平面だけど立体的 大和絵の魅力

  • 2017.11.05 Sunday
  • 09:49

JUGEMテーマ:アート・デザイン

図書館に行ったら大和絵の展示をしていました。
源氏物語の絵巻物です。
絵そのものは源氏物語が書かれた100年後くらいに描かれたものだそうですが、いかんせん古いもなので、傷みが酷いそうです。
なので展示してあったのは復元画です。
パッと見は切り絵かなって思うほど、それぞれの色がハッキリ浮き出ていました。
それに平安時代の雅な衣装の、とても繊細な模様まで、すべて手描きでなされていて、じっと見入ってしまいました。
日本画って言葉は西洋画が入ってきてから出来たものであり、それまでは日本の絵は大和絵と呼ばれていたそうです。
しかし残念ながら、大和絵って近年に入るまで、そこまで大事にされなかったそうです。
理由は西洋画の到来です。
圧倒的な立体感や質感、時には写真さえも超えるほどのリアリティを持った西洋画は、当時の日本人にとっては大きな衝撃だったはずです。
きっと多くの絵師が、西洋画の技法を学ぼうとしたでしょう。
北斎もその一人です。
ただその反面、従来の大和絵は大事にされたくなったそうです。
写真がない時代、西洋画の圧倒的なリアリティは、他の国のどんな絵も及ばなかったでしょう。
もちろんそれぞれの国や文化で、面白い絵はたくさんあります。美しい絵もあります。
でもやっぱり当時の人の気持ちになると、「これからは西洋画だ!」ってなる気持ちは分かります。
だけどその頃、ヨーロッパでは浮世絵旋風が巻き起こっていたわけですが・・・・。
異文化の優れたものを目の当たりにした時、北斎やゴッホのような天才ですら、「なんちゅうこっちゃ・・・」と衝撃を受けるようです。
それはさておき、とにかく大和絵は不遇の時代を迎えたそうです。
しかし時代が進むにつれて、自国の文化が見直されます。
なんでも西洋化していいのかと。
かの夏目漱石の画期的な文体や当て字も、日本が西洋の文化に飲み込まれないようにと、そういった気持ちからきていたそうですよ。
例えば日本の小説って、心情描写をセリフで語ったりします。
これって海外の小説ではなかなか見られない表現だそうです。
日本だと小説でも漫画でも当然の技法になっていますが、そういった在り来たりなものほど、外から見ると特別だったりするようです。
大和絵だって同じです。
あんな面白い絵ってそうそうないですよ。
あくまで目で見た景色しか描けなかった西洋画(宗教画を除いて)と違って、大和絵は人の目を超えた視線から描いています。
山々を見下ろす俯瞰の景色、動物が擬人化して戯れる光景。
イメージの世界がそのまま画面に現れています。
ゴッホが始めた「見たままの景色じゃなくていい」という絵は、西洋では画期的だったでしょう。
だけど日本では昔からなされていたことです。
だからこそ浮世絵はヨーロッパに衝撃を与えたわけです。
絵は決してリアルだけが全てじゃありません。
絵に出来て写真に出来ないこと、それはイメージをそのまま表現できるということです。
写真かと見紛うほどの絵はそりゃすごいですが、絵の一番の醍醐味って、やっぱり目では見ることの出来ない景色の描写だと思います。
写実画を否定はしません。
綺麗だと思うし、多くのすぐれた技術や方法論は、いかにリアルを描くってところからきているからです。
遠近法なんかその代表です。
でもリアルだけじゃ寂しいじゃないですか。
大和絵には大和絵の良さがあって、遠い昔の、それも源氏物語の中へと連れていってくれます。
それがイメージの力です。
日本ならではの絵、大和絵には、他の絵にはない力があります。
平面的ながら、なぜか立体的に見える面白さがあるんです。
これもイメージのなせる業でしょう。
絵は平面だけど、内容まで平面とは限りませんから。
深い深いイメージの世界へ没頭させてくれる・・・そんな絵こそ、一番優れた絵だと思います。
大和絵にはそんな力を感じました。

 

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