幽霊ハイスクール 第六話 下着泥棒を捕まえろ

  • 2010.10.31 Sunday
  • 09:04
 「はい、そこまで。」
教室に教師の声が響いた。
今日は中間テストの最終日だったのだ。
そして今さっき最後のテストが終わった。
回答用紙を前の席に渡していく。
テストが終わると、木原が俺の席にやって来た。
「今回も自信無いぜ。
どうせ点数悪いだろうな。
全然勉強しなかったからなあ。」
木原が言う。
「それは勉強していないお前が悪いんだろ。
少しは勉強しろよ。」
「だって面倒くさいじゃん。
勉強する暇があったら、何か他のことをやってるよ。」
そんなことをしていたら、テストの点数が悪くても仕方ない。
「健太郎君は今回のテスト、自信があるんですか?」
佳恵さんが聞いてきた。
「うん、まあ少しは。」
「健太郎君一生懸命勉強してましたからね。
きっと良い点数をとれていますよ。」
「そうだといいけどな。」
テストが終わった教室は、みんながテストについて話していた。
自信があるとか無いとか、そんな話題ばかりだ。
「佳恵さんは頭は良かったの?」
木原が聞いた。
「そうですね。
自分で言うのもあれですけど、悪くはなかったと思いますよ。」
それを聞くと、木原は笑顔で佳恵さんを見て言った。
「きっと佳恵さんは頭が良かったんだろうなあ。
だって佳恵さんからは知性を感じるもの。
美人で知的。
佳恵さんは最高だね。」
また木原が佳恵さんを褒めだした。
「俺は知的な女性に惹かれるなあ。」
木原が言った。
「そうなんですか?
木原君の好みは頭の良い女性なんですね。」
「うん、そうだよ。
佳恵さんみたいな人が好みだ。」
木原は恥ずかしいことをあっさりと言う。
佳恵さんは笑っていた。
「褒めて頂いてありがとうございます。」
佳恵さんは、弟を見るような目で言った。
木原は佳恵さんが好みのタイプだ。
しかし佳恵さんは木原を可愛い弟のようにしか見ていないだろう。
まあ佳恵さんが木原を好きになったとしても、幽霊と人間とでは交際出来ないが。
そうやって三人で話していると、美保がやって来た。
そして美保の隣には、美保の友達の宮川洋子がいた。
「今日のテストどうだった?」
美保が聞いてくる。
「俺はまあまあかな。
木原は全然自信が無いらしいけど。」
「まあどうせ木原は勉強してないんでしょ。
テストに自信が無くて当然よ。」
美保は木原を見て言った。
「よく俺が勉強してないって分かったな。」
「だっていつものことじゃない。
勉強熱心な木原なんて、想像出来ないわ。」
美保の言葉に俺も頷いた。
勉強熱心な木原なんて、俺も想像出来ない。
「それでさ、ちょっと話は変わるんだけど。」
美保が真剣な顔で言った。
「何だよ。
真剣な顔して。」
「うん、洋子のことなんだけど・・・。」
美保は宮川洋子を見た。
「宮川さんがどうかしたのか?」
木原が大きな声で言う。
「ちょっと、木原。
声がデカイ。」
美保が怒るように言った。
「ねえ、洋子。
あのこと健太郎達に相談してもいいわよね。」
すると宮川さんは恥ずかしそうに頷いた。
「何かあったのか?」
「うん、実は・・・。」
美保がまた宮川さんの方を見た。
すると宮川さんは、少し前に出て話し始めた。
「私、今悩んでいることがあるの。」
「へえ、何だい?」
木原が聞く。
すると宮川さんは、少し顔を赤くして答えた。
「実はね、私、今下着泥棒に遭ってるの。」
「下着泥棒!」
また木原が大きな声で言った。
「だから声がデカイって言ってるでしょ。」
美保が怒った。
「洋子はね、ここ最近下着を盗まれているの。
それを悩んでるのよ。
それで何か良い解決策はないかと思って、あんた達に相談したわけ。」
「下着泥棒ねえ・・・。」
俺は呟いた。
すると佳恵さんが言った。
「下着泥棒なんて許せません。
健太郎君、相談にのってあげましょう。」
珍しく佳恵さんが怒っていた。
俺は頷いて、宮川さんに聞いた。
「その下着泥棒にはいつ頃から遭ってるの?」
「一週間くらい前からかな。
下着は二階のベランダに干してあるの。
それである日、洗濯物を取り入れていたお母さんが、私の下着が無いことに気付いたの。
それで今でも私の下着がちょくちょく無くなってるの。
私、気味が悪くて。
どうしよう。」
宮川さんは、泣きそうになりながら言った。
美保が宮川さんの肩に優しく手を置く。
「警察には行ったの?」
俺は聞いた。
「まだ行ってない。
なんだか下着泥棒に遭ったって言うのが恥ずかしくて。」
そう言うと宮川さんは俯いた。
「そういうわけで、あんた達に相談しに来たわけよ。
ねえ、健太郎。
何か良い解決策はない?」
美保が聞いてくる。
「いきなりそんなこと言われてもなあ。」
すると佳恵さんが言った。
「健太郎君。
真剣に考えてあげて下さいね。
私、下着泥棒なんて許せませんから。」
すると、佳恵さんの言葉を聞いた木原が言った。
「じゃあ俺達でその下着泥棒を捕まえよう。」
「私達で捕まえるの?」
美保が驚くように言った。
「うん。
俺達で宮川さんの家を見張ってさ。
それで下着泥棒が現れたところを捕まえるんだ。」
「そんなこと出来るかなあ。」
美保は言った。
「でも解決策っていったら、それしかなさそうだよな。」
俺も木原の意見に賛成だった。
「洋子はどう思う?」
美保が宮川さんに聞いた。
「私はみんなが協力してくれるなら嬉しい。」
「じゃあ決まりだな。
俺達で下着泥棒を捕まえよう。」
木原が言った。
「木原君、えらいです。
自分たちで下着泥棒を捕まえようなんて。」
佳恵さんのその言葉を聞いて、木原は嬉しそうに笑った。
「分かったわ。
じゃあ私達で下着泥棒を捕まえましょう。
それで、いつにする?」
美保が聞いてきた。
「宮川さん、下着を盗まれる時間帯は決まってるの?」
俺は聞いた。
「うん。
うちは両親が共働きだから、お母さんが家に帰って来てから洗濯物を干すの。
だから下着を盗まれるのはいつも夜だと思う。
朝になると下着が無くなってるから。」
「夜って何時くらい?」
木原が聞く。
「お母さんが洗濯物を干すのは夜の七時くらい。
それから朝になったら下着は無くなってるの。」
おそらく下着泥棒は、人目につきにくい夜を狙って来るのだろう。
狙って来るのは、宮川さんの下着が干された夜の七時から、翌日の明るくなる前の間だろう。
下着泥棒を捕まえるには、その時間の間、ずっと見張っていなければならない。
結構大変かもしれない。
「なるべく早く下着泥棒を捕まえた方がいいな。
捕まえるのは今日の夜にしよう。」
木原が言った。
「そうね。
早く解決したいもんね。
洋子はそいれでいい?」
美保が聞く。
「うん。
私も早く下着泥棒を捕まえて欲しいから、それでいい。」
「じゃあ決まりだな。
今日の夜七時に、宮川さんの家の前に集合だ。」
木原が勢い良く言った。
「そうね、そうしましょう。」
美保も頷く。
「私も協力します。」
佳恵さんが言ってきた。
「私が宙に浮いて、二階のベランダを見張ります。
それで下着泥棒が現れたら、健太郎君達に知らせます。」
「それは良い考えだよ、佳恵さん。」
木原が大きな声で言った。
すると宮川さんが不思議そうな顔で聞いてきた。
「木原君、誰と喋ってるの?
佳恵さんて誰?」
そう聞かれて木原は慌てた。
「え、あ、いや。
何でもないよ。
ただの独り言。
ははは。」
木原は笑って誤魔化した。
俺と美保の視線が木原に突き刺さる。
木原はばつの悪そうな顔をしていた。
「ま、まあとにかく、今夜宮川さんの家の前に集合ということで。」
木原は頭を掻きながら言った。
「了解。」
美保が頷く。
宮川さんも頷いた。
「健太郎君。
私達で、必ず下着泥棒を捕まえましょうね。」
佳恵さんが力強く言ってくる。
俺はチラリと佳恵さんを見て、コクリと頷いた。

                                 第六話 つづく

カメラマンは大変

  • 2010.10.31 Sunday
  • 09:00
 昨日の友達の結婚式のカメラマンをしていたのは、私の友人です。
カメラマンの友人の仕事ぶりを見て、感心しました。
挙式から披露宴まで、約五時間半の間、ずっと撮りっぱなしです。
食事にも手をつけられず、ひらすら忙しく撮っていました。
一言、お疲れ様と言いたいです。

幸せそうな二人

  • 2010.10.31 Sunday
  • 08:56
 昨日は友達の結婚式でした。
花婿さんも、花嫁さんも、とても幸せそうでした。
花婿さんは背の高いイケメンです。
花嫁さんはスタイルの良い美人です。
美男美女の二人に、祝福の拍手を送りました。

今日はお休み

  • 2010.10.30 Saturday
  • 07:05
今日は用事があるので、小説とブログの更新はお休みします。
また明日から書きます。

幽霊ハイスクール 第五話 悩みの背後霊(2)

  • 2010.10.29 Friday
  • 09:05
 晩ご飯を食べたあと、自分の部屋で勉強をしていた。
今月はテストがあるのだ。
時計を見ると午後七時二十分。
今夜八時に茂上神社に用がある。
もうすぐ茂上神社に行かなければならない。
木原のせいで、俺と木原で沢口の背後霊を取り除くことになってしまったのだ。
木原は佳恵さんが説得すれば、木原の背後霊が取り除けると思っていた。
しかし佳恵さんはそんなことは出来ないと言った。
背後霊を説得して切り離すなんて、そんなに簡単なことではないらしい。
佳恵さんをあてにしていた木原は大いに困った。
しかし沢口は、俺達が背後霊を取り除いてくれると思っている。
さて、どうしたものか。
「どうしようか、佳恵さん。」
俺は困った顔で佳恵さんに聞いてみる。
「困りましたね。
どうしましょう。」
佳恵さんも困っていた。
二人して困っていると、俺のケータイが鳴った。
「もしもし。」
ケータイに出ると、相手は美保からだった。
「木原から聞いたわよ。
あんた達今夜、茂上神社で除霊をやるんでしょ。
どうしてそんな面白そうなことに私を誘ってくれないの。」
美保はちょっと怒っていた。
「面白いことなんかじゃないよ。
こっちは困ってるんだ。
木原がいい加減なことを言うから。」
「知ってるわよ。
沢口君は霊にとり憑かれていて、それを佳恵さんが説得して切り離すつもりだったんでしょ。
でもそれが出来ないって木原は困ってたわよ。」
「そうなんだよ。
どうしようか俺も佳恵さんも困ってるんだ。」
「とにかく、私も今夜八時に茂上神社に行くわ。
何とかして沢口君の背後霊を除霊しましょう。
じゃあまた後でね。」
そう言って電話は切れた。
「美保から電話がかかってきたよ。
あいつも来るそうだ。」
「そうなんですか。
でも美保さんが来たからといって、どうにかなるわけじゃないですね。」
その通りだ。
俺達に除霊なんて出来ない。
木原は一体どうするつもりなのだろう。
時計を見ると七時半になっていた。
茂上神社は俺の家から自転車で二十分ほどの所にある。
俺は勉強をやめ、早めに茂上神社に行くことにした。
外に出て自転車にまたがる。
ペダルをこいで茂上神社を目指した。
「一体どうなるんでしょう。」
宙を飛んでついて来ながら、佳恵さんが心配そうな声で言ってくる。
「俺にも分からないよ。」
そして二十分ほど自転車をこいで、茂上神社に着いた。
神社の前には二つの自転車がとめてあった。
ケータイで時間を確認すると、午後八時前だった。
俺は神社の階段を上がって鳥居をくぐった。
すると神社の中庭に、木原と美保がいた。
「よう、健太郎。」
木原が大きな声で挨拶してくる。
「よう、じゃないだろう。
一体どうするつもりなんだよ。」
「やっぱり佳恵さんに説得してもらうしか方法はないと思うんだ。」
木原は言った。
すると佳恵さんは言った。
「でも私は背後霊に離れてもらうように説得したことなんかありませんよ。」
「うん、分かってる。
でもそこを何とかお願いしたいんだ。」
木原は佳恵さんに手を合わせて頼んだ。
「でも・・・。」
佳恵さんは困っている。
「どうかこのとおり。
お願いします。」
木原が頭を下げた。
すると佳恵さんは困りながらも言った。
「分かりました。
一応説得してみます。
でも期待はしないで下さいね。」
「ありがとう!」
木原は大きな声で言った。
そして数珠を取り出した。
「じゃあ俺が数珠を握ってお経を唱える。
まあ除霊してるふりをするわけだな。
その間に、佳恵さんに沢口の背後霊を説得して欲しいんだ。」
「分かりました。
とにかくやってみます。」
佳恵さんはしぶしぶという感じで言った。
「それと沢口の背後霊に、沢口を除いて俺達にも姿を見せるように頼んで欲しいんだ。
沢口の背後霊が、どんなやつか知りたいから。」
佳恵さんは頷いた。
沢口には背後霊の姿を見せないのには俺も賛成だった。
もし沢口に背後霊の姿を見せたら、ややこしくなる。
佳恵さんには背後霊を説得してもらわなければならない。
しかし沢口には佳恵さんの姿は見せられない。
もし沢口に背後霊の姿を見せたら、佳恵さんの姿が見えない沢口は、背後霊が一人で喋っているように見えるだろう。
何だかおかしな話になってしまう。
そんなことを考えていると、鳥居の向こうから人影が現れた。
沢口だった。
「もうみんな来てたんだ。
野村さんもいるのか。」
沢口が美保を見て言う。
「野村も霊に詳しいんだ。
だから来てもらった。」
木原が言った。
「ふーん。
まあいいけど。
それで俺はどうすればいいわけ。」
沢口が木原に聞く。
「ああ、そこで立っててくれればいいよ。」
「分かった。」
すると木原は数珠を握り、お経を唱え始めた。
そして佳恵さんが沢口に近づいて行く。
佳恵さんが何やら話し始めた。
多分沢口の背後霊に、沢口以外の俺達に姿を見せるように頼んでいるのだろう。
それから二分ほど経った。
沢口の後ろに、中年の痩せた男性が現れた。
木原はお経を唱えながら沢口の背後霊を見た。
俺と美保もじっと沢口の背後霊を見た。
沢口の背後霊は、佳恵さんを見ていた。
佳恵さんの説得が始まった。
「あの、私、西野佳恵といいます。
その、お願いがあるんですが、今とり憑いている子から離れて欲しいんです。」
すると沢口の背後霊は「ふん。」と鼻を鳴らした。
「俺はこの子にとり憑いていると気分が落ち着くんだ。
俺はこの子から離れる気はない。」
「でもあなたがとり憑いているせいで、その子は体調を壊しています。
どうかその子から離れてあげてくれませんか。」
「嫌だね。」
「そこを何とか。」
「嫌なもんは嫌だ。」
やはり説得は難しいようである。
佳恵さんは困った顔でこちらをチラリと見た。
すると背後霊が言った。
「俺はこの子と波長が合うんだ。
一緒にいてとても落ち着く。
だから離れる気はない。」
「でもその子はあなたにとり憑かれて困っています。
その子のことはどうでもいいんですか。」
すると背後霊は俺を見てから佳恵さんに言った。
「あんたもそこにいる男の子にとり憑いているじゃないか。
人のことは言えないだろ。」
「いや、これには深い事情がありまして・・・。」
「何だよ、深い事情って。」
背後霊は強気に出る。
「それは、神様からあの子と一緒にいるように言われたんです。」
すると背後霊は笑った。
「神様から言われただと。
誰がそんなこと信じるものか。
俺にこの子から離れて欲しいのなら、あんたもあの男の子から離れたらどうだ。」
「いえ、それは・・・。」
佳恵さんは困った顔でこちらに戻って来た。
「やっぱり説得するのは無理ですよ。」
「そうか。
困ったな。
どうしよう。」
お経を唱えている木原が、ちらりとこちらを見る。
木原も佳恵さんと背後霊の会話は聞いていただろう。
説得は無理だということが分かったのかもしれない。
木原は困った顔をしていた。
佳恵さんと背後霊の姿が見えない沢口は、何がおきているか全く分かっていないだろう。
「佳恵さん、もう一度だけ説得してくれないか。」
俺は言った。
「それはいいですけど、多分何も変わらないと思いますよ。」
そう言いながら佳恵さんは背後霊の方に行った。
「どうしてもその子から離れてもらえませんか。」
「嫌だね。」
「どうしてもですか?」
「どうしてもだ。」
やはり説得は無理か。
木原も諦めたような顔をしていた。
その時、神社の奥の方から声がした。
「何じゃい。
うるさくて眠れんぞい。」
その場にいた全員が声のした方を見た。
すると神社の奥から、袴を穿いた、長い顎髭をたくわえたおじいさんが現れた。
その体は宙に浮いていた。
「何だ、あのじいさん!」
沢口が驚いて言った。
「佳恵さん、このおじいさんって・・・。」
俺も驚いて言った。
すると佳恵さんは言った。
「多分この方は、この神社に祭られている神様だと思います。」
「神様!」
俺も木原も、そして美保も驚いた声を出した。
「夜は静かにするもんじゃ。
これだから最近の若いもんは。」
そう言って神様は俺達を睨んだ。
すると木原が神様の方に向かって行った。
「あ、あの・・・。
お願いがあるんです。」
「何じゃい。」
神様は木原を睨みつけて言う。
「俺の友達が霊にとり憑かれているんです。
ほら、あそこの中年の痩せた男性の霊。
その霊にとり憑かれているせいで、友達は体調を壊してしまったんです。
お願いです、神様。
あの霊を何とかして下さい。」
神様は背後霊を睨んだ。
「な、何だよ。」
怯える背後霊。
「生きている人間に迷惑をかけてはいかんの。」
神様はそう言った。
「とり憑いているのは俺だけじゃないだろう。
そこの女の霊も、そこの男の子にとり憑いているじゃないか。」
すると神様は俺と佳恵さんを見た。
「ふむ。
この二人は仕方ないのじゃ。
そういう運命じゃからの。
わしとは別の神様が、この二人を出会わせたんじゃ。」
「そ、そんなこと信じられるか!」
背後霊は言った。
「さっきも言ったが、生きている人間に迷惑をかけてはいかん。
お前はただその子にとり憑いておるだけじゃ。
そしてその子はそのせいで体調を壊しておる。
お前はいつまでもこの世にとどまっておらず、さっさと本来行くべき場所へ行け。」
そう言うと神様は、背後霊に向かって右手を向けた。
神様の右手が一瞬だけ光る。
すると背後霊の体は光に包まれ、そのまま空へと昇って行った。
沢口の背後霊はいなくなった。
「ありがとう!
神様!」
木原が大きな声で言った。
「さて、わしはもう寝るからの。
これ以上うるさくするでないぞ。」
そう言って神様は神社の奥へと戻って行った。
「何だったんだ、今の。」
沢口がまだ驚いた顔で言った。
「よかったな、沢口。
これでお前に憑いていた霊はいなくなったぞ。」
木原が沢口の近くに駆け寄って言った。
「そう言いえば、何だか体調が良くなったような。」
沢口は言った。
「よかったな、沢口。」
俺も沢口の近くに行って言った。
「ああ、何だか分からないけど、俺に憑いていた霊がいなくなったんだな。
これはお前達のおかげか?」
「いや、この神社の神様のおかげだ。」
俺は言った。
すると沢口は、神社に向かって手を合わせて言った。
「ありがとうございます、神様。」
とにかく一件落着だ。
俺と佳恵さんは顔を見合わせ、安堵の息を吐き出した。

                                 第五話 完

犬がいないから

  • 2010.10.29 Friday
  • 09:01
 玄関に置いていた犬を、外に置きました。
そすると、猫達が玄関に集まり始めました。
別に玄関に集まるのはいいんです。
ダメなのは、その玄関でオシッコをする奴らがいるということです。
犬を外に置いて以来、猫は玄関でオシッコをしまくっています。

ストーブをつける

  • 2010.10.29 Friday
  • 08:59
 あんまり寒かったんで、昨日はストーブをつけていました。
去年買った電気ストーブです。
いやあ、ストーブって暖かいです。
気持ちまでほぐれてきます。
寒い日は、ストーブの前から動きたくないですね。

幽霊ハイスクール 第五話 悩みの背後霊

  • 2010.10.28 Thursday
  • 09:20
 弁当を食べた後の授業はとても眠たい。
俺は眠たいのを我慢しながら授業を聞いていた。
「健太郎君、寝ちゃダメですよ。
ちゃんと授業を聞かないと。」
佳恵さんが眠たそうな俺を見て言ってくる。
「分かってるよ。」
そう言ったが眠いものは眠い。
俺は睡魔と闘うのと必死で、授業の内容はほとんど頭に入ってこなかった。
物置部屋の幽霊の件から二週間が経っていた。
その間にほとんど誰も見に来ない体育祭は終わり、九月から十月にかわっていた。
今月は中間テストがある月だ。
やがて授業が終わり、俺は大きな欠伸をした。
あれだけ眠たかったのに、授業が終わったとたん眠たくなくなるから不思議だ。
次の授業までの休み時間の間に、木原がやって来た。
「さっきの授業、眠たくて仕方なかったぜ。」
どうやら木原も眠たかったらしい。
「でも授業が終わると眠たくなくなるだろ?」
「そうんだよ。
不思議だよなあ。」
俺と木原が話していると、佳恵さんが口を開いた。
「私も同じ経験があります。」
「佳恵さんもやっぱり弁当を食べた後の授業は眠たかったの?」
木原が聞く。
「はい。
とても眠たくて、授業の内容はほとんど頭に入ってきませんでした。」
やはりみんな同じなのだ。
次の授業が始まったら、また眠たくなるのかな。
そう思っていると、前の席の沢口正弘が声をかけてきた。
「俺は最近ずっと眠いよ。」
なんだか沢口の顔色が悪かった。
「なんか顔色が悪いな。
大丈夫か?」
すると沢口は大きなため息を吐いて言った。
「なんか最近ずっと眠たくて仕方ないんだ。
それに体もだるいし、食欲もないし。」
「何かの病気じゃないのか?」
木原が言った。
すると佳恵さんが言った。
「その沢口君という方の後ろに霊が見えます。」
「本当かよ?」
俺は小声で聞き返した。
「はい、本当です。
中年の男性で、とても痩せています。
多分病気で亡くなられた霊だと思います。
沢口君が最近眠たかったり、体がだるかったりするのはその霊のせいだと思います。」
俺は沢口の後ろをじっと見た。
何も見えない。
「なあ、沢口。
最近何か変わったことはなかったか?
心霊スポットに行ったとか、墓地に行ったとか?」
「無いよ。
てりうかなんでいきなりそんなことを聞いてくるんだ。」
「え、いや、ちょっとな。」
すると沢口はまた大きなため息を吐いてから言った。
「でもそう言えば・・・。」
「そう言えば?」
「十日ほど前に街を歩いていたら、急に背中が寒くなって、体が重くなったんだ。
思えばあの時から体調が悪くなったな。」
「普通に街を歩いていただけか?
何か特別なことはしなかったのか?」
「ああ、普通に街を歩いていただけだよ。
そしたらさっき言ったようになったんだ。」
その言葉を聞いて、佳恵さんが言った。
「多分沢口君の波長と、沢口君の背後にいる霊との波長が合ったんだと思います。」
波長が合う?
どういうことだろうと思っていると、佳恵さんが説明してくれた。
「どんな人間も霊も、それぞれに波長というものがあります。
この波長が近いと、その人間と霊は引かれ合うんです。」
ということは、沢口はたまたま街を歩いていて、たまたま自分の波長と合った霊に出くわしたわけだ。
それでその霊にとり憑かれたわけだ。
佳恵さんの話を聞いていた木原が、沢口に言った。
「お前の体調が悪いのは、霊のせいかもしれないぞ。」
何を言ってるんだこいつは。
俺は木原を睨んだ。
しかし木原はそんなことを気にもとめずに続けた。
「お前、霊にとり憑かれているんだよ。」
「なんだよ、それ。
本気で言ってるのか?」
沢口が怪訝そうな顔をする。
当たり前だ。
いきなり霊にとり憑かれているなんて言われたら、誰だってそんな顔をする。
「実は俺達、霊に詳しいんだよ。
なあ、健太郎。」
木原が大きな声で言ってくる。
俺は何と返していいか分からず、しばらく黙っていた。
「なあ、俺達霊に詳しいよな。」
また木原が大きな声で言ってくる。
俺は仕方なく頷いて言った。
「ま、まあな。」
すると沢口の表情が変わった。
「本当かよ?」
「ああ、本当だよ。」
木原が答える。
「俺って今、霊にとり憑かれてるの?」
沢口が心配そうな声で聞いてくる。
「ああ、そうだぜ。
お前は今霊にとり憑かれているんだ。
だから体調が悪いんだ。
だからその霊を何とかすれば、お前の体調も良くなるはずだぜ。」
木原がそう言うと、沢口は真剣な顔で言った。
「俺は一体どうすればいいんだ?」
「そうだな。
その霊を取り除くしかないな。」
木原が言う。
「取り除くって、どうやって?」
すると木原は二コリと笑って俺の方を見た。
いや、正確には俺と佳恵さんの方を見た。
「俺と健太郎でお前にとり憑いた霊を取り除いてやるよ。」
一体こいつは何を言ってるんだ。
俺と木原で霊を取り除くだと。
そんなこと出来るわけないだろう。
しかし木原はかまわず続けた。
「さっきも言っただろ。
俺達は霊に詳しいんだ。
俺達に任せとけばいいよ。」
「本当か?
本当にお前達に任せて大丈夫なのか?」
「ああ、大丈夫だって。
なあ、健太郎。」
「え、いや、・・・。」
俺は困った顔で佳恵さんを見た。
佳恵さんも困った顔をしていた。
「じゃあ俺はどうすればいい?」
沢口気が聞いてくる。
「そうだな。
じゃあ今日の夜、茂上神社で待ち合わせしよう。
そこでお前の霊を取り除いてやるよ。」
沢口はしばらく黙ってから、「分かった。」と言った。
「今日の夜、茂上神社に行けばいいんだな。」
「ああ、そうだよ。
夜の八時くらいに集合にしよう。」
「分かった。
お前達に任せるよ。」
沢口がそう言ったところで、休み時間の終了のチャイムが鳴った。
次の授業が始まる。
俺は眠気などどこかへ消えていた。
「佳恵さん、木原があんなこと言ってたけどどうしよう。」
俺は小声で佳恵さんに話しかけた。
「さあ、どうしましょう。
木原君に何かいいアイデアがあるのかもしれません。」
佳恵さんも困っているようだった。
そして授業が終わり、帰る時になって沢口が言ってきた。
「じゃあ今夜八時に茂上神社で待ってるからな。」
そう言って沢口は帰って行った。
俺は木原のところへ行った。
「おい、木原。
さっきのはどういうつもりだよ。」
「どういうつもりって?」
木原は平然とした表情で言ってくる。
「沢口の霊を取り除くって話だよ。
何で俺まで巻き込まれるんだ?
ていうかどうやって霊を取り除くんだ?
何か考えがあるんだろうな。」
すると木原は笑った。
「そんなの簡単じゃん。
佳恵さんに説得してもらえばいいんだよ。
沢口に憑いている霊に、沢口から離れてもらうように。」
すると佳恵さんは慌てて言った。
「もしかして、私をあてにしてたんですか?」
「そうだよ。
佳恵さんなら霊とも話せるし、説得も出来るだろ。」
「ちょ、ちょっと待って下さい。
私はとり憑いた霊を説得したことなんかありません。
私をあてにされても困ります。」
そこで初めて木原は動揺した。
「え?
そうなの?」
「そうですよ。
波長の合っている人間と霊を切り離すなんて、そんなに簡単なことじゃありません。
私ではどうすることも出来ませんよ。」
「そんな!
なんてこった!」
木原は困った顔になった。
俺はこいつはアホなのだろうかと思った。
どうして佳恵さんに霊が取り除くことが出来ると思ったのだろう。
「どうにかならない、佳恵さん。」
木原は困った顔で言った。
「どうにもなりませんよ。」
「ああ、なんてこった!」
やはりこいつはアホだ。
「で、どうするんだ。
沢口は俺達が霊を取り除いてくれると思ってるぞ。」
木原は心底困った顔をしながら言った。
「今さらどうしようもないだろ。
沢口は俺達が霊を取り除いてくれると思ってるんだから。
とにかく、今夜八時に茂上神社に行くしかないだろう。」
さて、これからどうするのか?
俺と佳恵さんは顔を見合わせ、お互いにため息を吐いた。

                                 第五話 つづく

音楽を聴きながら筋トレ

  • 2010.10.28 Thursday
  • 09:16
 音楽を聴きながら筋トレをすると、いつもよりはかどります。
特にロックを聴きながらだと。
何も無しに筋トレをしていると、結構しんどいです。
でも音楽を聴くとやる気が出てきます。
音楽の効果ってすごいです。

ウイスキー

  • 2010.10.28 Thursday
  • 09:12
 最近ウイスキーにはまっています。
友達もウイスキーにはまっていると言っていました。
ウイスキーはカロリーが少ないんだそうです。
太る心配がないですね。
そのかわりアルコール度数が高いです。
お酒に弱い私は、少し飲んだだけで酔ってしまいます。

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