竜人戦記 第五十話

  • 2010.09.25 Saturday
  • 09:09
 地獄の門の鍵のある塔の中に入ると、リオンという見張り番の武道家がいた。
フェイとリンは協力して、そのリオンという強敵を倒した。
闘いで疲れているフェイとリンを残して、ケイト達は塔の上へと続く階段を上がった。
しばらく上に続く階段が続いた。
そして一つの部屋になっている場所に上がった。
階段はその部屋の奥にあった。
「多分ここにもリオンのような見張り番がいるんだろうな。」
マルスが言った。
そしてケイト達が部屋を進んで行くと、階段の手前に魔法陣が現れた。
そこから一人の剣士が出てくる。
綺麗な顔立ちをしていてるが、その目つきは鋭かった。
鎧を着ており、手には剣を持っている。
おそらくこの剣士も塔の見張り番だろう。
「俺はジョーイという。
トリスに頼まれて、この塔の見張り番をしている。」
ジョーイと名乗った剣士はそう言った。
するとマルスが剣を抜いて前に出た。
「こいつは俺に闘わせてくれ。」
マルスは言った。
ケイトはウェインを見た。
ウェインは闘うそぶりを見せず、部屋の壁まで歩いて行ってそこにもたれかかった。
どうやらマルスに闘いを任せるらしい。
ケイトはウェインの横に並んでマルスを見守ることにした。
「お前が俺の相手か。」
ジョーイがマルスを見て言った。
「ああ、そうだ。
お前を倒して上の階段に進ませてもらう。」
マルスは剣を構えて言った。
「いいだろう。
かかってこい。」
そう言ってジョーイも剣を構えた。
しばらく二人は睨み合っていた。
そして先に動いたのはジョーイだった。
素早くマルスに斬りつけてくる。
マルスはそれを剣で受け止めると、自分もジョーイに斬りかかった。
ジョーイはそれをあっさりとかわすと、マルスの足に斬りつけた。
マルスの足から血が流れる。
しかしマルスはひるむことなくジョーイに斬りかかっていく。
マルスは激しい攻撃を繰り出した。
しかしジョーイはそれを全て剣で受け流している。
マルスの剣はかすりもしなかった。
ジョーイは一旦後ろに飛んだ。
それを追撃するマルス。
そしてマルスが斬りかかった所をジョーイがかわすと、マルスの左腕に斬りつけた。
「くっ!」
マルスは少し苦しそうな声をあげた。
しかしマルスは攻撃をやめない。
連続でジョーイに斬りかかる。
しかしジョーイは余裕でマルスの剣を防いでいる。
どう見てもマルスは劣勢だった。
そしてジョーイの剣がマルスの右肩に突き刺さった。
「ぐわあ!」
痛みに叫び声をあげるマルス。
ジョーイはマルスの右肩から剣を引き抜くと、ジョーイの首をめがけて斬りかかった。
それをしゃがんで何とかかわすマルス。
しかしジョーイは攻撃をやめない。
ジョーイは再びマルスの足に斬りつけた。
マルスは足に深いダメージを負い、苦しそうにした。
ジョーイはさらにマルスに斬りつけてくる。
マルスはジョーイの剣を防ぐので精一杯だった。
しかしジョーイの剣はマルスの剣の隙間をぬって斬りつけてくる。
右腕を斬られたマルス。
危うく剣を落としそうになった。
マルスもジョーイに斬りかかるが、両腕を斬りつけられているマルスの剣は遅かった。
ジョーイはマルスの振った剣を片手で掴んでみせた。
「どうした?
お前の実力はこんなものか?」
片手で掴んだ剣を離し、ジョーイはそう言いながら斬りつけてくる。
マルスは必死に防ぐ。
ジョーイの剣がマルスの体に当たる。
しかしマルスは鎧を着ていたおかげで助かった。
しかし斬られた鎧は大きく傷ついていた。
「この勝負、マルスは不利だな。」
ウェインが言った。
「マルスはジョーイに勝てないっていうことですか?」
ケイトは心配になって聞いた。
「その可能性が高い。
マルスは基本ができているいい剣士だが、決め手に欠ける。
このまま闘いが長引けば、負けるかもしれないな。」
「じゃあウェインさんが助けてあげて下さい!」
ケイトは言った。
しかしウェインは首を横に振った。
「あいつは自分で闘うと言ったんだ。
この闘いはあいつのものだ。
俺達が手を出すべきじゃない。」
ウェインはマルスが闘っている方を見ながら言った。
「でも、そんなこと言ってもしマルスが死んじゃったらどうするんですか!」
ケイトは叫ぶように言った。
するとウェインはケイトの目を見て言った。
「お前はマルスの仲間だろう。
だったら最後まであいつを信じて見守ってやれ。」
ウェインにそう言われ、ケイトは十字架を握りながらマルスを見た。
かなり苦戦を強いられているマルス。
ジョーイの剣がまたマルスの体に当たった。
マルスの鎧は大きく傷つけられ、体の一部が剥き出しになった。
そこへジョーイが斬りつける。
マルスは体を斬られて血を流した。
「ぐううう!」
苦しそうな声を出すマルス。
それでもマルスは諦めない。
必死にジョーイと闘っている。
しかしジョーイの剣は、だんだんとマルスを追い詰めていく。
このままではマルスがやられてしまう。
ケイトはそう思った。
マルスはダメージを受け、動きも鈍くなっていた。
ジョーイはとどめとばかりに、マルスの首を狙ってきた。
その時、マルスは自分の剣をジョーイに投げつけた。
ジョーイは一瞬ひるんだが、マルスの投げた剣を自分の剣で振り払った。
そこへマルスがジョーイに飛びかかった。
マルスはジョーイの両腕を掴んだ。
それを離そうとするジョーイ。
マルスはジョーイの両腕を掴んだまま、頭突きを放った。
予想外の出来事にうろたえるジョーイ。
そしてマルスはジョーイの体を蹴り飛ばした。
ジョーイは大きく後ろへよろめいた。
マルスは投げた剣を拾って、再びジョーイに向かって投げつけた。
マルスの投げた剣は、ジョーイの右肩に刺さった。
「この!」
そう言って刺さった剣を抜こうとするジョーイ。
しかしマルスはジョーイに駆け寄ると、ジョーイの右肩に刺さった剣を握った。
そしてそれを深く刺し込んだ。
「ぐわああ!」
痛みに叫び声をあげるジョーイ。
マルスはジョーイの右肩から剣を引き抜くと、ジョーイの右腕に斬りつけた。
そして続けてジョーイの左腕も斬りつけた。
両腕を斬られたジョーイ。
「この野郎!
やりやがったな!」
ジョーイはそう言って剣を振ってくる。
しかし両腕を斬られたジョーイの剣は遅かった。
マルスも両腕を斬られている。
しかしマルスは気合を込めて剣を振っていた。
ジョーイの剣より、マルスの剣の方が速かった。
マルスはもう一度ジョーイの右腕に斬りつけた。
右腕に深いダメージを負って、ジョーイは左腕でしか剣を握れなくなった。
「うおおおお!」
マルスは気合の声とともにジョーイに斬りかかる。
傷付いた左腕でしか剣を扱えないジョーイは、マルスの攻撃を防ぎきれなかった。
マルスの剣はジョーイの足を斬りつけた。
ジョーイは苦しそうな声を出す。
そしてマルスは再びジョーイの左腕を斬りつけた。
剣を握っていた左腕に大きくダメージを負って、ジョーイは剣を落としてしまった。
そこへマルスがジョーイの首に剣を当てる。
「もう勝負はついた。
これ以上続けるなら、首を斬り落とす。」
マルスは言った。
するとジョーイは降参というように両手をあげた。
「参った。
お前の勝ちだよ。」
ジョーイはそう言った。
その言葉を聞き、マルスは剣を鞘におさめた。
「中々楽しい闘いだったよ。」
ジョーイはそう言って出て来た魔法陣に戻った。
「強かったぜ、お前。
じゃあな。」
ジョーイはマルスにそう言うと、魔法陣の中に消えて行った。
「ふう。」
マルスはホッとしたように息を吐き出した。
ケイトがマルスに近寄って聖者の腕輪で傷を治そうとした。
しかしフェイ達と同様に、マルスもそれを断った。
「この先には何があるか分からないからな。
俺の傷は大したことはない。
ケイトはいつでも聖者の腕輪が使えるように、力を温存しておくべきだ。」
そう言ってマルスは笑ってみせた。
「でも・・・。」
「いいから。
俺のことは心配するな。
俺はちょっとこの部屋で休んでいくよ。
ウェインと一緒に先に上に行っててくれ。」
マルスにそう言われ、ケイトは聖者の腕輪でマルスの傷を治すのをやめた。
「上に行くぞ。」
ウェインに促され、ケイトは歩き始めた。
「マルス。
上で待ってるから必ず来てね。」
ケイトの言葉にマルスは頷いた。
ケイトはウェインとともに上へと続く階段を上って行った。
その頃、一人のエルフが地獄の門の鍵のある塔にやって来た。
そのエルフは塔の中に入り、階段を上がり始めた。
まずフェイとリンがそのエルフに気付いた。
「誰だ、あんた?」
フェイはそのエルフを見て言った。
そのエルフはフェイ達を無視して階段を上がって行った。
「おい、ちょっと待てよ!」
フェイはそう言って追いかけようとしたが、リオンとの闘いでまだ体にダメージが残っていた。
フェイとリンは、階段を上がって行くそのエルフを見ていることしか出来なかった。
すると今度はマルスのいる部屋にそのエルフは上がって来た。
「お前は確か、マリーンと闘っていた・・・。」
そのエルフを見て、マルスは思い出すように言いかけた。
そのエルフはマルスも無視して階段を上がって行った。
マルスもダメージを負っており、そのエルフを追いかけることが出来なかった。
そのエルフはどんどん階段を上がって行く。
すると、やがて背中に大剣を背負っている剣士と、その後ろをついて行くシスターが見えた。
そのエルフは階段を駆け上がり、シスターを捕まえると、腕で首を絞めた。
「きゃあ。」
ケイトは叫んだ。
その声を聞いて振り向くウェイン。
「魔人の気を追って来てみれば、まさか竜人がいたとはね。」
ケイトの首を絞めているエルフは言った。
そのエルフは腰に鞭をつけていた。
「離して!」
ケイトは叫ぶ。
このエルフはさっき魔人の気を追って来たと言っていた。
しかし魔人なんてどこにもいない。
ケイトはそう思いながらもエルフの腕からのがれようと身をよじった。
しかしエルフはケイトの首を絞めている腕に力を込めた。
「うぐ!」
ケイトはあえぐように言った。
「ねえ、竜人。
取り引きしましょ。
地獄の門の鍵の地図と、その封印を解く石を渡して。
そしたらこのシスターを解放してあげる。」
するとウェインは言った。
「地獄の門の鍵の地図は魔人に奪われた。
そして何よりこの塔に地獄の門の鍵がある。」
「あら、そうなの?」
ケイトの首を絞めているエルフは驚くように言った。
「この塔に地獄の門の鍵があるのね。
どうりでここから魔人の気がするはずだわ。」
そのエルフは不敵な笑みを浮かべてそう言った。
「魔人だと?
奴はどこにいる。」
ウェインは言った。
「ふふふ、気付いていないのね。
魔人がどこにいるか、それは教えられないわ。
そんなことより取り引きよ。
地獄の門の鍵の地図は魔人に奪われたのよね。
なら地獄の門の鍵の封印を解く石を渡してちょうだい。
さもなくば、このシスターの命はないわよ。」
ウェインはじっとそのエルフを睨んでいた。
ケイトは首をきつく絞められて声が出せない。
息をするもの苦しい。
ケイトは心の中で思った。
私のことはいいから、このエルフに地獄の門の鍵の封印を解く石を渡したらダメ。
ケイトは強くそう思いながら、首を絞められたままウェインを見つめていた。
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