と違うんやろ?」
「発達障害ってやつらしい。」
「なんか最近よう聞くよな、それ。」
「有名人とかでもけっこう多いらしいで。」
「誰?」
「イチローとかアインシュタインとか。」
「マジで?」
「ほら、最近ようテレビ出てる栗原類っておるやん?」
「ああ、モデルの人な。」
「あの人もそうやって。」
「そうなん!ほな発達障害持ってる奴って、けっこうすごい人ばっかやん。」
井口は感心したように言う。
でも俺は頷かなかった。
「そういうのはごく一部やって。あの子はめっちゃ変な子やった。
空気とか読まれへんし、いっつもじっとしてないねん。なんか挙動不審やし。」
「だからイジメられたんやろ?」
「やと思うで。小学校の時からイジメられてたらしいし。」
「なんか可哀想やな。」
「そんなん誰でも言えるわ。」
「ほな助けたろか?」
「その子を?」
「いや、シュウちゃんを。」
「いや、だから僕はまだええって・・・・、」
「でもこのままやったら、シュウちゃんもいつその子みたいになるか分からへんで?
だってその子引きこもっとんやろ?」
「引きこもるっていうか、なんか病院とか行ってるらしい。
そういう障害を持った子が行く、施設みたなんがあるんやって。」
「ほなその子が戻って来たら、シュウちゃんイジメられへんようになるわけやな。」
「多分な。」
僕は学校に来なくなった、あの子の顔を思い出す。
なんかジャガイモみたいな顔で、すごいブスだった。
最初は男子がからかってたんだけど、女子もそれに乗っかるようになった。
イジメてるのはもちろん柴田で、アイツと仲の良い女子も加わったのだ。
最後の方は見てられないくらいの酷さで、他人事なのに胸が痛むほどだった。
「あの子な、おばあちゃん子なんや。
でもそのおばあちゃんが亡くなって、昔に買ってもろた筆箱を大事にしとった。」
僕は思い出す。
夏休みに入る前の、掃除の時間を。
あの子は校庭の掃除当番だった。
柴田たちはすぐ隣の、駐輪場の掃除。
あいつらはあの子が大事にしていた筆箱を、あの子の目の前で捨てた。
教室から奪ってきて、本人をからかうように、仲間どうしてパスしたりしながら。
あの子は必死にそれを追いかけていた。
あの子と当番を組んでいた子が、見かねて注意したけど、柴田たちは面白がるだけ。
そして駐輪場の向こうにある、用水路に投げ捨てた。
ちょうど田んぼの時期だから、たくさん水が流れていた。
だから筆箱はあっという間に流されて、その後に先生たちが探しても見つからなかった。
あの子は泣かなかったけど、でもすごい辛かったと思う。
ていうか思い返すと、イジメられて一度も泣いていたことがない。
いや、本当は家に帰ってから泣いていたのかもしれないけど、でも僕の知る限りじゃ泣いているところは見たことがなかった。
きっと強いんだろうと思う。
そんな強い子が学校へ来なくなるくらいだから、あいつらのイジメは相当なものだった。
「シュウちゃん、暗い顔してんで?」
「・・・・・・・・・。」
「あんま無理せんときや。いつでも俺シバいたるから。」
「うん・・・。」
嫌な気持ちが蘇ってきて、柴田もあの子も頭から追い払う。
それからしばらく、井口と喋っていた。
ゲームとか井口の学校のこととか。
ふと公園の時計を見ると、もう30分が経っていた。
「今日は来んみたいやな。」
そう言うと、井口は「ほな俺ん家いくか」とブランコから飛び降りた。
「姉ちゃんがな、この前誕生日やってん。ほんでWiiの新しいやつ買ってもらってさ。」
「マジで!?」
「いま姉ちゃんおらんから、一緒にやろうや。」
「ええな、すぐ行こ。」
僕たちは自転車に跨り、公園から出て行く。
するとそれと入れ違いにして、一台の車がやって来た。
赤い軽自動車で、すれ違う時に中が見えた。
「あ!」
僕はその車を振り返る。
「どうしたん?」
「あの子。」
「え?」
「あの可愛い子が乗ってた。」
「マジで?」
「ちょっと行ってみよ。」
地面に足を着いて、グルっと自転車を回す。
車は遊歩道の近くの空き地に停まって、中からあの子が出てきた。
それを見た井口は「うお!めっちゃ可愛いやん!」と驚いた。
「な?」
「あれなんかのアイドルちゃうの?」
「そう思うくらい可愛いよな。」
車から出てきたその子は、この前と同じようにミニスカートを穿いていた。
なんかヒラヒラした感じのやつで、スラっと長い足に見惚れた。
「・・・・ブランコの後ろに回るか。」
自転車を置き、公園を囲う植え込みに沿って歩く。
散歩してるだけですよみたいな、何気ない雰囲気をだしながら。
「シュウちゃん、またパンツ見るん?」
「そら見たいやろ。早よ来いよ。」
二人してブランコの後ろに回る。
あんまりジロジロ見ると怪しまれるので、少し距離を置いた。
「なあシュウちゃん。」
「なに?」
「あの子の近くに親おんで。」
「そやな。」
「だからな・・・・、」
「うん。」
「スマホはしまい。」
「・・・・そやな。」
あわよくばと思ったが、バレたらただではすまない。
いそいそとスマホをしまうと、「盗撮はあかんで」と井口に言われた。
「シュウちゃん、たまにそういうとこあるよな。」
「健全やろ。」
「気持ちは分かるけどさ、でもバレたら恥ずかしいで。
喧嘩して補導やったら構へんけど、パンツ盗撮で捕まったら、イジメがなくても学校行かれへんようになるから。」
「分かっとるがな。ちょっとした出来心や。」
井口はたまにこうやって僕を注意する。
時々親のような奴だと感じるけど、まあ僕を思ってのことだろう。
「見いな、あの子こっち来るで。」
井口は背中越しに顎をしゃくる。
僕も背中を向け、チラリと振り返って確かめた。
この前と同じように、思い切りブランコを漕いでいる。
短いスカートがフワフワとめくれて、その中身が・・・・・、
「スパッツ穿いとるな。」
井口が冷めた口調で言う。
僕も同じように冷めた。
「・・・・・・・・・・。」
「落ち込みすぎやろ。」
ドンと肩をぶつけられて、よろめく。
「マッチョな身体でぶつかんな。痛いねん。」
「すまんすまん。でもさ、あの子ちょっとおかしいないか?」
「何が?」
「あの子さ、どう見ても小六か中一くらいやで。
やのに幼稚園児みたいにはしゃいで、ブランコ乗っとる。」
「よっぽど好きなんやろ。」
「かもしれんけど、あの歳であんなにはしゃぐかな?」
井口は口をへの字に曲げる。
そして眉間に皺を寄せて、じっと睨んでいた。
その時、勢いをつけすぎたブランコから、その子が足を滑らせた。
しかもちょうど僕たちのいる方に向かって。
「ヤバッ!」
僕の正面にその子が飛んでくる。
すると井口が僕を突き飛ばして、その子を受け止めた。
「あおッ・・・・、」
変な声を出しながら、その子を抱えて倒れる井口。
それを見ていたその子のお母さんが、慌てて走ってきた。
「すいません!大丈夫!?」
我が子を抱えてから、井口の手を引く。
「いや、大丈夫っす。」
「ごめんねえ・・・・怪我とかない?」
「いや、平気っす。」
笑って答える井口。
どうやらマッチョな身体のおかげで助かったようだ。
そして肝心のその子はというと、またブランコに乗っていた。
何事もなかっかのように、小さな子供みたいにはしゃぎながら。
「ほんまにごめんねえ・・・・。」
「いやいや、全然大丈夫っす。マジで。」
ごめんと大丈夫を繰り返す、おばちゃんと井口。
でも俺はそんなことはどうでもよかった。
だってその子は、さっき落ちた拍子に、思い切りスカートがズレていたからだ。
しかもスパッツもずれて、パンツが丸見えになっている。
そんな恥ずかしい恰好で、でも全然気にする素振りも見せずに、ブランコを漕ぎ続けている。
この時僕は、井口と同じような考えだった。
《この子、やっぱちょっと変かもしれへん。》
パンツを見れるのは嬉しいけど、それ以上に《なんなんやこの子?》と不思議に思った。

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