勇気のボタン〜空っぽの賽銭箱〜 第二十一話 空っぽの賽銭箱(2)

  • 2018.04.13 Friday
  • 10:21

JUGEMテーマ:自作小説

思いもしない事を聞かされると、リアクションというのはむしろ地味になるものだ。
ツクネちゃんはあのコウモリ野郎と付き合っていたという。
それを彼女の口から聞かされて、俺たちはキツネにつままれたみたいに固まっていた。
そしてその呪縛から最初に解き放たれたのはチェリー君だった。
「あんな野郎と付き合ってたって・・・どういうことだよ!」
「ごめん・・・あんたにも言ってなかったよね。」
「なんも聞いてねえぞ!」
「だって・・・・彼氏が出来たからって、いちいち遠くに暮らしてる弟に言う必要もないし。」
「そりゃそうだけどよ・・・・でもあいつは賽銭泥棒なんだぞ!そんな野郎と付き合ってたなんて・・・、」
「サッカー。」
「え?」
「実は彼・・・・ずっとサッカーやってたんだよね。しかも私と同じ夢を持ってたの。」
「夢?もしかしてサッカー選手になりたかったのか?」
「うん。けど霊獣はスポーツ選手にはなれない。だから彼も諦めるしかなかった。
私と似たような境遇だから同情を抱いちゃって。
それでちょくちょく会ううちに惹かれ合っていって・・・・。」
「かあああ〜・・・・姉貴がそんなセンチメンタルとは知らなかったぜ!
あんなイケ好かねえコウモリ野郎なんざ一番嫌うんじゃねえのかよ!」
「だって同じ夢を持ってた者同士、分かり合えることだってあるじゃない。」
「そうかもしんねえけどよ・・・・。」
チェリー君は納得がいかないようだ。
俺は「まあまあ」と宥めた。
「ツクネちゃんが誰と付き合おうと自由だよ。」
「お前は他人だからそう言えるんだ!」
「今はとりあえず彼女の話を聞こうよ。こうして秘密を打ち明けるってことは、何か言いたいことがあるんだろうし。」
ツクネちゃんを振り向き、目で話で促した。
「彼とは一年くらい付き合ってたんです。けど半年ほど前に別れました。」
「喧嘩でもしたの?」
「いえ、なんていうか・・・・一緒にいるうちに気づいたんです。
私たちにあるのは恋愛感情じゃなくて、ただの同情だって。
夢が敗れた者同士、ただ傷を舐め合ってるだけじゃないかって。」
切ない声で言う。
チェリー君が「そら見ろ」と言った。
「姉貴とあんな野郎と合うわけねえんだ。」
「まあまあ。で・・・・別れた後はどうしたの?」
「しばらくしてから彼が会いに来たんです。」
「まさかヨリを戻そうとか?」
「そうじゃなくて、相談したいことがあるって。」
「相談?」
「実は彼もお金に困っていたんです。私の神社よりさらに貧乏で、このままじゃ近いうちに神様が去ってしまうって。」
「実際にそうなっちゃったよね。可哀想だけど。」
「あの時はまだ神様がいたんですよ。だから・・・・お金を貸してくれって言われて。」
「借金のお願いか。けどツクネちゃんの家だって裕福じゃない。お金を貸すのは難しいんじゃないか?」
「そうです。だからそれは無理だって断りました。けど彼はどうしてもって頭を下げるんです。
サッカーっていう夢を失い、そのうえ神様にまで去られてしまったら、もう俺には何もない。
だからせめてあの祠だけは守りたいって。
別れた後に勝手なこと言ってるのは分かってるけど、頼めるのはツクネしかいないって・・・・。」
なるほど・・・と頷く。
モンブランが小声で「よくある話ね・・・」と言った。
「別れたあとのお金のトラブルって怖いのに・・・・。」
猫に言われたくない。
「お前は黙ってろ・・・」と追い払った。
「じゃあ結局お金を貸しちゃったわけだ。」
「いえ・・・・貸すのは無理でした。だって彼が必要としていたのは願いのこもったお金です。
となるとウチの賽銭箱に入ってるお金を貸すことになる。
そんなの親にお願いしたってOKしてくれるはずないし。」
「そりゃそうだろうね。だけど追い返したわけじゃないんだろ?
お金を貸すのは無理でも、どうにかして彼を助けてあげられないかって悩んだんじゃないか?」
「ええ、まあ・・・・。」
「ツクネちゃんってドライな印象を受けるけど、実はけっこう情に厚い子だ。
親身になって色々手を貸してあげたんじゃない?」
「・・・・・・・・。」
「参拝客を増やす方法を考えるとか、祠を目立つ場所に移そうとか。」
「・・・・・・・・。」
「あとはそうだな・・・・・もっとお金のある神社に借りるとか。」
「あ、あの・・・・有川さん・・・私は・・・・、」
「いっそのこと犯罪に手を染めるっていう方法もある。
彼と二人で協力して、賽銭箱の中からお金を盗むとか・・・・、」
「なッ・・・・、」
「もし盗みに入るならよく知ってる神社の方がいいよね。
例えば・・・・あえて自分の神社を狙うとか。」
イヤミな笑顔で彼女を睨む。
すると「違う!」と叫んだ。
「あれは私じゃない!」
カッと目を開いて怒る。
「彼が一人でやったことよ!いくら元彼から頼まれたからって、自分の家のモノを盗んだりなんかしない!」
顔を真っ赤にして怒鳴る。
怖いほど目がつり上がっていた。
でも俺は挑発を続けた。
「ほんとかな?一番手っ取り早い方法だと思うけど?」
「手っ取り早いとかそういう問題じゃない!自分の神社で盗みなんかするわけが・・・・、」
「実はまだ彼のことが好きで、情にほだされて手伝ったりして・・・、」
「ふざけないで!私はそんな女じゃない!」
耳がキンキンするほどの声で叫ぶ。
「私が手伝ったのは寛太さんからお金を借りることだけよ!それ以外のことはなんにもしてない!」
「ほう、あの神主さんから借りたのか。」
「だってそれしかなかったから!寛太さんは私に惚れてたし、頼めばいけると思ったから。
良くないことだって分かってたけど、それ以外に思いつかなくて・・・・、」
「なら借金は二度したわけだ?」
「え?」
「だってそうだろ?一度目は自分の神社を守る為、そして二度目は彼を助ける為に。」
そう言うとツクネちゃんの顔色が変わった。
「違う・・・・二回もなんてしてない・・・・、」
「なら一回の借金で全部借りたわけだ。500円以上のお金を。」
「そ、それは・・・・、」
「元々は神主さんから申し出たことだもんね。お金を貸してあげるって。
だったらツクネちゃんからお願いすれば、500円よりも多く借りることが出来たはずだ。」
「う・・・・。」
「けど神主さんのところだってそう儲かってるわけじゃないから、お金が返ってこないと困ることになる。
だから当然担保を要求してきたはずだ。そこで神社と土地を差し出すことにした。」
「・・・・・・・・。」
「ちょっとおかしいと思ってたんだよ。
いくら願いのこもったお金だからって、たかが500円で神社を担保にするわけがない。
だから実際はもっと多額のお金を借りてるんじゃないかって思ってたんだけど・・・・当たりだったみたいだね。」
「まあ・・・・・。」
「けど本気で神社を差し出すつもりはなかったはずだ。
元彼に協力したことで、親まで巻き込むわけにはいかないからね。
だから・・・・本当に担保として差し出したのは自分自身なんだろ?」
そう尋ねると、黙って目を逸らした。
「きっとご両親は本当のことは知らないはずだ。神社と土地が担保になってると思ってる。
だけど本当はそうじゃない。
もし借金が返せなかったら、君は神主さんと結婚する約束だったんだろ?」
「・・・・そうですよ。」
やや迷いながら答える。
俯いていた顔を上げ、睨むような目つきをしていた。
「有川さんの言いたいことは分かります。ひどい女だって言いたいんでしょ?」
「いや、そういうわけじゃ・・・・、」
「ていうかわざわざそんな言い方されなくたって、自分からちゃんと言うつもりだったのに。」
「・・・・・・・。」
「あなたの言う通り、彼の為に借金をしました。担保は私です。
けど本気で結婚するつもりなんてなかった。だからどうしても借金を返せないと困るんです。」
声に怒気がこもってくる。
けどその怒りは俺に向けられたものじゃない。
おそらく・・・・、
「あいつ・・・・お金を借りたその日から姿を見せなくなったんです。
必死に頼むから協力してあげたのに・・・音沙汰無しなんですよ。」
キっと目を釣り上げる。
「それからしばらくして賽銭泥棒が起こるようになりました。
絶対に捕まえてやろうって見張ってたけど、いくら頑張っても無理で・・・・。
その時ピンときたんです。これは彼の仕業に違いないって。」
「超音波だね。彼なら見張りくらい見抜くから。」
「お金を貸すのに協力した上に、ウチのお賽銭まで盗むなんて・・・・・。
もう我慢できないと思って、洞窟に乗り込みました。けど何度も行ってもいなかった。
きっと私が来る前に逃げてたんです。」
「超音波で探知して。」
「そうです。だったら探知できない方法で捕まえるしかない。それでチェリーを連れて帰ろうと・・・・、」
そう言って弟を見る。
「あんたには悪いと思ってる。全然関係ないのに巻き込んで・・・・。」
申し訳なさそうに口元を噛んでいる。
当のチェリー君はなんとも言えない顔で肩を竦めた。
「あいつは自分の為だけに私を利用したんだって思いました。だから絶対に懲らしめてやらないと気がすまなくて。
チェリーを連れて帰ったあの日、何がなんでも捕まえるつもりでした。
それが・・・逆に私が捕まっちゃって・・・・。」
歯がゆいのだろう。グッと拳を握っている。
しかし身体を覆うその力みはすぐに解けた。
「さらわれた後、彼のいる洞窟に連れて行かれたんです。
そこで目を覚ました私は、彼に飛びかかりました。
利用するだけして姿をくらますわ、お賽銭まで盗むわ、そのうえ家族にまで危害を加えるなんて・・・もう頭に血が昇っちゃって。」
「誰でもそうなるよ。その怒りは間違ってない。」
「けど・・・・その怒りもすぐに解けちゃったんです。」
怒っていた顔が元に戻る。
そして哀れみを抱くように目を閉じた。
「彼はすぐに謝ってきました。申し訳ないことをしたって。
そしてどうしてこんな事をしたのか教えてくれました。」
目を開け、「彼は・・・・」と続ける。
「お金を盗まれていたんです。」
「盗まれる・・・・?」
「寛太さんからお金を借りたその日のことです。
いったん祠の賽銭箱に入れて、そのあと餌を獲りに行ったそうです。
そして洞窟に戻って来ると・・・・賽銭箱は空っぽだったって。」
「そんな・・・いったい誰が・・・・、」
「分かりません。」
「分からない・・・・・?」
「だって彼がいない間の出来事だったから。」
「他のコウモリたちは見てないの?」
「一緒に餌を獲りに行ってたそうです。だからあの洞窟の中には誰もいなくて・・・・、」
「じゃあ結局犯人は分からずじまいってことか。」
「彼にとっては希望のお金でした。別れた彼女に頭まで下げて都合した物なのに・・・・。
このままじゃ本当に神様が去ってしまう。だから・・・・、」
「賽銭泥棒に走ったと?」
「そう言ってました。最初は寛太さんの神社から。
でもそれだけじゃ足りないから他の神社からもって・・・・。」
「その他の神社の中に、ツクネちゃんの神社も入ってたと?」
「はい。」
悲しそうな声で頷く。
「彼の能力を使えば見つからずに盗むなんて簡単だから。」
「う〜ん・・・・自分がされたことを、逆に他の神社にしちゃったのか。」
「そうしないと神様に奉納するお金がなくなります。
これ・・・人間には分からないだろうけど、神様の加護が消えるって霊獣にとってはすごく恥なんです。
その為に力を与えてもらってるのに、こいつは役に立たずだって見限られるわけだから。」
「霊獣にとっては辛いことなんだろうね。」
「とっても。」
力強く頷く。
「けどちまちま賽銭泥棒してたって埓があかなかったみたいです。
祠に祀っていた神様は、彼を見限って去ってしまったんです。」
「そうとう落ち込んだだろうね。」
「彼はもう私の知ってる彼じゃありませんでした。
自信も覇気も希望もない、死んだような目をしていましたから。
サッカーの夢が消えて、そして神様まで自分を見限った・・・・。」
「何も残されてなかったわけだ。けど・・・・変だよな。
君がさらわれた時はもう神様は去った後なんだろ?
じゃあなんて君のところに泥棒に来たんだろう?」
「違います。」
「ん?違うって・・・何が?」
「あの日・・・彼が盗みに来たのはお金じゃないんです。」
「え?じゃあいったいなんの為に・・・・、」
「私をさらう為です。」
「・・・・はい?」
素っ頓狂な声が出てしまう。
ツクネちゃんをさらう為とはいったい・・・・、
「さっきも言ったように、彼には何も残されてしませんでした。
希望も何もかもなくなって、このまま一人ぼっちなんだって思うと耐えられなかったみたいです。
だから私をさらったんです。ずっと傍にいてほしいって。
恋人じゃなくてもいいから、俺の傍にいてくれって。」
「なんて身勝手な・・・・、」
「そうです、身勝手です。身勝手なんだけど・・・・・。」
「もしかして・・・・断りきれなかった?」
「いえ、それは無理だって断りました。けどこのまま見捨てたらどうなるか分からない。
だから友達でいいなら、ちょくちょく会いに来るよって言いました。」
「やっぱり優しいね。普通なら知るかって怒りそうなもんだけど。」
「優しくなんかありません。優柔不断なだけです。」
まるで欠点だというように顔をしかめる。
「けど彼は納得しなかった。それなら新しい何かを手に入れて、この虚しさを誤魔化すしかないって・・・。」
「新しい何か?」
オウム返しに聞き返すと、「一番欲しがっていたもの」と答えた。
「彼は群れを率いて洞窟を出ていきました。
なんだか嫌な予感がしたから慌てて追いかけたんです。
そして辿り着いた先は・・・・寛太さんの神社でした。」
「神主さんの・・・・。」
「私にはすぐ目的が分かりました。彼はここを乗っ取るつもりなんだって。」
「乗っ取る・・・・。」
「だってもうそれしかないから。きっと手荒な事をしてでもやるつもりなんだって。
けど幸いなことにあの時寛太さんはいなかった。だからこんな事やめようって説得したんです。
悪さをして神社を乗っ取ったって、きっと神様は怒るだけだって。
でも聞いてくれなかった・・・・。このままじゃ寛太さんが戻ってきた時に襲いかねない。
そうなる前に力づくでも止めないとと思って、彼を蹴り飛ばしたんです。」
「け、蹴り飛ばす・・・・?」
「だって普通に連れて帰れないじゃないですか。だから気絶させようと思ったんです。
バコン!って叩き落としてから、思いっきり何度も蹴りました。」
《怖いよ・・・・。》
「彼はたまらず空に逃げていったけど、近くにあった小石を蹴って撃ち落とそうとしました。」
《だから怖いって!》
怯えていると、モンブランが「それ私が見た時の光景だわ!」と言った。
「あれってツクネちゃんの方から襲いかかってたんだ。」
「うん。他に良い方法が思いつかなくて。」
「でも逆にやられてたよね?超音波で操られて。」
「油断しちゃって。あの技って気をしっかり持ってれば効かないんだけど、あの時は私も焦ってたから。」
「最低なオスよね、メスを思い通りに操ろうなんて。」
「あの時は咄嗟にやったんだと思う。自分の身を守る為に。
それにあれってそう長続きしないのよ。2〜3時間くらいで解けちゃうから。」
「じゃあほっといてもツクネちゃんはすぐ元に戻ったってこと?」
「うん。」
「だったら私たちが助ける必要なかったじゃない。ねえ悠一。」
「そういう言い方をするな。」
俺たちの仕事が無駄になってしまうようなことをサラっと言う。
まあいつものことだけど。
「ツクネちゃんはコウモリ野郎に操られて、その後は洞窟へ戻ったわけだよね?」
「はい。」
「あの時俺やチェリー君に襲いかかってきたのもコウモリ野郎のせいで?」
「そうです。彼は洞窟の中に誰も入れたくなかったんです。
だって泥棒のせいでお金を取られちゃったから。」
「だから帰れ!って連呼してたんだね。ここはお前らの来るところじゃないって。」
「そんなこと言ってたんですか、私。」
「もちろん言わされてただけだって分かってる。あれは余所者を入れたくなかったからなんだね。」
「きっとそうだと思います。そしてその後のことは・・・・みんなが知ってる通りです。
私は暴れまくって大変だったんでしょ?」
「まあ・・・死ぬかと思うことが何度かあった。けどチェリー君が助けてくれたからさ。」
そう言って彼を振り返る。
「必死に俺たちを守ってくれたんだ。けど一番に守ろうとしてたのはツクネちゃんだよ。」
「私?」
「ほんとにお姉さんのことを心配してた。もし姉貴になんかあったらぶっ殺すって・・・コウモリ野郎を脅してたからね。」
「へえ〜・・・そんなことを。」
興味津々な目で見つめている。
チェリー君は「そ、そんなんじゃねえや!」と叫んだ。
「別に姉貴のことなんざ心配してねえ。ただもし身内になんかあったら目覚めが悪いだけで・・・、」
ツンデレ爆発である。
こういう所があるから憎めない。
「だいたい余計なこと言うんじゃねえよテメエは!」
「恥ずかしがるなよ。お姉さん思いなんて良いことじゃないか。」
「だからあ〜・・・違うっつってんだろ!」
顔を真っ赤にして否定している。
マサカリが「いよシスコン!」と叫んだ。
「うるせえな!」
モンブランも「美しい姉弟愛ねえ」とからかった。
「だから違う!別に姉貴なんかどうでも・・・、」
チュウベエも「いやいや、立派だ」と頷いた。
「身を賭してまでお姉ちゃんを助けようとしたんだ。お前は男だ。」
「だ〜か〜ら〜!違うって言ってんだろ!」
「あ、でもアレだぞ。どんなにお姉ちゃんが好きでも決して一線だけは超えないように・・・・、」
「ぶっ殺すぞ!」
子供みたいにグルグルパンチしながらマサカリたちを追いかけている。
「いい弟だね、チェリー君。」
ツクネちゃんを振り返りながら言うと、クスっと笑っていた。
「昔からああなんですよ。素直じゃないんです。」
「ツンデレを具現化したような子だよね。」
「でも身を挺して助けてくれたなんて・・・・ちょっと感動です。」
タタっと走っていって「よしよし」と頭を撫でていた。
「な、なんだよいきなり・・・・。」
「あんたにも迷惑かけちゃってごめんね。」
「んだよ・・・素直に謝りやがって。いつもは礼も言わねえくせに。」
「よしよし。」
「だからやめろって!」
嫌がりながらも思いっきり照れている。
ツンデレに加えてシスコンで間違いないだろう。
まあとにかく・・・・これで本当に終わりだ。
「帰るぞお前ら」と手をあげる。
動物たちはササっと走ってきて、俺の隣に並んだ。
「それじゃ二人共、俺たちはこれで。」
「はい、お世話になりました。」
「へ!とっとと帰れ。」
車に乗り込み、ゆっくりと発進させる。
ウィンドウ開け、「じゃあいつかまた」と手を振った。
ルームミラーには遠ざかる二人の姿が映っている。
チェリー君はまた頭を撫でられて、恥ずかしそうにツンデレを爆発させていた。

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