竜人戦記 第五十五話

  • 2010.09.30 Thursday
  • 09:30
 激しい斬り合いを続けているウェインと魔人。
それをケイトとフェイ達は見守っていた。
「ウェインに加勢しないの?」
マリーンが聞いてきた。
「下手に加勢したら、ウェインの足手まといになっちまうんだ。」
フェイが答えた。
ケイト達はただ、ウェインの闘いを見守るしかなかった。
魔人が斬り合いの隙をついて、口から黒い炎の球を吐いた。
ウェインは横に飛んでそれをかわす。
すると魔人は呪文を唱えた。
魔人の上に無数の黒い針が現れる。
無数の黒い針は、ウェインめがけて飛んでいった。
ウェインは大剣を大きく振りまわし、その風圧で無数の黒い針を吹き飛ばした。
そしてウェインは大剣を振り、光の刃を放った。
魔人はシールドを張ってそれを防いだ。
魔人は次の呪文の唱える。
今度は魔人の上に黒い鎌が現れた。
黒い鎌は、まるで自分の意思を持っているかのように動きながらウェインに襲いかかる。
ウェインは大剣で黒い鎌を受け止めた。
そこへ魔人が斬りかかる。
ウェインは左肩を斬られてしまった。
黒い鎌は自在に動き、ウェインの背後から襲いかかる。
ウェインは上へ飛んでそれをかわすと、黒い鎌に斬りつけた。
黒い鎌は真っ二つになり、砂のように崩れ去った。
そしてウェインは魔人に斬りかかる。
魔人はウェインの剣を受け止めた。
するとウェインは目から光を放った。
魔人が一瞬苦しんだ。
その隙にウェインが斬りかかる。
魔人の体は、ウェインの大剣によって大きく斬られた。
魔人は一旦後ろへジャンプした。
「相変わらずやるな、ウェイン。」
魔人は言った。
「何としてもここでお前を倒す。」
ウェインはそう言って再び魔人に斬りかかる。
魔人はウェインの大剣をかわし、口からまた黒い炎の球を吐いた。
ウェインはしゃがんでそれをよけると、下から上に向かって大剣を振り上げた。
すると炎の竜巻が発生し、魔人に迫っていく。
魔人はまたシールドを張り、炎の竜巻を防いだ。
そして炎の竜巻が消えると、ウェインはまた魔人に斬りかかった。
ウェインと魔人の斬り合いが始まる。
両者の闘いは互角だった。
お互いに一歩も譲らない。
「すげえ闘いだ。」
フェイが言った。
ケイトは十字架を握ってウェインの勝利を願っていた。
そしてウェインと魔人の斬り合いがしばらく続いたあと、魔人は大きく後ろへジャンプした。
「もういい。」
魔人は言った。
「お前達を殺してから地獄の門を開くつもりだったが、このままウェインと闘っていてもらちがあかない。
もう地獄の門を開くことにする。」
魔人はそう言うと、飲み込んでいた地獄の門の鍵を吐き出した。
そして剣のように変えていた手を元に戻すと、魔人は地獄の門の鍵を持って、魔法陣の中にある扉に鍵を差し込もうとした。
ウェインがそうはさせまいと魔人に斬りかかる。
すると魔人は口から黒い霧を放った。
ウェインはそれをくらって一瞬立ち止まる。
その間に魔人は魔法陣の中にある扉に、地獄の門の鍵を差し込んだ。
「あとはこの鍵を右に回せば地獄の門は開く。」
魔人は言った。
魔人が地獄の門の鍵を右に回そうとする。
しかし黒い霧をくらって立ち止まっていたウェインが再び動き出し、魔人に斬りかかった。
魔人は後ろへ飛んでそれをかわす。
「邪魔をするなウェイン!」
魔人は叫んだ。
ウェインは地獄の門の鍵を抜こうとした。
「させるか!」
魔人はそう言って、ウェインに体当たりをしてきた。
それをくらって後ろによろけるウェイン。
魔人は地獄の門の鍵を掴むと、右に回した。
すると魔法陣の中の扉が大きな音をたてた。
そしてゆっくりと、地獄の門が開かれていった。
「何てことだ!」
マルスは叫んだ。
地獄の門は少しずつ、ゆっくりと開いていく。
その中からおぞましいほどの邪悪な気が放たれてきた。
この門の向こうは地獄と繋がっているのだ。
その門が、今開かれようとしていた。
「ははは、やったぞ。!
地獄の門を開いたぞ!」
魔人は大きく笑う。
ウェインは再び魔人に斬りかかった。
しかし魔人はそれをかわすと、もう闘うそぶりを見せなかった。
魔人としては目的を達成したのだ。
もう闘う必要はないということだろう。
ウェインは大剣を振りながら魔人を追いかける。
しかし魔人は笑いながらウェインの剣をかわして逃げている。
その間にもどんどん地獄の門が開いていく。
門の中からは邪悪な気がどんどんあふれてくる。
そしてケイトは、門の奥の方から無数の邪悪な気配を感じた。
きっと地獄の悪魔達がこの門を目指してやって来ているのだ。
「クソ!
何とか出来ないのか。」
マルスが悔しそうに言った。
「私達、何にも出来ないの・・・。」
リンが絶望したように言った。
地獄の門はどんどん開いていく。
「何か手はないのかしら。」
マリーンも焦ったように言った。
「ははは、この世は地獄に変わるぞ。」
ウェインの大剣から逃れながら、魔人が笑ってそう言った。
地獄の門は、もう半分まで開いている。
その時ケイトは、聖者の腕輪に願った。
地獄の門を閉じて欲しい。
何度も強くそう願った。
すると聖者の腕輪が光り出した。
ケイトは地獄の門に向かって、聖者の腕輪を投げつけた。
聖者の腕輪は地獄の門に当たった。
すると辺りに眩い光が放たれた。
地獄の門の近くで、聖者の腕輪が光っている。
地獄の門は閉じなかったが、門が開くのが止まった。
「この小娘!
何をした!」
魔人がそう言いながらケイトに向かって来る。
フェイ達とマリーンがケイトを守ろうとしたが、魔人はフェイ達とマリーンを殴り飛ばしてしまった。
「ケイト、逃げて!」
殴り飛ばされたマリーンが言った。
魔人がケイトの前に立つ。
ケイトは魔人を見上げた。
「余計なことをしやがって!
殺してやる。」
そう言うと魔人は手を剣のように変えて、ケイトめがけて突き刺そうとした。
殺される。
そう思ってケイトは目を閉じた。
その時だった。
ドス!っという音が響いた。
ケイトが目を開けてみると、ウェインが魔人の体を後ろから大剣で突き刺していた。
「うおおおお!」
そう言いながらウェインは魔人を突き刺したまま大剣を持ち上げた。
「何をする気だ、ウェイン!」
魔人は叫んだ。
するとウェインは半分まで開いた地獄の門まで行った。
「貴様はこの世にいてはいけない存在だ。
地獄へ行け!」
そう言ってウェインは大剣を引き抜き、魔人を地獄の門の中へ落とそうとした。
しかし魔人は抵抗した。
「ウェイン、やはり貴様は殺す!」
魔人が言った。
そしてウェインに向かって斬りかかって来た。
ウェインはそれをかわすと、再び魔人の体に大剣を突き刺した。
そしてそのまま大剣を地獄の門の中へと振り下ろした。
魔人の体はウェインの大剣から抜け、地獄の門の中へと落ちて行く。
「ウェインー!
こんなことをしても何も変わらんぞー!
俺を地獄に落としても地獄の門が閉じるわけじゃないからなー!」
地獄に落ちて行きながら魔人は叫んだ。
「俺は再び地上に戻る!
悪魔とともにな!
この世が地獄に変わるのをこの目でみてやるのさ。
ははは。」
そう言って魔人は笑った。
ウェインは大剣を振りかぶった。
大剣の輝きが今までにないほどに増す。
そしてウェインは大剣を地獄の門の中に向かって振った。
光の刃が魔人めがけて飛んでいく。
それをくらった魔人は真っ二つにされた。
しかし真っ二つにされた魔人はなおも笑っていた。
そしてその姿は地獄に落ちて行って見えなくなった。
その時、聖者の腕輪がパキンという音をたてて壊れた。
地獄の門が開くのを止めていた聖者の腕輪。
しかし地獄の門の開く力に耐えられなくなったのだろう。
聖者の腕輪の力がなくなった地獄の門は、再び開き始めた。
ウェインは大剣を床に置き、地獄の門を閉めようとしている。
「俺達も手伝うぜ!」
そう言ってフェイ達とマリーンも地獄の門を閉じようとした。
しかし地獄の門は閉まらない。
ケイトも地獄の門を閉めようとした。
何とかこれを閉めないと、この世が地獄に変わってしまう。
するとウェインが床に置いた大剣を掴んだ。
「どいていろ。」
ウェインはフェイ達に言った。
ウェインは「はあああ!」と言いながら力を込めた。
そして大剣で地獄の門の右側を斬りつけた。
大剣が地獄の門の右側に当たって凄まじい音が響いた。
その衝撃で門の右側が閉まった。
そして今度は門の左側に斬りつけた。
同じうように門の左側も閉まった。
地獄の門は閉まった。
しかしまた開こうとしている。
みんなで必死にそれを押さえ、その間にウェインが地獄の門の鍵を左に回して鍵を閉じた。
ようやく地獄の門は閉じられた。
すると地獄の門の魔法陣も消えた。
ウェインは地獄の門の鍵を床に置くと、大剣で真っ二つにした。
そして地獄の門の鍵に向かって手から光の球を放った。
地獄の門の鍵は消滅した。
「ふう、終わったな。」
フェイが笑いながら言った。
「どうなることかと思ったよ。」
マルスも安堵したように言う。
「全て終わりましたね、ウェインさん。」
ケイトはウェインの傍に寄って言った。
「ああ、目的は全て果たした。」
そう言ってウェインは少し微笑んだ。
「じゃあこんな塔とはさっさとおさらばしようぜ。」
フェイが言った。
その言葉を合図に、みんなが塔の階段を下り始めた。
そして途中にあった部屋で、一人のエルフが死んでいた。
マリーンはそのエルフに駆け寄り、まだ心臓に刺さっていた矢を抜いた。
「エリーナ、一緒に行きましょう。」
そう言うとマリーンはエリーナをおんぶした。
「その人がマリーンの妹さんなのね。」
ケイトは言った。
「ええ、そうよ。
この子のお墓を作ってあげないと。」
マリーンはそう言った。
みんなは階段を下り、塔の出口までやって来た。
そして塔の扉を開けて外に出た。
太陽が眩しく輝いていた。
全て終わった。
ケイトはそう思い、塔を見上げた。
もう地獄の門が開かれることもないし、魔人もいなくなった。
「何やってるの、ケイト。
早く行こうよ。」
リンが塔を見上げていたケイトに呼びかける。
みんなは先に歩いて行っていた。
ケイトは笑顔で頷き、みんなの元へ走って行った。




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