- 2015.09.30 Wednesday
- 10:34
型にハマるって言葉があります。
趣味だろうと仕事だろうと、長く続けているとどうしても型にハマってしまいます。
例えば工場のライン作業の場合は、型にハマった方が上手くいくとい思います。
私も工場でバイトをしたことがあるんですが、あれは心を無に出来る人間が強いと思いました。
自分とは?人生とは?仕事とは?
そんな事を考え出すと、途端に辛くなるのが工場の作業です。
でも逆に、単純作業の方が色々と考えが捗る人もいるかもしれません。
いずれにしろ、工場での作業はいかに正確に、そして素早く仕事をこなすかにかかっています。
だから型にハマることが出来ないのであれば、みんなに迷惑をかけてしまいます。
それが分かったので、私は工場のバイトは一度きりしかしていません。
型にハマるって良し悪しで、工場の仕事だと型にハマった方が上手くいくと思います。
だけど漫画や小説、それに絵や音楽などは、型にハマった作品はつまらなくなってしまいます。
ある程度長く続けていると、どんな物事でも型にハマるから、そこから抜け出すのは至難の業です。
上達しないのなら、まずは型にハマることも重要だったりします。
例えば絵が好きな人がいたとして、でも全然基本がなっていなかったとします。
そういう人は、まずは人物のバランスとか、遠近法とか、基本的な知識を身に着ける必要があります。
そうすることで、今まで下手だった絵が劇的に上達することもあるでしょう。
しかしそれに縛られ過ぎていると、今度はオリジナリティが無くなってしまいます。
基本を身に着けたなら、今度は個性を大事にしないといけないのに、基本に忠実すぎてつまらない絵になったら元も子もありません。
ある程度上手くなったならば、わざと下手に描いてやろうとか、この方法論は捨ててやろうとか、そういうことだって必要なんだと思います。
もししっかりと基本が身についているのであれば、わざと下手に描いたって、「あ、、この人はちゃんと描けば上手いんだろうな」と分かるものです。
絵本なんかだと、子供向けにわざと下手に描いている場合があるけど、でもやっぱりプロの絵だから上手いんですよ。
完全に自由な子供の絵とは違って、どこかで形を取ろうとしてしまいます。
ある絵本作家が、「子供の絵には勝てない」と言っていました。
あの岡本太郎だって、「子供はみんな絵の天才」と言っています。
これは型にハマっていないってことです。
だからプロの絵描きになってしまった以上、子供の絵には勝てないって意味なのでしょう。
でも子供にプロのような上手い絵は描けないから、結局何を描いているのは判断がつかなかったりします。
型にハマると失ってしまう事、型にハマるからこそ身に付く事、二つとも正しいのでしょう。
でもやっぱり私は、上手い絵を描きたいです。
大人になったんだから、いつまでも子供のような絵を描いていたいとは思いませんし、子供が絵の天才だとは思いません。
本当に絵の天才ならば、大人になっても素晴らしい絵を描くでしょう。
子供だからこその絵を持ってきて、それを天才というのは安易だと思います。
成長して失われるようなものなら、才能でも何でもありませんからね。
下手こそものの上手なれ。
型にハマったその先を開くことで、本当に満足できる何かが手に入るかもしれません。ていうかそう信じています。
だからやっぱり、基本は大事だと思います。
オシャレって何でしょうか?
元々がカッコいい人なら、ジーンズにTシャツだけでもオシャレに見えるでしょう。
元々が綺麗な人なら、やはりジーンズにTシャツだけでも綺麗に見えるでしょう。
元が良い人というのは、無難な恰好さえしていれば、それだけでオシャレに見えます。
素材が良いんだから当たり前ですよね。
服が人を引きたてるんじゃなくて、人が服を引きたてている感じです。
でも無難な服を着てもオシャレに見えるんであれば、それは本当のオシャレかどうかは分かりません。
いや、そもそもオシャレっていったい何なのか?
例えばカラフルで奇抜な衣装があったとしても、それが伝統文化の民族衣装となれば、ダサいとは思わないでしょう。
日本人がターバンを巻いて歩いていると変な目で見られるだろうけど、インド人なら違和感はないはずです。
逆に言うと、日本人なら着物を着ていても違和感はないけど、アフリカの人が着物を着ていたら浮いて見えるはずです。
それにガタイの良い人ならタンクトップが似合うでしょうけど、細身の人だとあまり似合わないと思います。
でもそれは男性の場合の話で、スタイルの良い女性なら、細見でもタンクトップは似合いそうです。きっと色っぽく見えることでしょう。
人間には固定観念というのがあって、そこから外れたスタイルはダサく見えるはずです。
しかしダサい服装でも長く続けていれば、だんだんと目が慣れてきます。
そしてダサい服装が世間に浸透すれば、それはオシャレに変わるでしょう。
例えばダメージジーンスというのがありますが、あれは元々長く穿いていたジーンズが傷んで、穴があいたり破れたりしたジーンズのことを指します。
本来なら破けた服なんてみすぼらしいはずなのに、今ではわざとダメージ加工している物までありますよね。
それにダボっとしたルーズストレートのジーンズを、腰より下で穿く腰パンも流行りました。
昔の人なら、「なんてだらしない!」と怒る恰好でしょうけど、今ではそう違和感はありません。
それにボトムスの足元だって、最近はたるんでいるのが普通です。
でも本来であれば、ボトムスというのはくるぶしよりも少し上くらいが基本なんだそうです。
だけど皆がたるんだボトムスを穿いていると、やがてそれが当たり前になり、格好悪いファッションと笑われることはありません。
それにジャケットだって昔と様変わりしています。
昔はジャケットを着る場合、襟付きのシャツにスラックスが基本でした。
でも今はジーンズに合わせたり、チノパンに合わせたり、細身のレギンスに合わせたりと、組み合わせの幅は広がっています。
セーターの上から着てもいいし、Tシャツの上から着てもいいし、なんなら迷彩柄とでも合うのです。
昔ならきっと違和感があっただろうけど、今はそんな事はありません。
昔に比べて服装に気を遣う人は多くなり、しかもカジュアルな服装が浸透しています。
だからジーンズやTシャツなんかのカジュアルな服にジャケットを合わせても、何ら違和感はないのです。
要するにオシャレかダサいかの基準というのは、固定観念に逸れるか逸れないかの違いというわけです。
そして才能のあるデザイナーなら、自分がその固定観念を打ち崩し、新たなファッションを流行らせることが出来るでしょう。
それともう一つ。デザイナーとは対極にいる素人からも、新たなファッションは流行していきます。
腰パンもルーズソックスもダメージジーンズも、大衆の中から生まれたスタイルです。
普通の人が面白がって編み出した服装だからこそ、デザイナーには及びもつかないスタイルが誕生することもあるはずです。
例えば料理の場合でも、昔は押し寿司という高級な寿司しかありませんでした。
しかし江戸前寿司と呼ばれる寿司が誕生し、現代ではそれが寿司の主流スタイルです。
でもこの江戸前寿司は、銭湯帰りの客をターゲットに絞ったファーストフードだったのです。
それがいつしか高級な料理へと昇華され、今では大衆では手の届かない高級な店もあります。
日本は大衆文化の国だから、貴族や国が主導して価値を生み出すのではなく、大衆の中の自由な発想から多くの物が生まれました。
それが時代と共に昇華されて、一流の仲間入りをしているわけです。
納豆やイカの塩辛は、最初はとっつきにくい食べ物です。でも繰り返し食べているうちに、「あれ、これ美味しいんじゃないの?」と舌が慣れてきます。
服装もこれと同じで、最初はダサいと思っていたファッションが、時代と共にオシャレへと生まれ変わります。
だから何をもってオシャレとするかは、定義をするのが難しいです。
遠い未来のいつの日か、みんなが着物を着て歩き、しかも頭にはターバンを巻いているかもしれませんね。
- 2015.09.26 Saturday
- 08:06
不労所得。働かなくても食っていける状態のことです。
普通は仕事をしないとお金がが入りません。食う物や住む場所を得る為に、仕事をしないといけません。
しかし親が資産家だったとしら、働かなくても食べていけます。
土地やビル、それに駐車場を持っているのなら、放っておいてもお金が入ってきます。
自分の資産を親から受け継ぎ、それを他人にレンタルさせるだけで、寝ていてもたくさんのお金が得られます。
働かなくても食っていける。欲しいものだって買えるし、海外旅行だって行き放題。
何もしなくても資産がお金を呼ぶから、これはもう天国ですよね。
そういう人達のことを不労所得者と呼ぶわけですが、ではこういう場合はどうでしょう?
例えばB'zやミスチルのように、長年第一線で活躍し、万人が認める一流のミュージシャンがいたとします。
ヒット作も多数あり、中にはダブルミリオンだってあります。
CDのトータル売り上げは五千万枚を超え、カラオケでも多くの人が歌います。
そんな凄いミュージシャンがいたとして、でもバンドの不仲とか、才能の枯渇とかで解散したとします。
だけどそのミュージシャンは、生活に困ることはありません。
なぜなら今までに稼いだ莫大なお金があって、しかもカラオケで自分の曲が選ばれる度に印税が入ってくるからです。
解散して10年経ってもCDは売れ、DVDだってそこそこのセールスです。
それに映画やテレビなどで曲が使用され、引退後10年でも様々な面から収入があります。
今はもう全然働いてないけど、過去に残した偉大な実績のおかげで、悠悠自適の生活が送れるわけです。
これは不労所得とは言いませんね。
CDの売り上げやカラオケの印税は、全て自分たちで創った曲から生まれたものです。
しかも長年第一線で活躍し、たくさんの名誉ある賞を受賞していたなら尚更です。
ヒット曲はたくさんあり、それらは全てそのミュージシャンの才能と努力が築き上げたものです。
だから引退後に仕事をせず、色んな所から収入があったとしても、それは不労所得ではありません。
自分たちで積み上げた結果が、今でも自分たちを生かしているからです。
では逆に、一発屋のミュージシャンの場合はどうでしょう?
上記のミュージシャンのように長い期間は活動せず、たった一曲のヒットだけ飛ばして引退してしまいました。
それはその一曲以外はまったく売れず、どのレコード会社とも契約が取れなかったからとします。
だけどその一曲はものすごくヒットして、今でもみんなが知っている曲です。
しかも誰もが口ずさめるほどの名曲で、当然カラオケでは上位の人気曲。
それに色んな所で使われるから、仕事がなくなってからも大きな収入があります。
だけどミュージシャンとして活動した期間は短くて、しかもヒット曲は一つきり。
みんなそのヒット曲は知っているけど、その人の他の曲はてんで知りません。
それにカラオケでは歌うものの、その人が今は何をしているかさえ知りません。
曲名はすぐに出て来るけど、その人の名前を出されると、「ああ、あの人ね・・・・」と誰もが認める一発屋なのです。
さて、このミュージシャンは、上記のミュージシャンのように複数のヒット曲は持っていません。
今はまったくメディアに出ることもなく、仕事なんて一つも来ない。
それに活動期間は一年と短く、今はまったく音楽活動もやっていません。
だけどカラオケなどの印税があるから、そのヒット曲だけで働かなくても食えるのです。
これは不労所得に当たるのかどうか?
もちろん法律的には当たらないと思います。一発屋だろうと何だろうと、自分で創った曲の収益なのですから、一切の労働なしに得たお金ではありません。
親の資産を受け継いで、悠悠自適に暮らしている者とはわけが違います。
しかしもしカラオケという文化が無ければ、そのミュージシャンの収入はなくなるでしょう。
それにヒット曲は一つだけで、そのせいで一年足らずで契約を打ち切られています。
だからそのミュージシャンに、本当に音楽の才能があったのかどうかも怪しいのです。
もしかしたらマグレでヒットを飛ばし、印税という制度のおかげで働かなくても食っているという状態かもしれません。
私はこの場合、法律的には問題なくても、これは不労所得に近いものだと思っています。
どこかの海外のミュージシャンが言っていたけど、「ミュージシャンはCDの印税で食うのはやめるべきだ」と語っていました。
ヒット曲が生まれれば、印税という制度がある以上、たくさんのお金が入ってきます。
もしそのミュージシャンが、世間から認められる程の実力の持ち主で、それを裏付ける確かな実績があるなら、印税で暮らしても問題ないと思います。
しかしマグレかもしれないヒット曲のおかげで、印税という制度に恩恵を受けて暮らすのは、やはり間違いでしょう。
確かな実力と実績の元に入って来るお金なら、それはその人が稼いだお金という証です。
しかしマグレかもしれないヒットのおかげで、印税という制度で収入を得るのは、本当にその人の力なのか?と疑ってしまうわけです。
それは親からビルなり駐車場なりの資産を受け継ぎ、それを貸して儲ける仕組みと、なんら変わらないような気がするのです。
本当に才能と実力のある人なら、複数のヒット曲を持ち、長年活躍して、今でもライブは満員御礼という状況になるでしょう。
要するに、自分たちの力で儲けているか、制度のおかげで儲けているかの違いです。
例えば漫画家や小説家の場合は、本やコミックの印税以外にほとんど収入がないので問題ありません。
もちろんアニメやゲームでの著作料、それにキャラクタービジネスという収入もあるけど、それは一発屋の作家には無理な芸当です。
ドラゴンボールや遊戯王、それにワンピースやナルトのように、スバ抜けたヒット作を生み出し、しかも何年、場合によっては十数年の連載の結果にしか生まれない副産物です。
だけどミュージシャンの場合は、CDの印税に加えて、カラオケの印税まであります。それに漫画家や小説家と違って、ライブで自分の曲を披露して稼ぐことも出来るわけです。
だからそこにカラオケの印税まで入れてしまうと、本当に音楽の才能があったのか怪しい一発屋でも、労働しなくて暮らせるような状況に成りかねません。
ミュージシャンに限らず、物創りに携わる人間は、あらゆる所から収入を得るのは良くないと思っています。
大きなお金が動くほどに、表現の世界は堕落していくんじゃないかと、勝手に心配しています。
calendar
GA
にほんブログ村
selected entries
categories
archives
recent comment
recommend
links
profile
search this site.
others
mobile
powered