不思議探偵誌〜オカルト編集長の陰謀〜 第二十六話 さらば古代人よ(2)

  • 2017.07.28 Friday
  • 08:31

JUGEMテーマ:自作小説

漫才を終えた俺は、ふうっと冷や汗を拭った。
《緊張したあ・・・・。ていうか一人二役は疲れる。》
恐る恐る顔を上げ、観客たちを見る。
するとみんな泣き崩れていた。
「なんで!?」
『うう・・・・いい話だしょ。』
「女王まで!?」
口元を押さえながら、顔を涙でグショグショにしている。
するとUFOの中からも泣く声が聴こえた。
『いい話もす・・・・。』
『感動したもり・・・。』
「なんなんだこいつら・・・・。」
ちょっとばかし気味が悪くなる。
今の漫才のどこに感動する要素があったのか?
俺の狙いとしては、笑いで気持ちを和ませつつ、古代人と現代人が理解し合えないことを伝えたかっただけなのに。
マネキンを現代人、土偶を古代人と置き換えて、永遠に交わらない二人の会話を演じたつもりだ。
理解し合えない者同士は、下手に関わらない方がいい。
古代人には古代人の考え方があって、現代人には現代人の考え方がある。
今までティムティム女王やペンゲンたちを見ていて、俺たちは永久に分かり合えないと思った。
それならば、今後一切俺たちは関わるべきではないと伝えたかったのだ。
茂美のアホが古代の人形を蘇らせ、それが元で今に至る珍事が起きている。
正直なところ、もうこいつらとは関わりたくない。
だからモリモリとタムタムが助かったら、二度とこんな場所には来たくない。
そして土偶や埴輪にも関わりたくはない。
ただの人形ならいざ知らず、古代人の魂が宿った人形など、トラブルの元でしかないのだ。
《俺が伝えたかったのは、お互いに一線をたもちつつ、この地球で暮らしていきましょうってことだ。
それを分かりやすく伝える為に、漫才という形を取っただけなんだけどな。》
ウケるか?
それともスベるか?
どちらかの反応しか予想していなかった。
なのにどうしてみんな泣いているのか?
《古代人の気持ちはよく分からん。》
頭を掻きながら困っていると、ティムティム女王が握手を求めてきた。
『探偵、久能司・・・。感動的な寸劇だっただしょ。』
「そ、そうか・・・。寸劇ではなく漫才のつもりだったんだが、喜んでもらって何よりだ。」
『ぐふう!まさか・・・・まさか現代人にもわらわたちの気持ちを理解してくれる人がいたなんて。』
「はい?」
『うう・・・・ぐふう!』
「あの・・・・なんでそんなに泣いてるんだ?」
『笑ってるんだしょ。』
「笑ってたの!?なんで?」
『だってわらわたち古代人は、一日の8割をウンコのことを考えて過ごしてるから・・・・、』
「ええ!?ただのネタなのに事実だったのか!」
『さっきの寸劇・・・土偶を古代人、マネキンを現代人に見立てたんだしょ?』
「ああ。二つの種族は分かり合えないってことを伝えたかったんだ。
そして今後はお互いに関わらないようにするべきだと・・・、」
『何言ってるだしょか!わらわたちは理解し合えるだしょ!』
「なんで!?どこをどう見てそう思うんだ!」
『だってウンコのことを考えてたのはマネキンの方だしょ。だったら現代人がウンコのことを考えてるってことになるだしょ。』
「・・・・・・あ。」
『しかも一日に8割も・・・・・ぶははははは!!』
「笑うんじゃない!あれはただの漫才であって、現代人はウンコのことなんて・・・、」
『お前たちは仲間だしょ。これからも仲良くするだしょ。』
「今までも仲良くした試しはないだろ!」
予想外の結果になってしまった。
古代人は誰しもが笑い転げ、喜び、ウンコを叫ぶ。
『ウンコ〜!』
『ウンコ探偵!』
《誰がウンコ探偵だ!》
嬉しくない結果に終わってしまった。
しかし心象は悪くないようだ。
《これなら勝てるかもしれないな。》
観衆のハートはガッチリ掴んだ。
そう思って喜んでいると、「久能さん!」と誰かがやってきた。
「おお!由香里君!」
すっかり元気になった由香里君が、「やりましたね!」とはしゃぐ。
「みんな大喜びですよ!」
「残念ながら。」
「何を落ち込んでるんですか!これなら絶対に勝てますよ!」
「だといいが・・・、」
チラリと女王を振り返ると、まだ笑っていた。
しかし目の奥には不敵な光が宿っている。
《こいつ・・・絶対に不正を働くな。》
ミスコンの勝者は投票で決まる。
その時、この女王は必ず不正を仕掛けてくるはずだ。
なんたって超がつくほどの負けず嫌いなので、どんな手を使ってでも勝ちにくるだろう。
司会がマイクを握り『最高のパフォーマンスをありがとう!』と叫んだ。
『以上でミスコンは終わりだ!今から投票を開始する!みんなが良かったと思う方の名前を書いて、投票箱に入れてくれ。』
ステージの前に設置された箱に、ペンゲンたちが票を入れていく。
それと同時に、女王はステージの脇へはけていった。
「久能さん・・・・。」
「ああ、何かやらかすつもりだ。」
「ここまで頑張ってきたんです。不正で負けるなんて絶対に嫌ですよ。」
「分かってるさ。こんな時の為に超能力があるんだからな。」
投票箱の前には行列が出来ている。
すべてのペンゲンが投票を終えるまで、10分ほどかかった。
『さあて!それでは集計に入るぜええ!果たして優勝するのは女王か?それとも由香里ちゃんか?
みんなちょっとばかし待っててくれ!』
司会は箱から票を取り出して、ステージの上で数えていく。
それと同時に、俺は透視能力を使った。
眉間に意識を集中させて、ステージの周りの様子を探る。
すると・・・・、
「やっぱりか。」
ステージの裏側に女王の姿が見える。
傍には一匹のペンゲがいて、女王から何かを渡されていた。
《あれは投票用紙。それもかなりの数があるな。》
さらに透視を続けると、投票用紙に書かれた名前が見えてきた。
『ティムティム女王様』
そう書かれているのが分かる。
大量のその用紙を受け取ったペンゲンは、代わりに女王から金貨をもらっていた。
《賄賂で勝利するつもりとは・・・心底腐ってやがる。》
買収されたペンゲンが、俺たちのいるステージへ現れる。
そしてゆっくりと司会の方へ近づいていった。
背中を向け、手にした投票用紙が見えないように隠しながら。
そいつはヒソヒソと司会に話しかける。
そしてこっそりと金貨を渡した。
「今だ!」
ガバっと飛びかかり、不正の現場を押さえた。
「おいお前たち!これはなんだ!?」
ペンゲンの手から投票用紙を奪う。
『な、なんだいきなり・・・、』
うろたえるペンゲン。俺はニヤリと笑った。
「こいつは不正な投票用紙だ。金貨と引き換えに、票を操作するつもりだったな?」
『馬鹿なことを。』
「認めないつもりか?」
ペンゲンは何食わぬ顔でふんぞり返っている。
「ようし、だったら不正の証拠をみんなに公表しちゃおうじゃないの。」
投票用紙と金貨を持って、観衆を振り返る。
「みなさん!こいつら悪いことしてますよ!なんと金貨と引き換えに票を操作しようとしたんです。」
そう言って「見て下さい!」と不正な用紙を掲げた。
「ここにたくさんの投票用紙があります。これは投票箱の中に入っていたものではありません。
そこのペンゲンが金貨と引き換えに、女王から受け取ったものです。」
会場がざわめく。
俺は勢いよく続けた。
「この用紙にはティムティム女王の名前が書いてあります。
おそらく自分で書いたのでしょう。ほら、見て下さい!」
用紙を広げ、観衆に見せようとした。
しかし・・・・・、
「・・・・・・・。」
「どうしたんですか?」
由香里君が首を傾げる。
「早くみんなに見せてあげて下さい。女王の不正を暴かないと。」
「無理だ・・・・。」
「どうしてですか?」
「見てごらん、えらいことになってる。」
由香里君に投票用紙を渡す。
すると「なんで!?」と絶叫した。
「これ・・・私の名前じゃないですか!」
「ああ・・・・。」
「だってさっきはティムティム女王の名前が書いてあったんでしょ?」
「透視した時はな。おそらくだけど、どこかですり替えたんだ。」
「すり替える?」
「女王は予測していたんだと思う。投票の瞬間、俺たちが彼女の不正を疑うことを。だから・・・・、」
「だから・・・・私たちの方がハメられたってことですか?」
「ああ。俺が透視していることに気づいていたんだ。きっとそこのペンゲンがどこかで票をすり替えたに違いない。」
「そんな・・・まさかそこまでするなんて・・・、」
「ちなみにこの金貨も偽物だ。」
「え?」
由香里君の手に金貨を落とす。
「あれ?これってもしかして・・・・、」
金貨の表面に爪を立てる。
中から茶色い塊が出て来て、一口齧った。
「・・・・チョコレート。」
「票はすり替えられ、金貨はただのお菓子。こんなものを観衆に見せたら・・・・、」
「逆に私たちが不正しようとしたんじゃないかって疑われる?」
「そこまでいかなくても、票の集計を妨害したと見なされるだろう。最悪は失格になるはずだ。」
「そんな!せっかくここまで戦ってきたのに・・・。」
由香里君は悔しそうに唇を噛む。
観衆はさらにざわめいて、『何があったんだよ!』とヤジを飛ばし始めた。
『さっさと集計しろよ!』
『どっちが勝ったの!女王?現代人の女の子?』
『もったいぶってねえで早く発表しろ!』
《まずいな・・・・せっかく漫才で心を掴んだのに。》
攻勢が一転して、崖っぷちに追い詰められる。
その時、背後から冷たい視線を感じた。
「・・・・女王。」
ステージの袖から女王が覗いている。
その顔は悪どい笑みに満ちていた。
《おのれ女王・・・・。》。
司会がマイクを掴み、俺たちに詰め寄る。
『あんたら、これはどういうことだ?』
「いやあ、これはその・・・・ちょとした勘違いというかだな・・・、」
『集計を妨害するとはいい度胸だ。そんなに負けるのが嫌だったか?』
そう言うと、由香里君が「それは女王の方でしょ!」と怒った。
「票を操作して不正を働こうとしたんだから!」
『なんだと?』
「久能さんが超能力で見てたんだから!」
『では証拠を見せろ。』
「その証拠をすり替えられたの!」
『なんだそりゃ?言いがかりもいいとこだな。』
司会はクスっと肩を竦める。
由香里君は「あんただってグルのくせに!」と怒鳴った。
『なにい!?俺がグルだと!』
「だって金貨を受け取ろうとしてたじゃない!実際にはお菓子だったけど、私たちを騙す為に一芝居打ったんでしょ?」
『馬鹿なことを!私はそんなことはしていない。』
「嘘よ!絶対にあなたも・・・、」
「よせ由香里君。」
「久能さん・・・・どうして止めるんですか!」
「おそらくだが、その司会は何も知らない。」
「そんなはずありませんよ!だってこの人が協力しなきゃ不正はできな・・・・、」
「さっきも言っただろ?俺たちはハメられたんだ。」
「分かってますよそんなの!だからって黙ってるわけには・・・・、」
「落ち着いて聞け。」
ポンと肩を叩く。
「俺たちはこう思っていた。『女王は必ず不正をするはずだ』と。しかしそう思い込んでいるのを逆手に取られた。
女王の本当の目的は不正ではなく、俺たちを空回りさせて、集計を妨害しているように見せかけることだったんだ。」
「だから分かってます!でもそれは女王の策略で・・・、」
「その策略を司会のペンゲンは知らないはずだ。あえて事実を伝えないことで、俺たちを責めるように仕向けてるんだ。」
「でも!さっきは金貨を受け取ってたじゃないですか!実際はただのお菓子だったけど、何も知らないなら受け取るはずがありませんよ。」
「きっと女王からの差し入れですとかなんとかいって渡されたんだろう。」
「そんな・・・そんなのって・・・、」
「そう考えると、金貨を渡したペンゲンも何も知らない可能性が高い。
ここにいるすべてのペンゲンが、俺たちの方を疑ってるはずさ。」
「なんて人・・・・そこまで計算してたなんて。」
怒りを通り越し、半ば放心状態になっている。
そこへティムティム女王がやってきて、ニヤリと笑った。
『どうしただしょか?』
『ああ!ティムティム様!』
司会が事情を話す。
『なるほど・・・・わらわが不正しようと企んだと。』
『しかし証拠は何もありません。ただの言いがかりでしょう。』
『当然だしょ。不正なんてしなくても、わらわがそんな小娘に負けるはずないだしょ。』
ニヤニヤ笑いながら杖を向けてくる。
人を馬鹿にしたその表情・・・思わずぶん殴ってやりたくなる。
「このッ・・・・いい加減にしなさいよ!」
「よせ由香里君!いま飛びかかったら確実に失格だ!」
「じゃあどうすればいいんですか!?このままじゃ私たちは負けちゃいます。
そうなったらタムタムもモリモリも助からな・・・・、」
『もう充分もす。』
どこからか声が響く。
『これ以上私たちの為に傷つく必要はないもす。』
「この声はタムタム!」
空にUFOが浮かんでいる。
その上に美少女の姿に戻ったタムタムとモリモリが立っていた。
『探偵よ、お前は充分戦ってくれたもす。』
「何を言ってるんだ。このままでは君は消えてしまうんだぞ?」
『とうの昔に尽き果てているはずの命もす。ここらで死ぬのも悪くないもす。』
「馬鹿なことを。命を粗末にしてどうする。」
『もう充分生きたもす。ね、モリモリ。』
『探偵殿が漫才で伝えようとしたこと、すごく胸に響いたもり。』
「モリモリ・・・・。」
『そなたの言う通り、古代人と現代人は関わらない方がよさそうもり。』
そう言ってタムタムと手を繋ぐ。
『私たちはあの世へ旅立つことにするもす。』
『だけどその前に・・・・やるべきことがあるもり!』
二人は土偶とマネキンに変わる。
そしてティムティム女王に飛びかかった。
『な、何するだしょか!』
『私たちの最後のエネルギーを使って、お前を封印するもす。』
『封印!?』
『再び埴輪に戻るもり!』
『や、やめるだしょ!誰か助けるだしょ!』
女王は必死に叫ぶ。
するとペンゲンたちが『女王様を救い出せ!』とステージへ上がってきた。
しかしそこへUFOが降りてくる。
「暴れるならこの街ごと吹き飛ばすわよ?」
ピカピカと点滅するUFO。
ペンゲンたちは慌てて逃げ出した。
『こらお前たち!わらわを助けるだしょ!』
『ごめんなさい!まだ死にたくありません!』
『わらわがいなくなったら、誰がここを治めるんだしょ!?』
『そんなこと言ったって、さっきは俺を盾にしようとしたじゃないですか!』
『そうですよ!私たちは女王様の身代わりじゃありません!』
『ぐぐう〜・・・・今まで世話をしてやったのに・・・・この恩知らずども!』
女王の目が黒く染まる。
おぞましい殺気が溢れて、古代都市の中を包んでいった。
しかしタムタムとモリモリも本気を出す。
土偶は目からビームを撃ち、マネキンは『てい!』とチョップをした。
『ぐぎゅうッ・・・・、』
『ティムティム、もう終わりにするもす。』
『大人しく人形に戻り、永遠の眠りにつくもり!』
土偶とマネキンは呪文を唱え始める。
『ぐあああああ!やめろだしょ!』
女王は耳を塞いで苦しむ。
毒でも打たれたよに、七転八倒にのたうち回った。
『わらわにこんな事してタダで済むと思ってるだしょか!』
可愛い顔が鬼のように歪む。
『呪ってやる!何もかも呪ってやるだしょ!!』
鬼を通り越し、悪魔のような顔になる。
彼女の歪んだ性格が、そのまま表情に現れていた。
しかし土偶とマネキンは手を緩めない。
ひたすら呪文を唱え続ける。
『ぎゃああああああ!やめるだしょ!もう・・・・身体が・・・たもて・・・な・・・・、』
女王はカランと杖を落とす。
そのまま倒れこみ、ピクリとも動かなくなった。
そして・・・・、
『今もす!』
『埴輪に戻るもり!』
二人は古文書を掲げる。
一つは稲妻の古文書、もう一つは冷気の古文書だ。
二つの古文書から、稲妻とブリザードが放たれる。
『ぴぎゃッ!』
女王はビクンと反り返る。
そして・・・・とうとう埴輪に戻ってしまった。
『今こそ封印のチャンスもす!』
『永久に眠るがいいもり!』
埴輪に戻った女王を、二つの古文書でグルグル巻きにする。
そこへUFOが飛んできて、茂美と爺さんと婆さんが降りてきた。
「自動運転の設定は出来てるわ。いつでも飛ばせる。」
土偶とマネキンは頷き、古文書でグルグル巻きにした埴輪を抱えた。
『もはや地球に我らは必要ないもす!』
『宇宙へ飛んでいけもり!』
二人して『どおおおりゃああああ!』と埴輪を投げた。
吹っ飛んでいく埴輪は、上手いことUFOの中に入っていく。
そしてスーパーボールをぶつけたみたいに、カコンガコンとUFOの中を跳ねた。
『茂美殿!』
『奴めを宇宙へ!』
「任せて。」
茂美はリモコンのような物を操作する。
するとUFOは高く舞い上がり、古代都市を覆う南極の氷を貫いて、地表へと飛び出した。
「さようなら、ティムティム女王。」」
茂美はピっとボタンを押す。
UFOはピカピカと点滅して、一瞬にしてどこかへ飛び去ってしまった。
「・・・・どこ行っちまったんだ?」
「宇宙よ。」
「宇宙・・・。成美さん、あんたあのUFOに何かしたのか?」
「自動操縦を設定しておいたの。あとはこのリモコンで発進させるだけ。」
「なるほど・・・。でもまた戻ってきたりしないか?」
「それはないわ。自動操縦はこのリモコンがないと解除できないから。」
「ならティムティム女王は・・・・、」
「ただっ広い宇宙を延々と旅することになる。二度と戻って来られないわね。」
そう言ってクスっと微笑んだ。
「今頃リモコンの電波も届かない所にいるだろうから、地球へ戻る手段はないわ。これで一件落着。」
「あんたが一番の悪魔だよ・・・・。」
俺も由香里君もゾっと鳥肌を立てた。
そこへ土偶とマネキンがやってきて、『迷惑をかけたもすな』と言った。
『ティムティムは去り、私たちも消えるもす。』
「やはり君たちは死んでしまうのか?」
『もう充分生きたもす。』
『唯一の心配事だったティムティムもいなくなったし、そろそろあの世へ旅立つもり。』
二人は手を繋ぎ、ゆっくりと消えていく。
「おい待て!まだ逝くな!」
『同情はいらないもす。』
『探偵殿、最後まで共に戦ってくれて感謝するもり。』
「だから逝くな!まだアンタたちが必要なんだ!」
『そんなことないもす。』
『私たちの役目はもう終わったもり。』
『生まれ変わったならまた会おうもす。』
『ずっとこの世が平和であることを願ってるもり。』
二人は微笑む。
手を振りながら『さようなら』と消えていった。
「おい待て!」
手を伸ばしても、もうそこには誰もいない。
「久能さん・・・・・。」
由香里君が切ない顔で呟く。
俺は「分かってる」と頷いた。
全ては終わった。
悪しき女王は遠い宇宙へ消え去った。
だがそのせいでUFOも失った。
それに瞬間移動だってもう出来ない。
「どうやって帰ればいいんだ・・・・。」
ここは南極。
地球の真下に位置する極寒の大陸。
パンツ一丁だったことを思いだし、「ぶえっくし!」とクシャミが出た。

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