絵の背景

  • 2018.04.06 Friday
  • 12:53

JUGEMテーマ:アート・デザイン

漫画やアニメにおける背景はとても重要です。
私の大好きなベルセルクでは、まるで一枚の絵画のごとく繊細に描かれています。
圧倒的な繊細さと大胆さは、ベルセルクの世界観を保つ為にとても重要な役目を果たしています。
逆のパターンもあります。
クレヨンしんちゃんはほとんど背景がありません。
あってもとてもシンプルな描写です。
それもまっすぐな線ではなくて、グニャグニャとした線で描かれていて、独特の味があります。
あのいい加減な感じこそがクレヨンしんちゃんの面白さを根っこで支えているんだと思います。
背景をどこまで描くか?
そもそも描いた方がいいのか?
正解はないと思います。
ジブリ映画は水彩タッチの温かみで情緒のある背景です。
背景だけでもじゅうぶん楽しめるほどのクオリティです。
ドラえもんの背景はとてもシンプルで、ある種の記号のように様式化されています。
ドラえもんの背景はキャラクターが今どこにいるかが分かればいいので、あれでいいのです。
色んな背景があって、それぞれの作品や世界観に適した形になっています。
背景そのものが世界観を形作る場合もあるので、キャラクターと同じくらいに重要なものです。
ナニワ金融道の漫画板の背景は全てフリーハンドです。
道路から看板から建物から、果ては服の柄まで全てフリーハンドです。
これは作者の青木先生が、他の漫画よりも絵を目立たせる為にそうしたからです。
ナニワ金融道の連載中、雑誌を手に取った人がパラパラとページを捲った時、インパクトのある絵ほど目を止めます。
とりあえずそこでページを捲る手も止まって、漫画を読むという寸法です。
あえてキャッチーな絵にしないことで、他の漫画との差別化を図ったんですね。
そしてあの雑多な感じの背景は、ナニワ金融道の世界観を演出するのに最高です。
ゴミゴミしていて、ゴチャゴチャしていて、でもそれは人の欲が渦巻く金融の世界を描くのに最適なものであると思います。
スッキリしたクリアな背景では、金にまつわる人の醜さは伝わりにくいでしょう。
ただなんとなく描くだけでは、いくら良いキャラクターが生まれても、その良さを殺しかねません。
水墨画はあえてたっぷりと余白を残しますが、あの何も無い空間こそが水墨画の良さでもあります。
むしろどう余白を見せるかが良い水墨画とそうでない水墨画の境目なんじゃないかと思うほどです。
絵における背景というのは、その絵の善し悪しを決定づけるほどの力があります。
良い絵、面白い絵というのは、絵画や漫画を問わず、背景とキャラクターが上手く合わさっていると思います。

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