【ネタバレあり】 何がなんでも勝利をもぎ取るロビイスト 映画「女神の見えざる手」

  • 2018.08.17 Friday
  • 12:21

JUGEMテーマ:映画

「女神の見えざる手」という映画を見ました。
主人公は優秀なロビイスト。
依頼を受ければとことんまで相手を調べ上げ、時には味方さえも裏切ってまで仕事を成し遂げます。
ちなみにロビイストとは、ネガティブキャンペーンのプロのようなものです。
例えば政治家が「○○の法案を通したい」と依頼すれば、敵対する勢力に対してマイナスイメージを抱かせるような情報を流します。
そして依頼者の勢力にはプラスになるようなイメージを流し、世間の印象を操作する仕事です。
これを実行するには、優れた情報収集力、どんな相手にも臆さない行動力、二手三手と先まで読む先見の明など、あらゆる能力が必要になります。
また敵対する勢力を味方に引き込む交渉力や、裏切り者が出ないように味方を監視することさえあります。
主人公の女性は政治家からある依頼を受けます。
アメリカで銃規制が叫ばれる昨今、味方を増やしたい。
どうにかして女性票を取り込んでほしい。
この依頼に対して主人公は食ってかかりました。
その政治家が提案した方法があまりにも前時代的だったからです。
女を馬鹿にしていると憤り、大物のクライアントに喧嘩を売り、あとで上司からこっぴどく怒られました。
そんな中、銃規制を推進するロビイストからヘッドハンティングが掛かりました。
悩む主人公でしたが、古巣にいるよりマシだと思い、その申し出を引き受けます。
銃規制派を押さえ込もうとする以前の会社、銃規制を推進しようとする今の会社。
主人公は古巣から何人かの部下を引き抜き、銃規制の戦いを有利に進めようとしました。
しかし最も信頼していた部下はついて来てくれませんでした。
かつての仲間たちと敵対する構図になってしまいます。
銃を規制するかどうか?
その駆け引きは熾烈なもので、敵は平気で卑劣な手を使ってきます。
となればこちらも同じくやり返します。
まず味方から疑いにかかりました。
あえて偽の情報を流し、裏切り者を炙りだそうとしたのです。
そして偽の情報に踊らされた裏切り者を、みんなの前で晒し上げました。
それだけではありません。
なんと味方全員に監視をつけていたのです。
行き過ぎたやり方は、仲間からの信頼も損ねていきます。
主人公はとにかく優秀なのですが、勝つ為には手段を選ばないところがあり、最後になって足元を掬われそうになりました。
自分をヘッドハンティングしてくれた仲間からも罵られ、オフィスに一人残されます。
頭を抱え、自棄を起こしたかのように種類を投げ散らかしました。
そして精神安定剤を飲み込みます。
いつでも強い自分を見せる為に、彼女は無理をしていました。
ロビイストの世界では隙を見せた者が負けます。
昼間は薬に頼り、夜は密かに男を買い、どうにかギリギリのところで心を保っていました。
勝つということに異常なまでのこだわりを持つ主人公は、どんな逆境に陥っても諦めません。
辛い過去を背負う部下がいて、その部下の過去を利用してでも世間の印象を操作しようとします。
しかし予想外のことはいつでも起こるもので、その部下が暴漢に銃で襲われました。
いきなり首筋に銃を突きつけられ、威嚇射撃までされます。
部下は怯えきり、頭を抱えてうずくまるしかありませんでした。
そんなピンチを救ってくれたのは、銃を持った一般市民でした。
パンパン!と銃声がしたかと思うと、暴漢は銃弾に撃ち抜かれて倒れていました。
銃規制を推進するロビイストが、皮肉にも一般市民の銃によって助けられたのです。
この出来事によって世間の流れは大きく変わります。
ますます追い詰められていく主人公。
やがて今までの無茶まで掘り返されて、査問委員会のような場所で、監視や書類の不正を追求されました。
もはや流れは規制反対派の勝利、それどころか主人公は自分の立場さえ危うい状態です。
しかしここまで来てもまだ諦めません。
勝つためには手段を選ばない。
主人公は虫型の盗聴器を使い、規制反対派の議員と古巣の上司が密会している現場を押さえていました。
しかもその映像をネットに上げていて、査問委員会にいる全員にその動画のアドレスを教えました。
全員のスマホに映し出される密会の映像。
そこにいるのは主人公を追求している規制反対派の議長。
そしてかつての自分の上司です。
議長は逃げ出すように議会をあとにしました。
それを追いかけるマスコミ、悔しがるかつての上司。
主人公はギリギリのところで大逆転を収めました。
しかしこの勝利は彼女だけの力ではありません。
袂を分けたはずの昔の部下、夜な夜なホテルで会っていた金で買った男、そして自分のせいで暴漢に襲われるという危険な目に遭わせてしまった部下。
勝利のみにこだわり、手段をいとわずに突っ走ってきた主人公なのに、なぜか最後に味方してくれたり、自分の意志に賛同してくれたりと、本当に嫌われているわけではなかったのです。
なんでもズバズバ物を言い、利用できるものは仲間さえ利用し、周りさえ顧みずに突き進んできた主人公。
最後まで戦い抜こうとするそのブレない姿勢は、好感度は下がっても信用は勝ち取っていたのでした。
表面上は綺麗事を装い、裏では汚いことをやっていた敵とは違っていたのです。
耳障りのいいおべんちゃらではなく、例え辛辣であっても、勝ちたいという自分に素直な主人公の方が、最終的には信頼を勝ち取ってたということだと思います。
主人公はロビイストとして立派に依頼を果たし、勝利を収めました。
しかし代償も払いました。
映画の冒頭部分で、議会で嘘の証言をしてしまったのです。
そのせいでしばらく刑務所へ入ることになりました。
幸い優秀な弁護士のおかげで早く出られましたが。
刑務所から出てきた主人公は、大きなバッグを担いで去りゆきます。
ここで映画は終わりです。
きっと主人公はまた戦いに向かうでしょう。
自分でも病的だと自覚するほど、勝利に拘るからです。
たまに超えてはいけないラインまで超えてしまい、自分でも境目が分からなくなると言っていたほどです。
こういう人に大人しい人生は似合わないでしょう。
焼け付くような逆境の中でこそ輝く、一人荒野を行く戦士のような主人公でした。
ストーリーはドキドキハラハラさせられるほど面白く、役者さんの演技も素晴らしかったです。
特に主人公を演じた女優さんの演技は最高で、強い自分と弱い自分を見事に演じ分けていました。
とても才能のある方で、大きな賞も受賞されています。
最近は映画はご無沙汰だったんですが、久しぶりに見た映画が面白いと嬉しくなるものです。
「女神の見えざる手」
最初から最後まで惹きこまれたとても面白い映画でした。

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