竜人戦記 第五十五話

  • 2010.09.30 Thursday
  • 09:30
 激しい斬り合いを続けているウェインと魔人。
それをケイトとフェイ達は見守っていた。
「ウェインに加勢しないの?」
マリーンが聞いてきた。
「下手に加勢したら、ウェインの足手まといになっちまうんだ。」
フェイが答えた。
ケイト達はただ、ウェインの闘いを見守るしかなかった。
魔人が斬り合いの隙をついて、口から黒い炎の球を吐いた。
ウェインは横に飛んでそれをかわす。
すると魔人は呪文を唱えた。
魔人の上に無数の黒い針が現れる。
無数の黒い針は、ウェインめがけて飛んでいった。
ウェインは大剣を大きく振りまわし、その風圧で無数の黒い針を吹き飛ばした。
そしてウェインは大剣を振り、光の刃を放った。
魔人はシールドを張ってそれを防いだ。
魔人は次の呪文の唱える。
今度は魔人の上に黒い鎌が現れた。
黒い鎌は、まるで自分の意思を持っているかのように動きながらウェインに襲いかかる。
ウェインは大剣で黒い鎌を受け止めた。
そこへ魔人が斬りかかる。
ウェインは左肩を斬られてしまった。
黒い鎌は自在に動き、ウェインの背後から襲いかかる。
ウェインは上へ飛んでそれをかわすと、黒い鎌に斬りつけた。
黒い鎌は真っ二つになり、砂のように崩れ去った。
そしてウェインは魔人に斬りかかる。
魔人はウェインの剣を受け止めた。
するとウェインは目から光を放った。
魔人が一瞬苦しんだ。
その隙にウェインが斬りかかる。
魔人の体は、ウェインの大剣によって大きく斬られた。
魔人は一旦後ろへジャンプした。
「相変わらずやるな、ウェイン。」
魔人は言った。
「何としてもここでお前を倒す。」
ウェインはそう言って再び魔人に斬りかかる。
魔人はウェインの大剣をかわし、口からまた黒い炎の球を吐いた。
ウェインはしゃがんでそれをよけると、下から上に向かって大剣を振り上げた。
すると炎の竜巻が発生し、魔人に迫っていく。
魔人はまたシールドを張り、炎の竜巻を防いだ。
そして炎の竜巻が消えると、ウェインはまた魔人に斬りかかった。
ウェインと魔人の斬り合いが始まる。
両者の闘いは互角だった。
お互いに一歩も譲らない。
「すげえ闘いだ。」
フェイが言った。
ケイトは十字架を握ってウェインの勝利を願っていた。
そしてウェインと魔人の斬り合いがしばらく続いたあと、魔人は大きく後ろへジャンプした。
「もういい。」
魔人は言った。
「お前達を殺してから地獄の門を開くつもりだったが、このままウェインと闘っていてもらちがあかない。
もう地獄の門を開くことにする。」
魔人はそう言うと、飲み込んでいた地獄の門の鍵を吐き出した。
そして剣のように変えていた手を元に戻すと、魔人は地獄の門の鍵を持って、魔法陣の中にある扉に鍵を差し込もうとした。
ウェインがそうはさせまいと魔人に斬りかかる。
すると魔人は口から黒い霧を放った。
ウェインはそれをくらって一瞬立ち止まる。
その間に魔人は魔法陣の中にある扉に、地獄の門の鍵を差し込んだ。
「あとはこの鍵を右に回せば地獄の門は開く。」
魔人は言った。
魔人が地獄の門の鍵を右に回そうとする。
しかし黒い霧をくらって立ち止まっていたウェインが再び動き出し、魔人に斬りかかった。
魔人は後ろへ飛んでそれをかわす。
「邪魔をするなウェイン!」
魔人は叫んだ。
ウェインは地獄の門の鍵を抜こうとした。
「させるか!」
魔人はそう言って、ウェインに体当たりをしてきた。
それをくらって後ろによろけるウェイン。
魔人は地獄の門の鍵を掴むと、右に回した。
すると魔法陣の中の扉が大きな音をたてた。
そしてゆっくりと、地獄の門が開かれていった。
「何てことだ!」
マルスは叫んだ。
地獄の門は少しずつ、ゆっくりと開いていく。
その中からおぞましいほどの邪悪な気が放たれてきた。
この門の向こうは地獄と繋がっているのだ。
その門が、今開かれようとしていた。
「ははは、やったぞ。!
地獄の門を開いたぞ!」
魔人は大きく笑う。
ウェインは再び魔人に斬りかかった。
しかし魔人はそれをかわすと、もう闘うそぶりを見せなかった。
魔人としては目的を達成したのだ。
もう闘う必要はないということだろう。
ウェインは大剣を振りながら魔人を追いかける。
しかし魔人は笑いながらウェインの剣をかわして逃げている。
その間にもどんどん地獄の門が開いていく。
門の中からは邪悪な気がどんどんあふれてくる。
そしてケイトは、門の奥の方から無数の邪悪な気配を感じた。
きっと地獄の悪魔達がこの門を目指してやって来ているのだ。
「クソ!
何とか出来ないのか。」
マルスが悔しそうに言った。
「私達、何にも出来ないの・・・。」
リンが絶望したように言った。
地獄の門はどんどん開いていく。
「何か手はないのかしら。」
マリーンも焦ったように言った。
「ははは、この世は地獄に変わるぞ。」
ウェインの大剣から逃れながら、魔人が笑ってそう言った。
地獄の門は、もう半分まで開いている。
その時ケイトは、聖者の腕輪に願った。
地獄の門を閉じて欲しい。
何度も強くそう願った。
すると聖者の腕輪が光り出した。
ケイトは地獄の門に向かって、聖者の腕輪を投げつけた。
聖者の腕輪は地獄の門に当たった。
すると辺りに眩い光が放たれた。
地獄の門の近くで、聖者の腕輪が光っている。
地獄の門は閉じなかったが、門が開くのが止まった。
「この小娘!
何をした!」
魔人がそう言いながらケイトに向かって来る。
フェイ達とマリーンがケイトを守ろうとしたが、魔人はフェイ達とマリーンを殴り飛ばしてしまった。
「ケイト、逃げて!」
殴り飛ばされたマリーンが言った。
魔人がケイトの前に立つ。
ケイトは魔人を見上げた。
「余計なことをしやがって!
殺してやる。」
そう言うと魔人は手を剣のように変えて、ケイトめがけて突き刺そうとした。
殺される。
そう思ってケイトは目を閉じた。
その時だった。
ドス!っという音が響いた。
ケイトが目を開けてみると、ウェインが魔人の体を後ろから大剣で突き刺していた。
「うおおおお!」
そう言いながらウェインは魔人を突き刺したまま大剣を持ち上げた。
「何をする気だ、ウェイン!」
魔人は叫んだ。
するとウェインは半分まで開いた地獄の門まで行った。
「貴様はこの世にいてはいけない存在だ。
地獄へ行け!」
そう言ってウェインは大剣を引き抜き、魔人を地獄の門の中へ落とそうとした。
しかし魔人は抵抗した。
「ウェイン、やはり貴様は殺す!」
魔人が言った。
そしてウェインに向かって斬りかかって来た。
ウェインはそれをかわすと、再び魔人の体に大剣を突き刺した。
そしてそのまま大剣を地獄の門の中へと振り下ろした。
魔人の体はウェインの大剣から抜け、地獄の門の中へと落ちて行く。
「ウェインー!
こんなことをしても何も変わらんぞー!
俺を地獄に落としても地獄の門が閉じるわけじゃないからなー!」
地獄に落ちて行きながら魔人は叫んだ。
「俺は再び地上に戻る!
悪魔とともにな!
この世が地獄に変わるのをこの目でみてやるのさ。
ははは。」
そう言って魔人は笑った。
ウェインは大剣を振りかぶった。
大剣の輝きが今までにないほどに増す。
そしてウェインは大剣を地獄の門の中に向かって振った。
光の刃が魔人めがけて飛んでいく。
それをくらった魔人は真っ二つにされた。
しかし真っ二つにされた魔人はなおも笑っていた。
そしてその姿は地獄に落ちて行って見えなくなった。
その時、聖者の腕輪がパキンという音をたてて壊れた。
地獄の門が開くのを止めていた聖者の腕輪。
しかし地獄の門の開く力に耐えられなくなったのだろう。
聖者の腕輪の力がなくなった地獄の門は、再び開き始めた。
ウェインは大剣を床に置き、地獄の門を閉めようとしている。
「俺達も手伝うぜ!」
そう言ってフェイ達とマリーンも地獄の門を閉じようとした。
しかし地獄の門は閉まらない。
ケイトも地獄の門を閉めようとした。
何とかこれを閉めないと、この世が地獄に変わってしまう。
するとウェインが床に置いた大剣を掴んだ。
「どいていろ。」
ウェインはフェイ達に言った。
ウェインは「はあああ!」と言いながら力を込めた。
そして大剣で地獄の門の右側を斬りつけた。
大剣が地獄の門の右側に当たって凄まじい音が響いた。
その衝撃で門の右側が閉まった。
そして今度は門の左側に斬りつけた。
同じうように門の左側も閉まった。
地獄の門は閉まった。
しかしまた開こうとしている。
みんなで必死にそれを押さえ、その間にウェインが地獄の門の鍵を左に回して鍵を閉じた。
ようやく地獄の門は閉じられた。
すると地獄の門の魔法陣も消えた。
ウェインは地獄の門の鍵を床に置くと、大剣で真っ二つにした。
そして地獄の門の鍵に向かって手から光の球を放った。
地獄の門の鍵は消滅した。
「ふう、終わったな。」
フェイが笑いながら言った。
「どうなることかと思ったよ。」
マルスも安堵したように言う。
「全て終わりましたね、ウェインさん。」
ケイトはウェインの傍に寄って言った。
「ああ、目的は全て果たした。」
そう言ってウェインは少し微笑んだ。
「じゃあこんな塔とはさっさとおさらばしようぜ。」
フェイが言った。
その言葉を合図に、みんなが塔の階段を下り始めた。
そして途中にあった部屋で、一人のエルフが死んでいた。
マリーンはそのエルフに駆け寄り、まだ心臓に刺さっていた矢を抜いた。
「エリーナ、一緒に行きましょう。」
そう言うとマリーンはエリーナをおんぶした。
「その人がマリーンの妹さんなのね。」
ケイトは言った。
「ええ、そうよ。
この子のお墓を作ってあげないと。」
マリーンはそう言った。
みんなは階段を下り、塔の出口までやって来た。
そして塔の扉を開けて外に出た。
太陽が眩しく輝いていた。
全て終わった。
ケイトはそう思い、塔を見上げた。
もう地獄の門が開かれることもないし、魔人もいなくなった。
「何やってるの、ケイト。
早く行こうよ。」
リンが塔を見上げていたケイトに呼びかける。
みんなは先に歩いて行っていた。
ケイトは笑顔で頷き、みんなの元へ走って行った。




深海魚

  • 2010.09.30 Thursday
  • 09:27
 深海魚ってどうしてあんなにおかしな形をしているんでしょう。
とても面白い形の魚が多いですよね。
でも食べたら美味しいものが多いみたいです。
アンコウも深海魚ですよね。
一度アンコウの鍋を食べてみたいです。

しゃっくり

  • 2010.09.30 Thursday
  • 09:24
 昨日からしゃっくりがでてとまりません。
ずっとヒック、ヒックといっています。
私は一度しゃっくりがでると、三日くらいでています。
正直うっとうしいです。
早くしゃっくりがとまって欲しいです。

竜人戦記 第五十四話

  • 2010.09.29 Wednesday
  • 09:14
 ケイト達は、地獄の門の鍵のある、塔の最上階にやって来た。
最上階には大きな窓がいくつもあり、太陽の光が射し込んできている。
その光がケイト達に影を作っていた。
最上階の部屋の一番奥には台座があり、その上に鍵があった。
その鍵を覆うようにして、緑色の光を放つシールドのようなものが張られていた。
おそらくそのシールドが地獄の門の鍵の封印だろう。
ケイト達は台座に近づいた。
「これが地獄の門の鍵か。」
フェイがシールドの中の鍵を見てそう言う。
「何とか魔人より先に見つけられたね。」
リンが言った。
「この地獄の門の鍵をどうするんだ?」
マルスがウェインに聞いた。
「大剣で真っ二つにする。」
ウェインは答えた。
そしてウェインは懐から地獄の門の鍵の封印を解く石を取り出した。
それを緑色に光るシールドに当てた。
すると眩い光が辺りに放たれ、緑色に光るシールドは消えた。
ウェインは大剣を構える。
地獄の門の鍵を真っ二つにするつもりだ。
その時だった。
辺りにとても邪悪な気がはしった。
この気は魔人の気だった。
ケイトとウェインは辺りを見回す。
しかしどこにも魔人はいなかった。
するとケイトの背後から魔人の声がした。
「やっと見つけたぞ、地獄の門の鍵。」
ケイトは後ろを振り向いた。
するとケイトの影から魔人が現れた。
ケイトは思った。
ずっと背後に感じていた違和感は、魔人が自分の影にひそんでいたからだと。
カレンというゴーストがいた村を出て以来、ずっと背後に違和感を感じていたのだ。
あれは魔人がケイトの影にひそんでいたからだ。
ウェインが大剣を振りかぶって地獄の門の鍵に斬りつけようとした。
しかしそれより速く、魔人は地獄の門の鍵を奪った。
「ははは、これで地獄の門が開けるぞ。」
魔人は地獄の門の鍵を手にして笑った。
そして魔人は何やら呪文を唱え始めた。
すると部屋の床に大きな黒い影が現れた。
「これは禁断の魔法だ。
この魔法があれば、悪魔の石板がなくても、地獄の門の鍵があれば地獄の門を開くことが出来る。」
魔人はそう言った。
禁断の魔法。
それはウッズベックの少し先の海の祠の洞窟で、魔人が手に入れたものだった。
魔人は続いて呪文を唱え始める。
すると大きな黒い影の中に、巨大な魔法陣が現れた。
その魔法陣の中には扉があった。
「この魔法陣の扉を地獄の門の鍵で開けば、地獄の門が開く。」
そう言って魔人は魔法陣の扉に地獄の門の鍵を差し込もうとした。
しかしそこでウェインが魔人に斬りかかった。
魔人は後ろに飛んでそれをかわす。
「地獄の門は絶対に開かせない。」
ウェインは言った。
「ふふふ、どこまでも邪魔をするな、ウェインよ。」
そう言って魔人は地獄の門の鍵を飲み込んだ。
「地獄の門を開くのはお前達を殺してからにしよう。」
そう言うと魔人は両手を剣のように変え、そして体は倍ほどの大きさになり、顔は山羊に角が生えたように変わった。
ウェインの方は体を光の膜で覆い、大剣は黄金の光を放ち始め、顔は竜と人を混ぜたようになった。
魔人は両手を上にあげた。
すると魔人の上に魔法陣が現れ、そこからライオンの顔と体に翼の生えた黒い魔物が現れた。
頭には角が生えていた。
魔物は全部で三匹現れた。
「さあ、ウェイン、最後の闘いを始めよう。」
魔人はそう言ってウェインに襲いかかって来た。
それと同時にライオンの魔物もウェインに襲いかかる。
「ウェイン、俺達も加勢するぜ!」
そう言ってフェイ、リン、マルスがライオンの魔物に闘いを挑んだ。
「私も加勢するわ。」
マリーンが言った。
「私も闘う。」
エレンも言った。
こうしてウェインと魔人、そしてライオンの魔物とフェイ、リン、マルス、マリーン、エレンが闘うことになった。
ウェインは魔人に斬りかかる。
魔人はそれを両手の剣で受け止めた。
そして魔人は後ろへ下がると、呪文を唱え始めた。
するとウェインの足元から黒い鎖が出てきて、ウェインの体を縛った。
魔人はウェインに斬りかかる。
しかしウェインは体から衝撃波を放って黒い鎖を吹き飛ばした。
ウェインは大剣で魔人の剣を受け止める。
そしてウェインは後ろへジャンプした。
ウェインの大剣の黄金の光が増す。
ウェインが大剣を振ると、光の刃が魔人めがけて飛んでいった。
魔人はそれをかわそうとしたが、光の刃は魔人の右腕を斬り落とした。
斬り落とされた魔人の右腕は砂のようになって崩れ去った。
しかし魔人はすぐに右腕を再生させた。
ウェインはもう一度光の刃を放つ。
魔人はそれをジャンプしてかわすと、また呪文を唱え始めた。
すると魔人は口から黒い球を放った。
ウェインはその黒い球を斬り裂いた。
すると黒い球は爆弾のように弾けた。
ウェインはその爆発をくらってうしろによろめいた。
そこへ魔人が斬りかかる。
ウェインは左腕を斬られた。
するとウェインはまた体から衝撃波を放った。
それをくらった魔人が後ろへ吹き飛ばされる。
ウェインは光の刃を連続で二発放った。
魔人は呪文を唱え、シールドを張った。
光の刃はシールドに阻まれた。
ウェインは魔人に距離を詰めて斬りかかった。
それに応戦する魔人。
ウェインと魔人の斬り合いが続いた。
そしてフェイとリンはライオンの魔物の一匹と闘っていた。
ライオンの魔物が翼を羽ばたかせて風をおこす。
フェイとリンは後ろへ吹き飛んだ。
そこへライオンの魔物が襲いかかる。
狙いはリンだった。
リンはライオンの魔物の爪をかわすと、その体に蹴りを放った。
そしてフェイもライオンの魔物に飛び蹴りを放つ。
ライオンの魔物は大きく吠えて、フェイにむかって炎の球を吐いた。
フェイは上へ飛んでそれをかわす。
そこへリンがライオンの魔物に強烈なパンチを打ち込んだ。
ドスン!という低い音がする。
ライオンの魔物はまた吠えて、リンに向かって襲いかかって来た。
リンはそれを横に飛んでかわすと、ライオンの魔物の顔に数発パンチを放った。
そしてフェイもライオンの魔物に強烈なパンチを打ち込んだ。
またドスン!という低い音が響く。
それをくらってライオンの魔物は少しよろめいた。
そしてマリーンとエレンもライオンの魔物と闘っていた。
マリーンがライオンの魔物に向かって矢を放つ。
それはライオンの魔物の顔に命中した。
苦しそうな声を出すライオンの魔物。
そしてもう一匹のライオンの魔物はマルスが闘っていた。
ライオンの魔物の巨大な爪がマルスを襲う。
マルスはそれを剣で受け止めると、ライオンの魔物の体に斬りつけた。
ライオンの魔物はマルスに向かって吠えた。
マルスは再びライオンの魔物に斬りつける。
ライオンの魔物は苦しそうな声を出してから、マルスに向かって炎の球を吐いた。
それを上に飛んでかわすマルス。
しかしそこへライオンの魔物が体当たりをしてきた。
マルスは大きく後ろへ吹き飛ばされて、壁に激突した。
「ぐう!」
苦しそうな声を出して膝をつくマルス。
そこへライオンの魔物が襲いかかる。
「エレン、マルスを助けて!」
マリーンは言った。
するとエレンはマルスの体を宙に浮かした。
そのおかげでライオンの魔物の攻撃をかわすことが出来たマルス。
「ありがとう。」
マルスはエレンに言った。
「どういたしまして。」
そう言ってエレンはマルスを床に下ろした。
そしてウェインと魔人の闘い。
しばらく斬り合いが続いていた。
しかしだんだんとウェインの方が優勢になってきた。
ウェインの大剣が魔人の体に斬りつけられる。
魔人は後ろに下がり、また呪文を唱えた。
そして両手から黒い霧を放ってきた。
黒い霧はやがて刃のようになり、ウェインに襲いかかる。
ウェインはその刃をかわした。
そこへ魔人が斬りかかって来る。
ウェインは右足に魔人の剣をくらった。
するとウェインは目から光を放った。
黒い霧の刃は消滅した。
魔人は次の呪文を唱える。
すると魔人の手からゴーストが現れた。
ゴーストはウェインに襲いかかる。
ウェインはゴーストに斬りつけた。
ゴーストはあっさりと消滅した。
しかしその間に魔人はウェインに斬りかかって来た。
ウェインは右肩を斬られた。
しかしウェインはひるむことなく魔人に斬りかかる。
魔人はウェインと斬り合いを続けながら、次の呪文を唱えるタイミングをうかがっていた。
そしてフェイとリン。
ライオンの魔物はフェイとリンの連携攻撃に翻弄されていた。
リンがライオンの魔物の顔に蹴りを放つ。
ライオンの魔物は怒ってリンに襲いかかる。
しかしその後ろからフェイが強烈なパンチを放つ。
それをくらってライオンの魔物はよろめきながらフェイの方を向く。
すると今度はリンがライオンの魔物の後ろから蹴りを放つ。
ライオンの魔物は、フェイとリン、どちらを攻撃していいのか分からなくなっていた。
そしてマリーン。
マリーンはライオンの魔物の攻撃をかわしながら、連続で矢を三本放った。
全ての矢が命中し、ライオンの魔物は苦しんだ。
マリーンはなおも矢を放つ。
しかしライオンの魔物はその矢をかわした。
するとライオンの魔物は翼を羽ばたかせて風をおこした。
マリーンは後ろに吹き飛ばされる。
そこへライオンの魔物が襲いかかって来る。
マリーンは咄嗟に身をかわした。
そしてライオンの魔物の近距離から矢を放った。
矢はライオンの魔物の顔に命中した。
ライオンの魔物は大きく吠えて苦しんだ。
マリーンは苦しむライオンの魔物に連続で二本の矢を放った。
一本は顔に、一本は首に命中した。
ライオンの魔物は大きく吠えながら倒れた。
そして砂のようになって崩れ去った。
マリーンはライオンの魔物を一匹倒した。
一方マルスは苦戦を強いられていた。
ライオンの魔物の爪がマルスに襲いかかる。
マルスは何とか剣でそれを防いでいる。
するとライオンの魔物がまた体当たりをしてきた。
マルスは後ろに吹き飛ばされて壁に激突する。
「うぐ!」
苦しそうな声をあげて倒れるマルス。
そこへライオンの魔物が巨大な口をあけて襲いかかってきた。
ケイトは聖者の首飾りを触って念じた。
マルスを守って欲しい。
すると聖者の首飾りが光出し、マルスの周りをシールドが囲んだ。
ライオンの魔物の攻撃は、シールドによって阻まれた。
そこへマリーンが助けに入る。
ライオンの魔物に向かって矢を放った。
矢はライオンの魔物の体に命中した。
ライオンの魔物は怒ってマリーンの方を向いた。
そして聖者の首飾りの光が消え、マルスを囲んでいたシールドも消えた。
エレンがマルスの傍に飛んで行く。
エレンは回復の魔法を使った。
マルスのダメージは消えた。
マルスは立ち上がり、マリーンの方を向いているライオンの魔物の体に斬りつけた。
ライオンの魔物は苦しそうな声を出した。
そこへマリーンがライオンの魔物に向かって矢を放った。
矢はライオンの魔物の顔に命中した。
大きく吠えて、苦しむライオンの魔物。
そこへ、またマルスがライオンの魔物の体に斬りつける。
ライオンの魔物はマルスの方を向いた。
「来い!
とどめをさしてやる!」
マルスは言った。
ライオンの魔物がマルスに巨大な口を開けて襲いかかった。
マルスは地面すれすれにしゃがんでそれをかわし、ライオンの魔物の懐に入った。
そしてライオンの魔物の首に剣を突きさした。
ライオンの魔物は苦しみながら倒れた。
そして砂のようになって崩れ去った。
マルスもライオンの魔物を倒した。
フェイとリンももうライオンの魔物にとどめをさす手前だった。
フェイとリンの連携攻撃を受け、ライオンの魔物はよろめいていた。
そこへフェイとリンが同時に強烈なパンチを放つ。
ドスン!という低い音が二重に響いた。
ライオンの魔物は倒れてしまい、砂のように崩れ去った。
残るはウェインと魔人だった。
両者は激しい斬り合いを続けていた。
ウェインと魔人の闘いを、ケイトは十字架を握って見守っていた。

塩さば

  • 2010.09.29 Wednesday
  • 09:11
 美味しいですよね、塩さば。
魚の中でもかなり好きな料理です。
塩さばだけで、ご飯三杯はいけます。
簡単な料理なのに美味しいですよね。
塩さばは食欲をそそります。

昼寝

  • 2010.09.29 Wednesday
  • 09:08
 昼ご飯を食べたあとは眠たくなりますね。
我慢出来ない睡魔が襲ってきます。
昼寝をすると頭がスッキリします。
昼寝は結構大切かもしれません。
でもあんまり長いこと寝ていると、頭が痛くなりますね。

竜人戦記 第五十三話

  • 2010.09.28 Tuesday
  • 09:25
 マリーンはエリーナの体を抱きしめてしばらく泣き続けていた。
妹を殺してしまった自分。
そうすることでしか、エリーナを止めることが出来なかった。
マリーンはしばらくエリーナの体を抱きしめたあと、そっと床に置いた。
「エリーナ、天国でまた会いましょう。」
そう言ってマリーンはもう動かなくなったエリーナの頭を撫でた。
マルスとエレンがマリーンに近寄って来る。
マルスはマリーンの肩にそっと手を置いた。
マリーンはその手を握った。
「私、自分の妹を殺してしまったわ。」
マリーンは悲しげな声で言った。
「仕方なかったんだよ。
こうする以外に彼女を止める方法はなかったんだろう?」
マルスはマリーンに聞いた。
マルスの言う通りだった。
こうする以外エリーナを止めることは出来なかった。
しかしマリーンはその問いには答えず、ただマルスの手を握っていた。
「マリーン・・・。」
エレンがマリーンの目の前に飛んで来て心配そうな目で見つめる。
マリーンはもう一度エリーナの頭を撫でると、立ち上がった。
「エリーナ、あとでちゃんとお墓を作ってあげるからね。」
マリーンは言った。
マリーンは涙を拭き、マルスの方に向き直って言った。
「エリーナがここにいるっていうことは、魔人もこの塔にいるかもしれないわ。
ケイト達のあとを追いましょう。」
マリーンはマルスを見つめて言った。
そこへフェイとリンが階段を上がってマリーン達の元へやって来た。
フェイは床に倒れて死んでいるエリーナを見て言った。
「一体何があったんだ。」
マリーンのかわりにマルスが答えた。
フェイとリンは真剣にマルスの話を聞いていた。
「そうだったの・・・。
つらいわね、マリーン。」
リンが言った。
マリーンはエリーナを見ると、目を閉じた。
幼い頃の記憶がよみがえる。
二人で楽しく遊んだ思い出。
マリーンはそれを胸にしまい、マルス達を見て言った。
「私達も上に行きましょう。
ケイト達のあとを追うのよ。」
そう言ったマリーンの目は真剣だった。
「そうだな。
そうしよう。」
マルスがそう言い、マリーン達は上の階段へ上がることにした。
「また戻って来るからね、エリーナ。」
マリーンはエリーナを振り返って言った。
その頃、ウェインはケイトを抱えて階段を駆け上っていた。
ケイトはマリーンのことが心配だった。
マリーンは妹を追って旅をしていると言っていた。
きっとあのエルフがマリーンの妹なのだろう。
マリーンは妹のエルフと闘っているのだろうと思った。
マリーンが無事なのか、ケイトは心配でたまらなかった。
そしてケイトはウェインに言った。
「ウェインさん。
もうおろしてくれていいですよ。
自分の足で歩けますから。」
しかしウェインはケイトを抱えたまま階段を駆け上がった。
「ウェインさん。」
ケイトが呼びかけても無視である。
ウェインはそのまましばらく階段を駆け上がった。
すると一つに部屋に出た。
ウェインはそこでケイトをおろした。
部屋の奥に階段がある。
きっとこの部屋にも見張り番がいるのだろう。
ケイト達は部屋を進んだ。
すると階段の手前に魔法陣が現れた。
そこから白く、長い服を着た一人の女性が出て来た。
肩までの金髪の髪に、とても美しい顔をしている。
「お前もこの塔の見張り番か?」
ウェインがその女性に尋ねた。
「ええ、そうよ。
私の名前はシール。
トリスに頼まれてこの塔の見張り番をしている魔法使いよ。」
シールと名乗った女性はそう言った。
「ならお前を倒さないと先へは進めないということだな。」
ウェインが言う。
「その通り。
先に進みたいなら、私を倒してからね。」
そう言ってシールは笑った。
ウェインは大剣を構えて前に出た。
ケイトは闘いの邪魔にならないように少し後ろへ下がった。
「じゃあ始めましょうか。」
シールはそう言うと、手から雷を放ってきた。
ウェインは大剣を避雷針がわりにして床に突き立てた。
雷が大剣に落ちる。
するとウェインは大剣を手に取ってシールに斬りかかった。
シールは手を上にかざした。
シールの周りに小さな竜巻がおこる。
ウェインの大剣は小さな竜巻によって阻まれた。
そして小さな竜巻が消えると、シールは手から氷を放った。
ウェインはその氷を大剣で斬り裂く。
するとシールは両手を上にあげた。
シールの上に魔法陣が現れ、そこから鳥の顔にライオンの体をして、翼を生やした魔物が現れた。
魔物はウェインに襲いかかって来た。
ウェインは大剣を振って応戦する。
そこへシールがウェインめがけて雷を放った。
ウェインは雷をくらってしまった。
雷をくらってぐらつくウェイン。
そこへ魔物が襲いかかる。
魔物の爪がウェインの左腕を斬り裂いた。
ウェインは魔物に向かって大剣を振る。
しかし魔物は宙に飛んで、ウェインの大剣をかわした。
そこへシールがまた手から氷を放った。
その氷はウェインの足に当たり、ウェインの足は凍りついてしまった。
また魔物が襲ってくる。
ウェインは足が凍っているので下半身は動かせない。
ウェインは大剣で魔物の爪を受け止めた。
そこへまたシールが氷を放ってきた。
それはウェインの体に当たり、ウェインの上半身も凍ってしまった。
ウェインは身動きがとれなくなった。
魔物がウェインの顔めがけて爪を振ってくる。
ウェインは首をひねって魔物の爪をかわしたが、魔物の爪はウェインの顔をかすめた。
ウェインの顔から血が流れる。
「中々やるな。」
ウェインはシールに向かって言った。
「褒めても何もでないわよ。」
シールはそう言って笑った。
「お前はまあまあ強い。
だからこちらも少し本気で闘わせてもらおう。」
ウェインがそう言うと、ウェインの体を光の膜が覆い、大剣は黄金の光を放ち始めた。
ウェインは「はあ!」と言って体を動かした。
するとウェインの体を凍らせていた氷は弾け飛んだ。
そこへ魔物が襲いかかってくる。
ウェインは大きく大剣を振りかぶると、縦一閃に大剣を振った。
魔物は一刀両断されてしまった。
そしてウェインはシールに斬りかかった。
シールは両手を前に突き出してシールドのようなものを張った。
ウェインの大剣がシールドに阻まれた。
しかしウェインはもう一度斬りかかった。
するとシールドにひびが入った。
もう一度ウェインが大剣で斬りつけると、シールドは砕け散った。
焦ったシールは宙に浮いて両手から炎と雷を放った。
ウェインはそれをかわすと、シールの真上にジャンプした。
そしてシールに斬りかかった。
シールはまた両手を突き出してシールドを張った。
しかしウェインの渾身の一撃は、一発でシールドを砕いた。
シールは床に下りて、焦って後ろに下がる。
それをウェインが追う。
するとシールは両手を広げた。
そうしたらシールが三人に分裂した。
三人のシールはそれぞれ炎、雷、氷を放ってきた。
するとウェインの大剣の黄金の輝きが増した。
ウェインは輝きの増した大剣で、三人のシールの攻撃を受け止めた。
そしてウェインは大剣を大きく横に振った。
すると光の刃が三人のシールめがけて飛んでいく。
真ん中に立っていたシールが宙に浮いて逃げ、左右にいたシールは光の刃で真っ二つにされた。
左右にいたシールは消滅した。
ウェインは大きく大剣を振りかぶっている。
また光の刃を放つ気だった。
すると宙に浮いていたシールが「待って!」と言った。
「私の負けよ。
降参するわ。」
宙に浮いていたシールは床に下りて来た。
「あなた強いわね。
私じゃ勝てないわ。」
シールはそう言って笑った。
その言葉を聞いたウェインは大剣を背中に戻した。
するとウェインの体を覆っていた光の膜が消え、大剣の黄金の光も消えた。
シールは自分が出て来た魔法陣まで戻って行った。
「この上が最上階よ。
そこに地獄の門の鍵があるわ。」
シールはそう言った。
「あなたは竜人ね。」
シールが聞いてきた。
「そうだ。」
ウェインが短く答える。
「どうりで強いはずだわ。」
そう言ってシールは笑った。
「じゃあね、竜人さん。」
そう言葉を残すと、シールは魔法陣の中へと消えて行った。
「シールはこの上に地獄の門の鍵があるって言っていましたよね。」
ケイトは言った。
「ああ、さっさと最上階へ行こう。」
ウェインが言う。
「その前にウェインさんの傷を治します。」
そう言ってケイトは聖者の腕輪を使って、ウェインの傷を治した。
「じゃあ上に行きましょう。」
ケイトがそう言った時だった。
下の階段からフェイ達が上がって来た。
マリーンもいる。
ケイトはマリーンに駆け寄った。
「マリーン!
無事だったのね。
また会えて嬉しいわ。」
ケイトは笑顔で言った。
「ええ、私もまたケイトに会えて嬉しいわ。」
そう言ったマリーンの顔は、どこか悲しげだった。
「何かあったの?」
ケイトはマリーンに尋ねた。
マリーンは一度顔を伏せてから、ケイトを見た。
「妹との決着がついたのよ。
でも、私は妹を殺してしまった。
こんな形でしか妹を止められなかった。」
そう言ったマリーンはの瞳は悲しみに満ちていた。
「そうだったの・・・。」
ケイトは何と言っていいか分からなかった。
マリーンが妹を追って旅をしていることは知っていた。
でもその結末が妹を殺すことになるなんて。
「ごめん、マリーン。
私、何て言ったらいいか・・・。」
ケイトがそう言うと、マリーンはケイトの肩に優しく手を置いた。
「いいのよ、ケイト。
私はこうなることを覚悟していたの。」
そう言ってマリーンはケイトに微笑んだ。
「この人はマリーンの友達?」
エレンが言った。
「あ、フェアリー!」
ケイトは驚くようにして言った。
そう言えばマリーンの妹に首を絞められている時、マリーンがケイトの元にやって来た時にもフェアリーがいたような気がした。
「私エレンっていうの。
よろしくね。」
エレンは笑顔で言った。
「私はケイトよ。
よろしくね。」
そう言ってケイトはエレンの小さな手と握手した。
「さあ、まだやることがあるんでしょう。
先を急ぎましょう。」
マリーンが言った。
そうだった。
この上の階には地獄の門の鍵があるのだ。
何としても魔人にそれは渡せない。
「話は済んだか。
じゃあ上の階へ行くぞ。」
ウェインが言った。
こうしてケイト達は地獄の門の鍵のある最上階を目指した。

くしゃみ

  • 2010.09.28 Tuesday
  • 09:20
 最近よくくしゃみがでます。
風邪なのかアレルギーなのか分かりません。
三回くらい連続ででます。
くしゃみがでる時はいいんですが、でそうででない時が気持ち悪いです。
そういう時は鼻をいじって無理矢理にでもくしゃみをだします。

タバコの値上がり

  • 2010.09.28 Tuesday
  • 09:17
 来月からタバコが値上がりします。
その額は100円以上です。
これはタバコを吸う人にとってはつらいです。
私もタバコを吸います。
昨日は安いうちにまとめ買いをしました。

竜人戦記 第五十二話

  • 2010.09.27 Monday
  • 08:10
 マリーンはこれが最後の闘いになるだろうと思い、エリーナに矢を向けていた。
長い間エリーナを追って旅をしてきた。
しかし、それも今日ここで終わるのだ。
「いくわよ、マリーン!」
そう言ってエリーナが鞭を振ってきた。
マリーンはそれをかわす。
するとエリーナは連続で鞭を振ってきた。
しかしマリーンはエリーナの振った鞭を全てかわした。
マリーンはおかしいと思った。
いつもなら、連続で振ってくるエリーナの鞭をくらってしまう。
なのに今はかわすことが出来た。
マリーンは不思議に思いながら矢を放った。
マリーンの放った矢は、いつもより速かった。
エリーナは何とかそれをよける。
「どうしたの、マリーン。
何だか急に強くなったみたい。」
エリーナは言った。
マリーンはもしやと思って右手の指にはめた指輪を見た。
するとベッカルからもらった強者の指輪が小さく光っていた。
ベッカルは言っていた。
この指輪は、使った者の戦闘力を一時的に増すと。
今はのマリーンは、強者の指輪のおかげでいつもより強くなっていた。
エリーナが鞭を振ってくる。
マリーンはそれをかわすと、次の矢を放った。
矢はエリーナの右足に命中した。
そしてマリーンは連続で三本の矢を放った。
エリーナは矢をかわしきれず、右腕、左肩、そしてお腹に矢が命中した。
エリーナは苦しそうにしながら言った。
「どういうわけか分からないけど、いつもより強くなっているみたいね。
だったら私もそうさせてもらうわ。」
エリーナはそう言い、呪文を唱え始めた。
エリーナの周りに黒い霧が現れ、やがて黒い霧はエリーナの体に吸い込まれていった。
そして次にエリーナは体に刺さった矢を全て抜き、回復の呪文を使った。
エリーナの傷は完全に治った。
「ここからが本番よ。」
そう言ってエリーナが鞭を振ってくる。
その鞭はさきほどより速かった。
マリーンは何とかそれをかわすと、エリーナに向かって矢を放った。
しかしエリーナはあっさりと矢をかわしてしまった。
「自分を強化する呪文を使わせてもらったわ。
マリーンも強くなったみたいだけど、これで私の方が上よ。」
そう言ってエリーナは連続で鞭を振ってきた。
マリーンは鞭をかわしきれずにくらってしまった。
マリーンの白い肌から赤い血が流れる。
エリーナはなおも鞭を振ってくる。
マリーンは後ろへ飛んで何とかそれをかわすと、連続で矢を二本放った。
しかしエリーナは、マリーンの放った二本の矢を鞭で叩き落としてしまった。
そこへまたエリーナが鞭を振ってくる。
マリーンはかわしきれずにそれをくらった。
マリーンは鞭のダメージにより、膝をついてしまった。
「マリーン!」
エレンがそう叫んで両手を広げた。
辺り一面が花畑に変わる。
エレンが幻覚を使ったのだ。
「ふん、こんな幻覚に惑わされるとでも思ってるの。」
エリーナはそう言い、膝をついたマリーンに鞭を振ってきた。
マリーンはその鞭をくらって倒れてしまった。
するとエレンは魔法で自分の姿を消し、マリーンに近づいて来た。
そしてマリーンに回復の魔法を使った。
傷が癒えて立ち上がるマリーン。
それと同時に、エレンは幻覚を解いた。
花畑の風景が、元の部屋に戻る。
エリーナに幻覚は効かないと思って、エレンは幻覚を使うのをやめたのだ。
エレンは姿を消したままマリーンの傍にいた。
するとエリーナが言った。
「マリーン、以前にもそのフェアリーに助けられたわね。
今回もその邪魔なフェアリーのせいでマリーンにとどめをさしそこねたわ。」
エリーナは呪文を唱え、手を前に突き出した。
すると姿を消していたはずのエレンが、その姿を現した。
エリーナがエレンの透明になる魔法を解除したのだ。
「邪魔なフェアリー。
さっさと死になさい。」
そう言ってエリーナはエレンに鞭を振った。
エレンは慌てて逃げた。
間一髪、エレンはエリーナの鞭から逃れた。
「マリーン。」
少し離れた場所から、心配そうにマリーンの名前を呼ぶエレン。
マリーンは大丈夫よというふうに頷いてみせた。
そしてマリーンはエリーナに矢を放った。
エリーナはそれを鞭で叩き落とすと、マリーンに向かって鞭を振ってきた。
マリーンはそれを何とかかわすと、エリーナに距離をつめて、近距離から矢を放った。
マリーンの放った矢は、エリーナの右肩をかすめた。
マリーンは次の矢を構える。
その間にエリーナが鞭を振ってくる。
マリーンはエリーナの鞭をくらった。
しかしマリーンの放った矢もエリーナの右腕に命中した。
マリーンはエリーナの鞭をくらってよろめいた。
しかし次の矢を構える。
その間にエリーナが鞭を振ってくる。
しかし鞭を持つエリーナの右腕にはマリーンの放った矢が刺さっており、鞭はいつもより遅かった。
マリーンは鞭をかわすと、矢を放った。
エリーナはそれをかわそうとしたが間に合わず、左足に矢をくらった。
エリーナは一旦後ろへジャンプすると、体に刺さった矢を引き抜いた。
そして回復の呪文を使おうとした。
そうはさせまいとマリーンは連続で二本の矢を放った。
エリーナは呪文を唱えるのをやめて、マリーンの放った矢をかわした。
「中々やるわね、マリーン。」
そう言うと、エリーナは怪我をした右手から左手に鞭を持ちかえた。
そしてマリーンに向かって連続で鞭を振ってくる。
鞭のスピードは右手で振っている時より遅かった。
しかしマリーンはかわしきれずにエリーナの鞭をくらってしまった。
体から赤い血を流して倒れ込むマリーン。
「マリーン!」
マルスが叫んだ。
剣を抜いてマリーンを助けようとしている。
しかしマリーンは、「来ないで!」と言った。
「これは私の闘いなの。
私が決着をつけなければいけないの。」
マリーンは言った。
「そうね。
これはマリーンと私の闘いだものね。
だから私がマリーンを殺してあげる。」
エリーナはそう言うと、倒れているマリーンをいたぶるように鞭を振ってきた。
「あああああ!」
鞭の痛みに叫び声をあげるマリーン。
そこへエレンが回復の魔法を使おうとマリーンの傍に飛んで来た。
「目障りなフェアリーめ。」
エリーナはそう言ってエレンに鞭を振ろうとした。
マリーンは咄嗟にエレンをかばった。
エリーナの強烈な鞭をくらって苦しむマリーン。
「マリーン!」
エレンが叫ぶ。
「エレン、来ちゃダメ!」
マリーンは言った。
それからもエリーナはいたぶるようにマリーンを鞭で叩き続けた。
マリーンは苦しみの声をあげた。
エリーナの鞭によって、だんだんとマリーンの体が痛めつけられていく。
「マリーン!」
またマルスが叫んだ。
マリーンは助けに来ようとするマルスを見て、首を横に振った。
来ちゃダメ。
マリーンは心の中で言った。
エリーナは鞭でマリーンを叩くのをやめ、足でマリーンを蹴り飛ばした。
「うぐうう!」
苦しそうな声を出すマリーン。
「ねえ、マリーン。
あなたをいたぶるのはとっても楽しいわ。
もっと痛めつけてあげる。」
それからもエリーナは鞭でマリーンを叩き、足でマリーンを蹴り飛ばした。
マリーンは痛みとダメージで意識を失いそうになった。
しかし必死でそれを我慢した。
「マリーン、痛めつけられる気持ちはどう?」
エリーナはそう言って笑い、鞭を振ってくる。
「どうしたの?
もう終わり?
私を倒さなくていいの?」
エリーナは笑いながらそう言ってマリーンをいたぶる。
それを悔しそうに見つめるマルスとエレン。
それからしばらくエリーナはマリーンをいたぶった。
「じゃあ、そろそろ終わりにしましょうか。」
エリーナはそう言って大きく鞭を振りかぶった。
もう終わりだ。
私は死ぬんだ。
マリーンは思った。
何としてもエリーナを止めるつもりでいたけど、その思いは叶わなかった。
もし私が死んだら、誰がエリーナを止めるのだろう。
竜人が私にかわってエリーナを倒してくれるだろうか。
いや、それより、この場にいるマルスとエレンはエリーナに殺されてしまうだろうか。
様々な思いがマリーンの頭に浮かんだ。
「マリーン、最後に何か言いたいことはある?」
エリーナがマリーンを見下ろしながら言ってくる。
「もう一度、幼い頃に戻って、エリーナと遊びたかったわ。」
マリーンは言った。
その言葉を聞いたエリーナの表情が一瞬だけ変わった。
しかしエリーナはすぐに普段通りの表情に戻った。
「じゃあこれでお別れね。
さようなら、マリーン。」
そう言ってエリーナが大きく振りかぶった鞭を振ってきた。
マリーンは目を閉じた。
幼い頃から今までのことが走馬灯のように思い出される。
そしてエリーナの鞭がマリーンの体に当たった。
もう私は死んだ。
マリーンはそう思った。
しかしその時、パリン!という何かが壊れる音がした。
マリーンは目を開けてみた。
まだマリーンは生きていた。
そしてマリーンの首元で、身につけていたネックレスが壊れていた。
そのネックレスは、カーロイドの街でジェンキンスという剣士からもらったものだった。
確か身代わりの首飾りと言っていた。
身につけている者の命が危うくなった時、身代わりになってくれると言っていた。
何が起こったのか分からないというふうに立ち尽くすエリーナ。
マリーンはその一瞬を見逃さなかった。
素早く弓矢を構え、エリーナに向かって矢を放った。
エリーナはそれに気付いたが、かわすのが間に合わなかった。
マリーンの放った矢は、エリーナの心臓を貫いた。
「ぐうう!」
そう言って口から血を流し、ゆっくりと倒れて行くエリーナ。
「マリーン!」
そう言ってエレンがマリーンの傍に飛んでくる。
「今すぐ治してあげるからね。」
エレンは回復の魔法を使い、マリーンの傷を治した。
マリーンは立ち上がり、倒れたエリーナを抱きかかえた。
「エリーナ!」
マリーンは思わずその名を呼んでいた。
矢で心臓を貫かれたエリーナは、体から力が抜け、口から血を流し続けていた。
「マリーン・・・。」
エリーナがかすれるような声で言った。
「エリーナ。
ごめんなさい。
こんな方法でしかあなたを止められなくて。」
マリーンは泣いていた。
エリーナゆっくりと右手をあげる。
マリーンはその手を握った。
「ねえ、マリーン・・・、私ね・・・、ダークエルフになってから・・・、一度だけ昔の夢を見たことがあるの・・・。」
マリーンはエリーナの手を握りながらその言葉を聞いた。
「昔の・・・、楽しかった頃。
二人で・・・、仲良く遊んだ夢を・・・。」
「エリーナ!」
マリーンは泣きながらその名を呼んだ。
「私ね・・・、ダークエルフになってから・・・、昔のことなんてどうでもいいと思ってたの・・・。
でも・・・、一度だけ・・・、マリーンと遊ぶ・・・、幼い頃の夢を見た・・・。」
マリーンは強くエリーナの手を握った。
エリーナはマリーンの顔を見て、一瞬だけ微笑んだ。
「もし・・・、出来るなら・・・、もう一度だけ・・・、幼い頃に戻って・・・、マリーンと遊びたかった・・・。
叶わない夢だと知っていたけど・・・、もう一度だけ・・・、そうしたかった・・・。」
そう言うと、エリーナは動かなくなってしまった。
エリーナは死んだ。
マリーンは泣きながら妹の体を抱きしめた。
「ごめんなさい。
あなたを救えなくてごめんなさい。」
マリーンはそう言いながら、もう動かなくなった妹の体を抱きしめて泣き続けた。

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