女神転生に見る人間の業 祐子先生と希望の神アラディア

  • 2018.03.22 Thursday
  • 16:00

JUGEMテーマ:ゲーム

私の大好きなメガテン。
女神転生3では、それぞれのキャラクターがコトワリを掲げて創世を目指します。
シジマもヨスガもムスビも、完璧な世界ではありません。
けどそれぞれのコトワリを掲げるキャラクターは、みんな自分なりの信念を持ち、痛みを受ける覚悟もしています。
それは主人公も同じで、やがて自分の道を選び、カグツチとの戦いに挑みます。(閣下ルートも含めて)
しかしみんながみんな必死に戦っている中で、一人だけとても無責任なキャラクターがいました。
それは祐子先生。
東京受胎においては氷川に手を貸し、世界の在り方を変えてしまいました。
そのせいで三人の生徒以外の人間は死にました。
主犯は氷川ですが、彼は彼なりの信念があってそうしたわけです。
もちろん間違ったやり方ですが。
でも氷川にはどうしても拓きたい世界があり、その為に明確なビジョンも持っていました。
先生は「元の世界が悲しかったから」という理由で、彼について行ったに過ぎません。
氷川がアーリマンを降ろす時、自分の行いは間違いではなかったのかと疑問を感じ、彼を止めようとします。
氷川はそんな先生に向かってグウの音も出ないド正論をぶつけました。
「自由や可能性を望んでいるようだが、それなら元の世界にもあった。
目的があるなら元の世界でもやり遂げることが出来たのではないか?」
「どうして生徒まで巻き込んだ?自分が出来ないことを彼らにやってほしかったのか?
それとも自分と同じ挫折を味あわせてみたかったのか?」
「あなたはただ逃げ出したかっただけじゃないのかね?」
胸の奥を突かれた先生は膝から崩れ落ちます。
そして降臨したアーリマンのせいで、虚無の中に消えていきました。
しかし死んだわけではありません。
別の世界からやってきた神、アラディアが宿っていた為に、魂まで消滅しなかった模様です。
先生ルートでエンディングを迎えるなら、先生自身が自分の弱さに気づきます。
「私はただ悲しかっただけなのね。でももう大丈夫、この世界で生きていける。」
元の世界に戻った中、校舎の屋上で主人公にそう語ります。
けど他のルートを選んだ場合、おそらくですがアマラ宇宙を漂っているのだろうと思います。
先生に宿ったアラディアという神は、ある意味偽物の神様です。
力のない世界で、人々の祈りによってのみ生み出された、希望のみを戴く存在です。
それゆえに希望しか与えてくれません。
アラディア自身に創世を行えるだけの力はありません。
アーリマンもバールもノアも、コトワリは違えど創世の主になれるほどの力の持ち主です。
そうではないアラディアは、力という意味においてはその辺をうろつく悪魔と大差ありません。
ということは、アラディア自身は知っているわけです。
自分には創世は出来ないということを。
にも関わらず宿主に希望を与えます。
これ、とても残酷なことです。
出来もしないことをちらつかせて、いたずらに希望を与えるのは苦痛でしかありません。
そしてそんな神様に取り憑かれた先生は、つまりはそういう人物ということなのでしょう。
元いた世界では何もできず、東京受胎後のボルテクス界においても何も出来ませんでした。
それどころか主人公に希望を託すばかりで、ともすれば利用してるだけなのでは?と思える節もあります。
アマラ宇宙を漂う先生とアラディアは、創世の力を持つボルテクスを目指すでしょう。
しかし創世の力を持つほどのボルテクスには、やはり氷川や千晶や勇のような人物がおり、力と覚悟でもってコトワリを拓こうとしているはずです。
その時、先生とアラディアにできることはありません。
元いたボルテクスと同じく、希望だけ抱いたまま、何もできずに他のコトワリが拓かれるのを黙って見ているだけです。
二人が追い出されることのない世界は、創世の力を持たないボルテクスだけ。
しかしそんな世界で創世を成し遂げることは出来ません。
いずれは自らアマラ宇宙へと旅立ち、また次なる世界をボルテクスを探すだけ。
そうやって延々と希望だけを抱いたまま漂うのでしょう。
無責任な人間と無責任な神様は、夢の世界だけを夢みたまま、いつまでも自らの望む世界を得ることは出来ません。
希望と無責任とが合わさった時、成し遂げることも諦めることもできず、ただただ浮遊物のように海面を漂う人生になってしまう。
それどころか、いたずらに希望だけを与え、周りを傷つけて混乱に陥れる。
そして自分はまた都合の良い世界を求めて去っていく。
ある意味悪魔よりも恐ろしい・・・そんな印象を受けるキャラクターでした。
それならば最初から理想など持たず、慎ましく生きるという手もあります。
ていうか多くの人がそうしているはずです。
理想はあっても胸に隠したままで、表に出すこともないでしょう。
メガテンって実に人間くさいキャラクターが多いです。
どちらかというと悪い意味で。
だからこそ人間らしさを感じるんですよね。
綺麗なもので包み隠してみても、いざ混沌の世界が訪れると、見たくない人間の性が出てくるんです。
そういったキャラが多いから、ごく稀にいるまともなキャラクターを見ると、心から応援したくなります。
メガテンは人間の業を感じさせてくれる面白いゲームです。

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>

GA

にほんブログ村

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM